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高配当企業の株価データ分析 その16:シリーズ全体の最終回 また会う日まで

前回の宿題は、
株価データの分析の場合、複数の企業を組み合わせてリスクを下げることを考えた時に、どの特徴や性質で分類するといいでしょうか?」
でした。

宿題の文脈を確認したい場合はこちら。

ここで表を2つ共有いたします。

以下は業種ごとの高配当企業の株価が、前月と比較して上がったか(↑)、下がった(↓)を時系列で示したものになります。1つ目がコロナ前の平常時、2つ目がコロナ時です。

業種ごとの高配当企業の株価推移(平常時)
※月初の始値で計算
業種ごとの高配当企業の株価推移(コロナ時)
※月初の始値で計算

ちょっと面白いですよね。
このグラフで私が着目したのは、上がると下がるのパターンです。

平常時のコナカとあおぞら銀行のように、同じようなパターンで上がる・下がるを繰り返している企業の組み合わせがあります。

一方、コロナ時のタマホームと日本建物のように、上がる・下がるを異なるパターンで繰り返す企業の組み合わせもあります。

宿題に戻ると、

問い「株価データの分析の場合、複数の企業を組み合わせてリスクを下げることを考えた時に、どの特徴や性質で分類するといいでしょうか?」
私の考え「株価の上がる・下がるのパータンで分類するとよい」

になります。

おー、だいぶ見えてきましたね。

このパターンを元に、企業群を4つに分類したのが以下になります。

業種ごとの高配当企業の株価変動パターンに基づくグループ分け

各グループは、マーケットの変化に対して同じように反応する企業群になります。

リスクを軽減するためには、「関係」の項で述べたとおり、マーケットに対して異なる反応をする企業を組み合わせることが有効です。この場合、グループ1から4までを組み合わせることで、リスクを大きく下げることができます。

具体例を見てみましょう。

各グループから最もリスクの高い企業を、それぞれ1社選別(該当企業は図3-13 内に★Risk Highestと表示)します。その合計4社でポートフォリオを組み、リスクがどうなるかを検証しました。

結果は以下になります。なお、数字はリスクの指標である変動係数です。

各グループで最もリスクが高い企業とその4社を組み合わせたケースの変動係数

見た通り、株価変動の特性が異なる企業を組み合わせることで、リスクが半分から3分の1以下になっていることが分かります。

これはひとつのシンプルな例ですが、このようにうまく分類することで、自分自身でリスクヘッジの方法を考えていけるようになります。

ぜひご自身で挑戦いただきたいと思います!

以上で長きにわたり連載してきた、高配当利回り株の分析シリーズは終わりになります。
ご愛読、どうもありがとうございました。

次はここで学んだ基礎を活かして、いよいよ実践に入ります。

みんな、それぞれの視点で、「リスクが日経平均より低く、リターンが10%~20%のポートフォリオ(=株式の組み合わせ)」を実際に作ってみましょう。全然むずくないです。

実践編の再開を楽しみにお待ちください。

それでは。

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