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ベトナム版映画「おとなの事情」を見た話

前回までベトナム引越しについてのことを書いてきましたが、閑話休題。

今日はベトナム映画を見てきたというお話。

見た映画は、原作イタリア映画「おとなの事情」のベトナムリメイク版「Blood moon party」。

10月にベトナムで公開されてからベトナムで歴代興行収入ベスト5に入るという記事を見かけて行ってみました。


日本では映画は公開されたら2~3ヵ月映画館で見られるのは当たり前ですが、ベトナムでは映画の上映期間がとても短いのです。1~2週間で上映が終わってしまうのが通常。それが2ヵ月以上上映している、というのだからこれはすごいこと。

映画の大まかなあらすじはこちら↓

『長年の友人である3組の夫婦と1人の友人、7人が集った夕食会。ひとりの女性が提案する。「私達本当に友達かしら?お互いが信用できるなら携帯電話を見せ合わない?」スマホの着信や履歴を一番身近な人間に見せ合うという、前代未聞の危険なゲームが始まった。家庭のトラブルや愛情の飢え、仕事の悩み、変えられない自分の性格など、小さなスマホから次々と現れる裏の顔、“おとなの事情”が露呈されていく。』 

と、映画の感想はさておき。

今のベトナムのことを知るのにとても興味深い内容でした。

主な舞台となるのは、整形外科医と心理学者の夫婦の新居。ザ・お金持ちな立派なマンションの引越し祝いに友人たちが集まるのですが、そこでまず、「靴は脱がずにどうぞ」と。ベトナムは裸足文化です。道や廊下で裸足で作業している人が普通にいる。お金がなくて履けない、ということではなく、裸足で過ごすことに抵抗がないのだと思う。そして室内では靴を脱ぐ。(玄関の外で)なので、ここでいう「靴を脱がずに」というのは欧米文化の踏襲なのでしょうね。上流階級の人々は欧米のライフスタイルに憧れ、それを取り入れることがステイタスなんだなと思う。

家具はBo conceptで揃えてね、なんてセリフもあり、ほうほう、憧れなのね。と。

食事は、バインコット(ベトナム風たこ焼き)から始まって、豪勢なシーフード、そして鍋。ベにトナムの人はほんとに鍋料理が大好き。やっぱりこういう会でもお鍋なのね。

物議をかもすプレゼントとして登場するのは「PNJ」のアクセサリー。「PNJ」(Phu Nhuan Jewelry フーニュアンジュエリー)は、モールにお店が入っていたりデパートでイベントをしたりしていて、なんとなく日本でいう、4℃とかヴァンドーム青山みたいな立ち位置かと思っていましたが、カジュアルラインからハイジュエリーラインまで揃って200店舗以上展開しているそう。ベトナム国内最大手の宝飾品会社だそうです。

ちなみにこの映画の主役となる携帯は、どうやらOPPO社がスポンサーになっているらしく、OPPOのショップではこの映画の宣伝動画が流されていました。中国ブランドのOPPOなのがちょっと意外でしたが、ベトナムでのスマホシェアはSAMSUNGに次いで2位なんだそうです。

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この『おとなの事情』世界18か国でリメイクされているとのことで、気になって少しだけ調べてみました。

オリジナルのイタリアでは、原題は『Perfetti sconosciuti』。英題『Perfect stranger』日本語に訳すと赤の他人。邦題が『おとなの事情』。気になる食卓は、ビオワイン、パスタ、ローストポーク、ニョッキ、ティラミス。

フランスでは『Le Jeu』 邦題は『ザ・ゲーム ~赤裸々な宴~』Jeuはゲームの意味。英語だと『Nothing To Hide』 食卓は生ガキ、フォアグラのミルク煮(不評らしい)ブロッコリーのピュレ、パン、チーズ。

韓国版はイタリア版に忠実に作っているそう。英題は『Intimate Strangers』、邦題は『完璧な他人』。タイトルもイタリアの原題を忠実に表していますね。食事は主人公たちが韓国北東部の束草(ソクチョ)出身という設定をふまえ、束草名物のミョンテフェムチム(スケトウダラの刺身の和え物)、タッカンジョン(甘辛だれの鶏からあげ)、ムルコムタン(冷たい牛肉スープ)、アバイスンデ(腸詰)とのこと。デザートはティラミス。

ちなみにベトナム語版の原題は『Tiệc Trăng Máu』英題が『Blood moon party』Tiệc=party Trăng=moon Máu=blood の意味。ブラッドムーンとは皆既月食の際、月が赤く色づいて見える現象のことをいうそうです。 月食はこの映画のキーポイントなので、それを全面に出した感じですね。なんとなく題名だけでホラーな印象を受けます。実際コメディと名をうっているものの、笑えない状況になってくるのでホラー感はあります。

日本でも来年2021年1月に東山紀之さん主演で『おとなの事情 スマホをのぞいたら』というタイトルで公開されるようです。こちらの食卓も気になるところですが、予告編で見るかぎりは、まぁ普通の食事のようにお見受けしました。

他の国のものは見ていないのですが、ざっとみた感じ、ベトナム以外は中流階級のごく一般的な設定のように思います。

年老いた親のケア、ティーンエイジャーの娘のデート問題は世界各国共通ですね。結末にどんでん返しがあって、賛否分かれるようですが、ストーリーはわかりやすく、テンポも良いので、成長著しいベトナム文化を垣間見るのにもおすすめです。

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