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病気で苦しむ前に、空腹我慢

今回は、ジャーナリストである船瀬俊介さんの著書
「若返る!健康少食」という本の内容を紹介します。

野生動物の世界を見てみると、自由奔放に暮らしている
彼らだって、時には病んだり怪我をすることがあります。
そんな時に動物たちは、どのような対策をして
いるのかというと・・・「断食」です。

自分が病気になったり、怪我をしたときには何も食べずに
横になって、静かに回復を待ちます。
それは、野生の本能が「何も食べずに横になるのが一番である」
ということを教えてくれているのかもしれません。

今や断食は、世界中の学者が注目している究極の健康法です。
断食をすると、私たちの体は健康になり、
長寿や若返りの効果も得られます。
毎日お腹いっぱい食べていると、いずれ何らかの病気に罹り、
その病気によって苦しむことになるかもしれません。

食べるのを半分にすれば、健康寿命が延びて
2倍生きられるという著者の話を聞いてみましょう。





少食にすることのメリット

自分に合った方法で、今まで食べていた量よりも
食事を減らすということがとても大切です。
ただ、食事量を減らしたり、食事の回数を減らすというのは
ストレスの原因になってしまいますので、まずは少食に
することのメリットを簡単に紹介します。

これらを知り、少食へのモチベーションを高めてください。


1.持病が消える

体毒が体外に排出され、慢性病が改善されます。

2.病気に罹りにくい

排毒が速やかに行われ、免疫力が上がります。

3.体が軽くなる

朝もサッと床離れ、何でもサッサと動けるようになります。

4.疲れにくくなる

心身が軽くなるので、長時間の仕事でも疲れません。

5.睡眠が短くなる

睡眠の質が良くなるので、朝早くでもパッと目覚めます。

6.肌が若返る

綺麗になった、若くなったと言われるようになります。

7.頭が冴える

脳内デトックスが進み、脳細胞が活性化していきます。

8.仕事がはかどる

体調が良くなり、頭も冴えるから当然の事です。

9.生き方が前向きになる

嫌だったことが嫌でなくなり、楽しめるようになります。

10.身体が引き締まる

ダイエットは成功し、体はシェイプアップします。

11.不妊症が治る

夫婦ともに性欲や生命力が増進して子宝に恵まれます。

12.寿命が延びる

長寿遺伝子がオンになり、若返りや長生きに期待できます。

13.食費が減る

家族で実践すれば、結構支出が減ります。

14.買い物や料理が楽になる

買物、料理、後片付け、歯磨きの手間が減ります。

15.趣味を楽しめる

食事や睡眠が減れば、時間やお金に余裕ができます。

16.感性が豊かになる

直感力が増し、感動で人間性が深まっていきます。



1日1食を実践している人は、1日3食の人に比べて
これだけ多くのメリットがあります。
これなら空腹に耐える価値があると思っていただけたなら、
ぜひ1日1食に挑戦してみてください。





少食(断食)の注意点

少食において最も大切なのは、楽しみながら
挑戦するという気持ちです。
断食や少食を辛いことだと思っているうちは、まだ心の準備が
できていませんから失敗します。
幸せな気持ちで行っていただくために、5つの注意点が
ありますので確認してください。


1.幸福感

少食を行うには、幸福感を感じながら行うのが最も大切です。
幸福感をキープするポイントは、空腹を感じている時には
長寿遺伝子がオンになって、腹が減るほど若返っていることを
強烈にイメージすることです。

そうすることで空腹状態もプラスに考えることが
できるようになります。
お腹が空いたら自分が若返っていることをイメージして
ニヤニヤ笑いましょう。

また、途中で不安や恐怖を感じたのであれば、その時点で
いったん中止して、心身を休ませることの方が重要となります。
あくまで無理をしないというスタンスを意識して
続けていきましょう。


2.好転反応

好転反応を事前に知っておくことは、
とても大切なポイントです。
好転反応というのは、カロリー制限で起こる
排毒現象のことを言います。

細胞に溜まっていた毒素が血液中に排出されることで、
本格断食だと2~3日目から頭痛、めまい、吐き気などの
様々な症状が現れます。

この好転反応が苦しいために、少食を続けることが出来ないと
いう人もいますが、そのような方は酵素やミネラルを補給しながら、
無理のないように行っていただきたいと思います。


3.復食には注意

復食というのは、断食後の食事を指します。
実は、断食中よりも復食中の方に注意を払う必要があります。

断食事故は復食中によく起こると言われていて、
特に完全断食を終えて重湯(おもゆ)を口にすると
急激に食欲が湧いてくるため、断食を頑張ったのだから
ちょっと多めに食べても大丈夫と考えて爆食してしまうのです。
しかし、断食後の大食いは大変危険なので
絶対に避けてください。

断食で完全休養していた胃腸は、いきなり大量の食べ物が
入ってくると腸閉塞などの事故を起こしかねません。
せっかく断食で体内の毒素を排出したのに、
体が変わり始めている邪魔をしてはいけません。

復食期間は断食期間の2倍と昔から言われているので、
それだけ慎重に復食すべきだということを
しっかりと覚えておいてください。


4.持病がある

「持病があるけど、断食しても大丈夫だろうか」と思う人が
いるかもしれませんが、それは考え方がまるで逆で、
持病を治すために断食をするのです。

病気の最大原因は全身各所に溜まった体毒ですから、
それを排出してクリーンな体にするのが断食の最終目的です。
ただ、持病がある人がガンガン断食をやっても良いと
いう訳ではなく、健康体の人と比べると、時間をゆっくり掛けて
慎重に、少食から慣らしていく必要があります。


5.薬を飲んでいる

断食は脱・薬健康法でもあります。
クスリを飲んでいる人は、体毒に加えて薬毒も毎日カラダに
入れていますから、薬を遠ざけるためにも断食と一緒に
薬を減らしていくという作業が必要です。

但し、薬を急に止めるとリバウンド(反転症状)が出る恐れが
ありますので、自分自身の思い込みで勝手に薬を減らすのは
お勧めできません。


この5項目の注意点を守ればバッチリですから、
最高の断食(少食)を実現させてください。





長寿遺伝子をオンにする

現代医学において、寿命というのは避けることのできない
絶対的な運命です。
しかし、老化を遅らせることは出来ると分かっていて、
そのために必要なのが長寿遺伝子のスイッチを
オンにするということです。

カロリーを制限して空腹を感じることによって、長寿遺伝子が
オンになりますから、半日でも一日でも食べない時間を
設けることで、自然に老化を遅らせることができるのです。


なぜ、空腹で長寿遺伝子がオンになるのかというと、
飢餓状態というのが生存への危険信号だからです。

空腹になれば次の食べ物を獲得しなければなりませんから、
五感は敏感になり、運動能力も俊敏になって、
全身全霊が研ぎ澄まされます。
つまり、飢餓状態になると全身の機能が高まっていき、
それと同時に生命活動も高次元で営まれるように
変化するということです。

実際に、数々の動物実験において、摂取カロリーを減らせば
寿命が延びると確認されています。
断食を行ったミミズは、飽食ミミズよりも寿命が19倍も延びて、
昆虫は断食によって寿命を約40倍に延ばしたという
データもあります。

人間に近い動物になれば、ここまで劇的な寿命の増加は
見られませんが、それでも寿命を延ばす効果は確実に
確認され続けています。

「寿命を延ばすために食事を減らせ!」

これが今の科学の結論です。



カロリー制限は、若返りの効果もあります。
加齢現象は老化タンパクを増大させてしまいますが、
その典型が老人斑(ろうじんはん)です。


皮膚に老化タンパクが沈着したシミのようなものを
老人斑と言いますが、カロリー制限はこの老人斑を防いでくれます。
実際に、カロリー制限をしたマウスは老人斑が3分の1にまで
減少したというデータがあり、これはカロリー制限で老化が抑制された
だけではなく、老化タンパクを減少させて若返ったということです。





少食を是とした偉人

歴史上の偉人や天才の多くは少食者であったという事実が
語り継がれています。
そして、少食以外にも共通していた部分があって、彼らの多くが
「菜食主義」でもあったということですが、今回は少食についての
内容を紹介しているので、菜食主義について気になる方は、
この本(若返る!健康少食)を買ってみてください。

粗食少食で有名な偉人として、まず初めに紹介したいのは
「ジョン・レノン」です。


ジョン・レノンの食卓に並んだのは、玄米や野菜のみだったと
言われています。
それに加えて、一時期は砂糖も一切断って粗食に徹したと
言われています。

さらに彼は、40日もの間ジュースのみの断食も実践していたようで、
そういった極限状態に自分を置くことによって五感を研ぎ澄まし、
名曲を生み出してきたのでしょう。

世界三大賢者のひとり、ピタゴラスも少食で有名です。
ピタゴラスは古代ギリシャの数学者であり、哲学者です。


ピタゴラスの定理と言えば、学校で習った記憶が
あるのではないでしょうか。
ピタゴラスの食事はシンプルで、果物、野菜、穀物、はちみつだけを
1日2食に分けて暮らしていたと言われています。
普段は黒パンとはちみつだけで朝食を済ませ、夕食は生野菜のみで
特にレタスを好んで食べていたそうです。

「私は楽しむための食事は一切しない」と断言し、
それを貫いたのがイタリア・ルネッサンス時代の芸術家、
ミケランジェロです。


画家であり彫刻家、さらには詩人で建築家でもあった
ミケランジェロは、日々の食事が極めて粗食でした。
そして、たまにワインやチーズを口にするくらいだったそうです。
彼は、当時では長寿の89歳まで生きました。

その他、日本の偉人でも少食を実践していた人物は
数多く存在しており、茶道で侘び寂びを極めた千利休も、
「食は飢えぬ程度で十分」と言っていました。


この簡素な精神は、利休が主催した茶会で供せられた懐石料理に
表れており、一汁二菜と質素なものであったそうです。
さらに素材の持ち味を活かすために、あまり手を掛けない
調理法に徹していました。

利休はどんな賓客が来ようとも、この粗食の哲学を貫いたと
言われていて、豪華なごちそう振る舞いは侘び寂びの美学に反すると
考えていたのかもしれません。

現代社会は便利になり、食べ物が溢れている飽食の時代と
言われています。
私たちはコンビニやスーパーに行き、お腹を満たすために
買っては食べるということを繰り返していますが、
利休のような飢えぬ程度で十分という教えが現代にも
広まっていれば、癌や脳卒中などの病気で苦しむ人が
激減しているのではないでしょうか・・・・。

また、歴史上の人物で最も長命だったのが、108歳まで生きた
江戸初期の天海和尚です。


徳川家康の知恵袋とも呼ばれ、その天下取りには大きな貢献を
したと言われています。
彼も少食こそが大長命の秘訣であると説いており、家康から
長生きの秘訣を尋ねられた折には、
和歌でこのように答えています。

「長寿は粗食、正直、日湯、だらり、時折下風、あそばされかし」

日湯というのは、毎日湯治(とうじ)をすることで、
下風とはオナラのことです。
腸を快調に保ち、ゆったりとくつろぎ、毎日お風呂に入って
食べ過ぎないようにしてくださいと、
家康からの質問に答えました。

天海は死の直前まで記憶力の衰えを見せず、座禅をしながら
微笑みさえ浮かべて息を引き取ったといいます。



いかがだったでしょうか、本書ではさらにたくさんの偉人が
少食だったこと、そして菜食主義だったと紹介されています。

全てのエピソードが本当だったのかは分かりませんが、
少食(断食)を実践するうえで、
「自分は今、あの偉人と同じことを頑張っている」
というのは、モチベーションを保つのに
役立つのではないでしょうか。


健康診断などで異常が見つかり、高血圧などの数値を
下げるために薬を飲んでいるという人がいると思いますが、
生活習慣病の薬を飲んでも一時的に数値が下がるだけで、
何の解決にもなっていません。
生活習慣病は日頃の不摂生が原因なので、どんな名医であっても
治せないのです。

年を取ってくると、どこか体調不良を感じてくるものですが、
もしかすると、それは大きな病気の前兆かもしれません。
後に病気で苦しむ覚悟をもって、毎日お腹いっぱい食べるのか?
病気の苦しみを避けるために、空腹に耐えて少食にするのか?
決めるのは皆さんです。

30代以降で不摂生の自覚がある方は、特にお気を付けください。



終わり

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