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この国に生を受けた女性たち 4

この国の先史時代を生きた男女は、”住む人たちの顔” の見える「むら」空間の内側にあって、競争や争い、それに「利己的プロパガンダ」とは無縁で、「性差の自然」に随いつつ、暮らしとキャリアとを一致させて生きていました

ところが 国立歴史民俗博物館 によれば、ジェンダー区分(=人びとを「男」と「女」に二分して異なる役割を定める制度)が社会に浸透し始めるのは奈良時代以後とのこと

それゆえ、1 万 5 千年以上 文明の続くこの国での ジェンダー区分 の履歴は たかだか 1,500 年にも満ちません。しかも その区分の内実は、時々の社会が男女に求める役割像の反映以上のものでないとはいえ、いずれの時代においても”「ジェンダー区分」に係る社会的矛盾”を生み出し続けてきたはず

女も男も、大人の心は発達し続けます:これは、われわれ人間の現実です

他者依存段階」の女性にとっては、この国の ジェンダー区分 の内実は生きる指針ともなり得るでしょう。しかし、心が「自己主導段階」に達し始めると、この国の ジェンダー区分 は ”その適否を吟味、場合によっては克服” すべきものに変わります

現代女性の 以下のような 自問・疑念・焦燥 は、「女性解放」プロパガンダがもたらした”「ジェンダー区分」に係る社会的矛盾”に対峙する「自己主導段階」の女性たちの葛藤の証だと思います

  • 「女性の生き方」探し、「理想の生き方」探し、それに「自分探し」

  • 出産・育児とキャリアとのあいだの板挟み

  • 経済的自立への希求

  • 男女の「平等」への希求

  • フェミニズムへの傾倒

  • ”個人事業主”、”男性の所有物” や ”ジェンダーロール” 等の、覚めた自意識

  • 自信の欠如や、生の孤独感

  • 老いへの恐怖

ところが 「相互発達段階」へと心が近づくと、この様相は一変し始めます

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