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[7]君の膵臓をたべたい

実はこの本買ってたんですけど、読んだのは買ってから4年とか5年くらい経ってました。
映画は観てたんですよ、タイトルが独り歩きしてるくらいに当時物凄く話題になってたし、Mr.Children好きでhimawariも名曲だと思うしね。北村匠海さん、浜辺美波さん主演でね。良い映画だなーって思って見てました。

それで、小説とか全く読まないくせに書き物をしたいと思った時に段落の置き方とか文字の位置とか、長い作品の全体的の構造みたいの勉強しようと思って買ったんですよね。それで、ぶっちゃけ文字読むのが苦手で、全く内容は読んでなかったんですよね。
映画観たし、内容は知ってるからいいかーくらいの気持ちでいたんですよね。

今年の3月に仕事で東京行くことになって暇だったから、知り合いからのオススメの本読んでたんですよ。森博嗣先生の[喜嶋先生の静かな世界]っていう作品なんですけどね。研究をテーマに書かれてる自伝的な作品なんですよね。
ほんとに知識とか経験が具現化されてる感じで、食い入るように読んでました。
ほんとに楽しくて楽しくて。
そこから読書するのが好きで、読書してるんですよ。あれだけ文字読むのが苦手だったんですけど、小説って楽しいなーって思ったんですよね。
前に色々と読んでみたんですけど、読めなかった作品もあったりで、自分は読むよりも書く方がいいのかなーって思ってたんですよ。改めて、プロの作家さんの文字とか表現を読んでたら、文字を書く上でも、人としても尊敬の気持ちが生まれたんですよね。
んでね、たまたま家にあったんで[君の膵臓をたべたい]があったんですよね。買ってたのも忘れてたんですけどね。
それで読み始めたら、楽しくて楽しくて。
「あ〜こういう表現ありなんだなー」って。
それでね、小説とか書き物とかって自由なんだなーって思えたの。
その後も、住野よる先生の作品を読んでたんですよね。[青くて痛くて脆い]と[また同じ夢を見ていた]と[いつかこの気持ちも忘れる]って作品を立て続けに読んでたんですね。
同じ作家さんばかり読んでも勉強ならんよって意見もあるんですけどね。
あれなんですよ、同じ作家さんで表現とか書き方とかの変化とか振り幅だったりに興味あったんですよ。
音楽だと音で「LUNASEAっぽい!」とか「D’ERLANGERっぽい!」とか「椎名林檎っぽい!」とか「ミスチルっぽい!」あるじゃないですか?
作家さんで「〜〜さんっぽい」って、まだまだ読書経験の浅いわたくしには分からなくて、それで読んでたんですよね、同じ作家さんの本を。
物凄く勉強なったなー。やっぱり読んでると住野よる先生っぽいって表現って確かにあるんですよね。

ここからは少し小説版の[君の膵臓をたべたい]の内容に触れますので、未読の方は読んでからお願いします。










 まぁ〜映画化されてるし、めちゃくちゃ人気のある作品ですので、内容云々は知ってる方が沢山いると思うんですけどね笑
ザックリいうと、クラスで人気者なんだけど余命宣告されてる女の子(桜良)とクラスでも地味な男の子が出会って、過ごす話なんですよね。
ここ悩むんですけどね、個人的な感想としては[君の膵臓をたべたい]は恋愛小説ではないんですよね。あくまでも個人的な感想としてね。その辺については後々。
出会いのキッカケが共病文庫っていう、桜良が余命宣告された日から書いてる日記をクラスでも地味な男の子が見ちゃったとこから、こっそりと関係が進んでいく感じ。
余命宣告されてるとは思えないくらい元気なんですよ。それでクラスでも地味な読書好きな男の子は、桜良に振り回さてるんですよね。
死ぬまでやりたい事リストってのがあって、それを達成するのに付き合わされる感じで振り回さるんすよ。誰にも見せないようにしてた共病文庫を見てしまった事で。

んで、2人で泊まりで旅行行ったりとか、真実か挑戦ゲームしたり焼肉食べたり、スイーツ食べたり、御参りしたり桜良の家でTVゲームしたりとか恋人ではないけど、同じ時間を共有していくんですよね。

この作品の凄いとこって、そういう楽しい時間が流れていく中で、唐突に桜良が笑顔で確実に今も死に向かっている事実を彼に突き付けながら進んでいくとこなんですよね。
旅行先で桜良がお風呂に入っていて、彼に洗顔クリームを取って欲しいと頼むシーンがあるんですけどね。
高校生の男の子が可愛い女の子がお風呂に入ってるとこに近づくなんて心臓が飛び出るくらいドキドキするじゃないですか?
その時に桜良のリュックの中を見た時に、注射器や錠剤とか検査機が入っているのを見て、彼が桜良の死というものを意識するんですよね。

言葉でも「私の方が早く死ぬもん!」とか「私が傷付いて自殺しても知らないよ」とか、ホームセンターで「自殺する為のロープ探してるんですけど、ありますか?」とか会話の中で突然「あ、忘れてた、もうすぐ死ぬんだった」とか。作品の随所に[死]というワードが出てくるんですけどね。
でも、そこに悲観的な桜良はいないんですよ。
笑顔で[死]という言葉を口にするんですよね。
余命1年と言われてる中で、いつ死んでもおかしくない気持ちで笑顔で生きる桜良に対して、余命1年の間は生きていてくれるものだと思って過ごしていた彼の対比は、この作品の最大のメッセージなんだと思うんですよね。
恋愛っていう甘い感じの空気感を漂わせているんですけど、桜良にしても彼にしても恋愛という甘い関係じゃないんですよね。
お互いがお互いに簡単に片付けられない憧れの気持ちで繋がっていたんだよね。


ドラマでも漫画でも最終回ってのがあって、それが終われば終わるんですよね。
映画も2時間なりあって、2時間観たら2時間の映画は終わるんですよね。
小説も最後のページまで読めば終わるんですよ。
決まった終わりってのがあるんですけどね。
それって絶対的なものではないんですよね。


[彼女に残された1年という時間に甘えていた]
[最終回の決まったドラマは最終回まで終わらない]
[打ち切りの決まった漫画は打ち切りまで終わらない]
[最終章の予告があった映画は、最終章まで終わらない]
[小説は最後のページを読むまで終わらないと、信じていた]
当たり前の事なんだけど、そうなんだよなぁって。
終わりって決まってる訳ないんだなぁって。
余命1年って言われたとしても、1年は生きれる保証なんてないんだよなって。
決まった明日なんてないんだよね。
みんなそうなんだけど、その当たり前の事って忘れちゃうんだよね。
そんな当たり前の事を気付かせてくれた作品なんですよね。

タイトルだけ見ると、グロい内容かと思うかもしれないけど。君の膵臓をたべたいという、普通に考えたら拒否反応起こしそうな言葉をタイトルに掲げて、ここまで[死]という出来事を若者に伝えた功績は素晴らしい事ですよね。

個人的な印象として、住野よる先生の作品って人物の心理描写が圧倒的に多いんですよね。
建造物とか人物の外見的特徴を細かく描く事とか、背景だったりとかよりも、[人の心の機微]みたいので作品を埋めてるなーと思うんですよね。
難しい言葉とかじゃなくて、分かりやすい言葉で書かれているのもあって、心の描写が読んでいてめちゃくちゃ伝わるんですよね。
難しい言葉よりも読み手に伝わりやすい分かりやすい言葉のチョイスは、普段なら小説を全く読まないわたくしには斬新で読みやすかったんですよ。
この作品は好きなんですよね。
物凄く刺激を受けましたねぇ。。

映画も観たのですが。正直な話、映画と小説は別物なんですよね。
同じタイトルなんですけどね。
わたくしとしては小説の方が好きです。
心理描写の細さや、作家さんの伝えたい事を余す事なく伝わるのは小説の方なんですよね。
良いと悪いとかは置いといて、ここは好みの話なので。

読書始めたばかりで読むという事が楽しくてね。
これからも沢山読みたいね。
音楽も沢山聴きたいし。
まだまだやりたい事が沢山あるって幸せな事なんだなぁ。。
時間はないけど、毎日少しでもやっていって自分の創作の役に立てていきたいね。
ちゃんとやっていかないとな。。





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