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SS:交際0日婚まであと○日
「○さん、私と結婚しませんか」
「……ごめん、今何て?もう一回言ってもらっても?」
「結婚してください」
「……えっと、気のせいかな。結婚してって聞こえるんだけど」
「はい、合ってます」
「冗談、ではなく?」
「本気です」
「えっと……理由を聞いても?」
「○さんは困ってる人はほっとけないし、自分のこと後回しにするし、誰に対しても優しくて、尊敬しています。あと、周りの好意には鈍感なところは好ましい
SS:春に思い出すこと
春。最高気温が氷点下からだんだんとプラスの数字になる頃。西日本では桜が咲き始めているのに、まだまだ雪が降るのではと脅えながらも雪の山が日々小さくなっていく様に寂しさを感じる頃。
そんな時に、何か始めたい……と思ってしまうのは、周りの空気感が新生活に向けてアピールしているからなのか。
社会人になって1年。某通信教育のパンフレットを見ていた。気になっていたもののなかなか手が出せずにいたけれど、
SS:とある朝の衝撃
いつもと変わらない一日の始まり。眠気をなんとか振り払い、朝ご飯を食べ、身支度をする。
少し余裕のある、出勤前のちょっとした時間。床を掃除しようとワイパーで軽くササッと済ませ、さぁ出ようとふと下を見れば、1本の白い糸が落ちていた。
さっき掃除したのに(軽くだけど)、と思いつつ拾い上げて見ると……糸、じゃない。これは……
その物体の正体に気づいた瞬間、大きなショックと共に信じたくない気持ちとなん
SS:雪の日のmission
朝、瞼を閉じていてもわかるくらいの明るさに、意識が少しずつ微睡みの中から現実へと覚醒していく。
何か夢を見ていたような、いや、見ていなかったかな……と、ぼんやり考えながら、カーテンが閉まっている窓の方へと視線を向ける。
なんとなく違和感を覚え、まだ布団をかぶってダラダラと過ごしたい気持ちをなんとか振り払い、恐る恐るカーテンの隙間から窓の外を覗く。
とうとうきたか。ご近所の家の屋根や車の上、
SS:前の会社にいたあのコのこと
私があの会社に入社した頃。そのコは既にいて、笑顔と穏やかな話し方が印象的だった。
そのコには、老若男女問わず、愚痴やら自慢話やら趣味の話、誰にも言えない秘密の話、人によっては八つ当たり的なことを話していたという。
要するに聞き上手なのだ。相づちや肯くタイミングなどが程よくて心地良い。
私もそのコと話す機会があり、なるほど、これなら何でも話してしまいそうになるなと、思ったものだ。
ある日