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【お客様からの質問】Q.どうしたらもっとコーヒーの味が出ますか?

お客様からの質問に答えるシリーズ!前回は湯温のお話が出ましたが、お次は「コーヒーの香りは出るのに味が薄いんです。どうしたら味が出ますか?」というご相談です。

素敵なご質問ですよね。きっと「香りの割にコクが無い、甘みに乏しく、風味にレイヤーがない…」と気付かれる味覚をお持ちなことや、「どうしたらもっと美味しくなるだろう?」と探求心をお持ちな事。どれも素晴らしいですよね。

今回は、「どうしたらもっと美味しくなるか?」「どうしたらコーヒーを自分の好みの味に近づけられるか?」に繋げつつも、漠然としたゴールではなく、
「どうしたら〈味=つまり苦味・酸味・甘み・コク〉」を効率良く抽出できるのか?(かつ雑味やえぐみは出したくない。)」とゴールを定義します。


コーヒーの抽出に影響を与える7つの要素

いっぱいありすぎやろ~!情報過多で混乱するわー!

コーヒーの抽出にはこのように7項目くらい、様々な要素が絡みます。
これだけコーヒーの抽出に関わる要素が多いから、世の中にはたくさんの抽出レシピが存在するのですなぁ~!そして「美味しい!」というゴールへの道のりにも、色んなコースがあるんです。


1.まず重要なのが挽き具合!

挽き具合を細かくすると、粉砕されたコーヒーの粉の表面積が増えます。すると、お湯に当たる面積が増え、成分が解け出やすくなります。

  • 「味が薄い=苦味・酸味・甘み・コク(濃度感)が少ない」と感じる今回の場合、まずは挽き具合を1段階細かくする、ということが一歩目です。

  • 挽き具合を細かくすると濃度感が濃くなります

  • 苦味・酸味・甘みの成分も溶け出やすくなります。

《ポイント》ご使用のドリッパーの流速に合わせた挽き具合にする

お使いのドリッパーによって、適切な挽き具合というのは変わってきます。
ドリッパーの中をお湯が落ちる速度が速いタイプであるにも関わらず、挽き具合が粗い場合、サラッと抽出が終わってしまい、未抽出で「味が薄い」状態になります。

オリガミドリッパーは使うペーパーフィルターの形状によってまた話が変わりますが!いったん置いておきます!

と言うことで!まずは!
☞ドリッパーが決まっている場合は淹れ方は変えず、挽き具合を細かくしてみて下さい♪


2.抽出時間のコントロール

「挽き具合は細かくしたので、確かに味は強くなりました。」
 ⇓
「でももっと甘みを出したいです」
「もっと酸味を出したいです」
「苦みを抑えたいです」

という声が上がってきそうですね!


時間経過で出てくる成分が異なります!

以前参加したUCCさんのコーヒー勉強会での実験のワンシーン♬

お湯を注ぎ始めた時、30秒後、1分後、1分30秒後、2分後、2分半後では、実はコーヒーの成分と言うのは、時間ごとにお湯に溶け出てくる成分が異なるんです!
(ここ、結構お客様がセミナー中に驚かれるポイント)

畠山大輝さんの「至高のコーヒーの淹れ方」参照 

上の図表は、ハンドドリップやブリュワーズカップでも優勝、カッピングの大会でも大活躍された畠山大輝さんの「至高のコーヒーの淹れ方」参照したものですが、コーヒー豆の個性によって出てくる成分量は異なれど、時間差で味を見ると、やはりこうした傾向になります。

⑴苦味を抑えたい場合は2分半以内に終わらせる

💡2分半を越えると、苦み成分がどんどん抽出されます。
(超高品質の浅煎りなど、もともと苦み成分少ない豆以外)

💡
苦味よりも、酸味と甘さを楽しまれたい方は、2分半以内に抽出が終わる流速の遅すぎない「ドリッパー」を選び、「挽き具合」を合わせると良いです。

⑵酸味を増やしたい場合は1投目を、甘みを増やしたい場合は2投目の湯量を増やす

ハンドドリップでお湯を注ぐと、

  • 蒸らしの一投目は最初、塩味っぽい香り・酸味の香りがします。

  • そして2投目に酸味~甘さのある香りがしてきます。

ぜひ、上記のグラフを頭の片隅に置いて、抽出時に香りを嗅いでみて下さい♪本当だ!と納得感が増すと思います。

秒数とお湯の量を毎回計測することで、再現性のある美味しさに繋がります。

そこで例えば、上記のレシピ。
私が先日、サラッとお湯が落ちる割に目詰まりしやすいカリタ3つ穴でどうやって美味しく淹れるか?試行錯誤していた時のものです。2投目の湯量を60gに増やして甘さを出そうとする考え方です。

  • こうして、「薄い」と感じる場合、「苦み」「酸味」「甘み」のどこを増やしたいのかを決め、抽出時間と抽出量を決める方法もあります。


3.湯温を上げる

湯温を上げると抽出効率が上がり、溶けだす成分が増えます

湯温の解説記事はこちら⇓

☕私がよくやる失敗は、他の家事しながらコーヒー淹れてて、せっかちに湯温が下がるの待たずにドリップしちゃって苦くしちゃうパターン(笑)
という訳で、湯温上げなくても良い場合もありけり。


4.お湯を攪拌させるようにしながら注ぐ

  • コーヒーの粉にかかる力が強くなれば、コーヒーの粉から押し出される成分が増えます。

  • もしお客様のお湯の注ぎ方が優しすぎたり、お湯が一点にだけ集中していたりする場合、お湯がコーヒーの粉全体に触れていない場合は、もう少しお湯の流れや攪拌を強めてあげると良きです。

  • ただし豆によっては雑味やえぐみも出る可能性も上がるので、優先順位はあとめざんす。


もっと味を出したい時の方法まとめ

1.挽き具合を細かくする
(=お使いのドリッパーに合わせた挽き具合にする)

2.抽出時間を見直す
・2分半以内に抽出を終えて苦みを出さない
・酸味と甘みが出るタイミング知り、そのタイミングでの抽出量を増やす。

3.湯温を上げる
使用するコーヒー豆に対して湯温が低かった場合

4.攪拌を強める
※投湯が1点に集中し過ぎて未抽出が起きていたり、使用するコーヒー豆に対して攪拌が弱い場合

まずは①挽き具合②抽出時間、この2つに着目してひとつひとつ調整されてみて下さい♡
抽出に影響を与える要素は7つあると冒頭でご紹介しましたが、全部トライしようとするよりも、ひとつずつ変えていくのがポイントです。

その他にもご質問!お待ちしてま~す!

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