特定建設業許可と一般建設業許可の異同についてサラリと述べてみた
大臣許可と知事許可の区別だけじゃないの?
ええ。実は別の物差しがあるんです。
前回の記事にて述べたんですけども、大臣許可と知事許可の区別は、「営業所」の所在がキーポイントでした(この営業所は法概念です)。
帰結、同じ県内で何店舗展開していても「営業所」がその県の外にはゼロであれば、知事許可で良いんだけれども、外に1つでもあれば、大臣許可を必要としますと。
では、特定と一般のチェックポイントって?
以下、順に流れていくように(努めて)書いてみます。
条文は面倒くさいかもしれないので、【1】から読んでもらっても良いかと…。照らし合わせてもらった方が、お役に立てるとは思いますが。
【0】参照条文
上の条文の末尾にある「政令で定める金額」をゲートにして(?)、下の条文は繋がっています。
【1】 まず、軽微な建設工事かどうか(前提として)
実は、建設業を営むこと自体は、建設業許可がなくてもできるのです。
「えっ、そんな馬鹿な」と業界人以外の人は驚かれると思います(僕も法的概念から入ったので驚きました)。
しかし、「プロフェッショナルの下で修業をしているはずだから」という黙認(いや男の信義?)が慣行化して、法律にまで高まったのか(仮)、小見出しにある、「軽微な建設工事」という特殊な例外概念(建設業法施行令第1条の2ご参照)が創設されているのです。
具体的には要件のメニューがありまして、
建築一式工事 【a. と b. は、いずれかで良い】
a. 1件の請負代金 1500万円(税込)未満
b. 請負代金不問で、延べ床面積150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外の工事
工事1件の請負代金額 500万円(税込)未満
という一覧があります。
(主として)金額が500万円未満の工事だけを取り扱っている人たちであると実績等によりわかった場合は、違法でないのです。
建設業許可証はなくても(許可業者でなくても)、建設業を営む者ではあるのです。
【2】 次に、一般許可の要件とは
流れで察していただけると思うのですが、まず、上記の金額以上を扱うということです。
かつ、発注者から直接請け負う金額の要件も以下のように存在します。
要件を具体的に示すと、
「軽微な建設工事」以上の金額等であること
「発注者から直接」請け負った1件の工事について、下請(一次)に任せる金額が総額4,500万円未満(建築一式工事は7,000万円未満)であること 【※ いずれも税込み。令和5年1月1日より、改正で金額変更されています】
なので、一般許可の人たちも、自社でフル稼働して対応すること前提ですが、下請に任せる総額を上記の未満額に収めることができるなら、特定許可を得ることなく大きな工事を受注できます。
【3】 さらに、特定許可の要件とは
流れで見てきて、お察しいただけるかもしれないいのですが(反復?)、
「発注者から直接」請け負った1件の工事について、下請(一次)に任せる金額が総額4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)であること 【※ いずれも税込み。令和5年1月1日より、改正で金額変更されています】
という金額や規模に該当したら、特定建設業許可を取得する必要があるのです。
という風に、3段階に要件が設計されているのです。
まとめ
特定建設業許可と一般建設業許可の根拠条文は、なんと一つの条文に一緒くたに書いてあり、読みづらいです(禁句)。
しかも、そこから政令である建設業法施行令にワープします。
そこで初めて金額を明らかにするという迷宮仕様です。
利用者かつ主権者たる国民(建設業者として営業の自由を行使しようとする人、または法人)のためになっている構成なのかは、正直ビミョーです。
なので、僕でなくとも、是非お近くの行政書士までご相談ください(そこかい)。
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