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みんなが参加できる身近な町づくりを!当事者がいない政治を変えたい【長野県諏訪郡富士見町】渡辺ようさんに政治に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#14です!
「なぜ政治家を目指そうとと思ったの?」「政治家になってどんなことをしたいの?」
今回は、長野県諏訪郡富士見町の渡辺さんに気になることをインタビューしてきました。

政治に関心をもったきっかけは?

 実は、政治に対しては少し怖いな、という意識がずっとありました。その印象が変わったきっかけは、現在働いているEarth Companyが若い女性議員さんの会へ向けて講演をしたことでした。その時に関わった議員のみなさんの雰囲気が柔らかく、楽しそうにお仕事をされている姿を見て、これまで抱いていた苦手意識が和らぎ、「こんな風に地域に貢献できる方法もあるんだな」とワクワクしながら女性議員さんの活動をSNSで追うようになっていました。

 7年前に富士見町に移住し、昨年総合計画の審議委員になったのですが、町政のベースとも言える8カ年計画を見て、富士見町の少子化のスピードが諏訪6市町村の中で最も速いことに気づきました。毎年100人以上あった出生数がここ数年は50人ほどになっています。この現状を変えるべく町議会や役場の方々は一生懸命に考えてくださってはいますが、年齢層が高くほとんどが男性で、子どもを産み育てている女性の当事者がいません。当事者がいない中で私たちの子どもたちの未来が決められていることに危機感を覚えたのと同時に、“このままでいいのかな、今ならまだ間に合うんじゃないか”とも感じ、政治に関心を持つようになりました。

政治への挑戦を考えるようになったきっかけと決めた理由は?

 女性だけではなく、子育てをする男性など、政治の場にあらゆる当事者がいないことに疑問を抱いたことが今回の挑戦を決めたきっかけです。当事者がいないことで、届けたい声が政治の場に届いていない状態が作り出されてしまっているように思ったんです。より多様性のある場を作り、視野を広げて視点を加え、建設的に様々な意見を出せる場にすることが大切なのではないかと考えるようになりました。
 また、去年の夏ごろから「議員になってみるのはどうか」というお声をかけていただくようになりました。私は移住者だし、小さい子どもを育てているし、小さな町の議会によくいるような人ではありませんが、私が立候補することによって誰かのきっかけになれたらと思い、挑戦を決めました。

山を背景に、広々とした原っぱで子どもたちと抱き合う渡辺さん。母親だからこそ届けられる声がある、と信じて挑戦。

政治への挑戦を決意するまで困難だったことは?

 政治の場では、ある程度はっきりと意見を言うことが求められる場面もありますが、「多面的に物事を考えた時に白黒をつけることはできるのかな」と悩んだり、夫からの反対もあったりしました。夫の母は様々な仕事や活動をしてきた方で、今も現職の県議です。女性活躍の重要性も理解する半面、当時はほとんどいなかったキャリア女性の子どもとしての葛藤もあったようです。
  でも、女性だけにフォーカスするのではなく、“もっと多様性があって、みんなが参加できるより身近で楽しい政治”という私のビジョンや、私たちの子どものために今動く必要があることなどについて夫婦でじっくり話し合い、共感してもらえて、今では一番強力な味方になってくれています。

 私は一度決めたら迷わずに一直線に突き進むタイプです。自分も行動を起こすことで社会に変化をつくることができる、という信念が原動力になっています。

政治家になったらやりたいことは?

 取り組みたい政策の一つは、子育て世代の声を届けることです。富士見町の子育て環境は本当に素晴らしいのですが、多様化する現代の家族のカタチには適応しきれていないと感じています。富士見町でも共働きの世帯が増えていますが、町の保育園は平日の18時までしか預かってくれません。ファミリーサポートという子育てサービスも18時まで。フルタイムで18時までに迎えに行ける仕事ってなかなかないですよね。サービス業だと土日でも働きます。昔はおじいちゃんやおばあちゃんがいて子どもの面倒を見てくれていましたが、今は地元の方ですらそうはいかないケースが多くなっています。子育てと介護を同時にされている方もいます。現在は子育てをしている世代の当事者が政治の場にいない状態なので、“何をしたらいいのかわからない”状況なんだと思います。私は母親なので当事者として声を届けられますし、当事者でない方の声に関しても、もっと外に出てお話をしていくことで届けられるようにしていきたいと思っています。

富士見町内の子育て家庭を対象
に実施したアンケートについて、2023年2月1日に地元紙に掲載された

 また、地域のことをよく知っている地元の方と、移住してきた方のパイプの役割を担い、みんなが参加できる社会づくりをしていきたいです。みなさんの声をもっとダイレクトに届けられるようにして、みなさんの声で作る政治の場を作ります。

渡辺さんだからこその強みは?

 高校と大学の7年間をアメリカで過ごし、多様な価値観に触れてきたことが、私ならではの強みだと思っています。移民支援センターでのインターンシップでは、複数の文化の中で暮らす方々に寄り添いながら、複合的な視点で物事を考える大切さを学びました。
 また一つの視点で見ることの怖さも強く感じましたね。高校で「日本への原爆投下」についてディベートする授業があったんです。日本人は当然、原爆は“繰り返してはならない過ち”として習うと思いますが、アメリカでは“戦争終結のために必要だった”と正当化する声も多く、なかには“白人とアジア人は価値が違うから間違いではなかった”と主張する生徒もいました。
 私はこの出来事がとてもショックで、涙が出ました。価値観が違うことも悲しかったのですが、何よりその価値観が、彼らの暮らす社会の“当たり前”によって作られているということがとても怖いと感じたんです。
 それ以来「物事にはいろいろな側面があり、ぐるっと回って見ないと本当の真実はわからない」と思うようになりました。一つの面だけ見て偏った判断をしないように、小さな声を取りこぼしてしまわないように、たくさんの方の声を聞いていきたいと思っています。

富士見町のすきなところ

 富士見町は、貴重な里山が残されている町です。豊かな自然の中で、地域のみなさんはお互いに支え合って暮らしています。
 地元の高齢の方とお話しすると、自分のためだけに生きている方がいないと感じますし、子育てもみんなでしている感覚があります。畑と田んぼがあって、みなさん自分たちでお野菜を育てていて、こんなに風に自然と地域コミュニティがバランス良く保たれている町はなかなかないなと感じています。

富士見町の風景。
目指すべき未来の地域の姿がこの富士見町にある。

 私はこれまで環境系のNPOで働いてきて国内外の色々な土地を見てきましたが、目指すべき未来の町の姿が、この富士見町にあるような気がしているんです。だから私はこの町に住んでいるし、これからもこの風景を守っていきたいと思っています。

なぜFIFTYS PROJECTに参加しようと思ったのか?

 みんなで力を合わせることで、世の中を変えていけるんじゃないかなと思ったからです。「目に見えないものはなれない」という言葉があるのですが、こうやってコミュニティを作ることで私たちの行動がみなさんに見えやすくなり「若い女性でも、誰でも、政治に関わっていいんだ」と感じられるようになりますよね。
 FIFTYS PROJECTを見たことがきっかけで、次の選挙に立候補しようと思う方が増えるかもしれない。そのきっかけを生み出せたら嬉しいと思い、今回参加いたしました。

春に向けてどんな活動をしていきたいか?

 今回の選挙は、私ひとりのものではなく支援してくださるみなさんの選挙だと思っています。みなさんの代表として町に声を届け、みなさんの未来をより良いものに変えていきたいです。
 そのためにも、活動中はなるべく多くの方と会話したいですね。聞くべきは一人ひとりの課題やアイデアだと思っています。

 また、選挙を身近に感じてもらえるように、町のお母さんたちにリーフレットづくりを依頼したり、地元の方に応援コメントを書いてもらったりもしています。選挙を少しでも自分事に感じてもらいながら、応援してくださる方々と一緒に、富士見町のために本気で取り組んでいきたいと思っています。


インタビューを終えて
 インタビュー事前調べの段階でとても素敵な方だなと思っていましたが、実際にお話をしてみるとさらに魅力的な方でした…!私(えり)の地元が富士見町の環境に近いこともあり、お話を伺いながら共感しまくっていました。誰かを切り捨てず、皆さんが調和している富士見町にしたいと強く思われているのが、読者の皆様にも伝われば幸いです!
取材・執筆:えり&やまくぼ
取材日:2023年2月22日

渡辺よう(基本情報)
アメリカ・カリフォルニア州 Dunn School 高校卒業
アメリカ・ニューヨーク州 Sarah Lawrence 大学卒業
2010年~2012年 移民支援団体学生インターン
2012年~2015年 東京都内でギャラリーの企画運営
2012年~現在      翻訳・通訳業務
2015年~2019年 富士見町地域おこし協力隊(富士見 森のオフィス)
2019年~現在    〈一社〉アースカンパニー

渡辺さんについてもっと知るには?✨
・Instagram :yoyowatanabe
・Twitter :@YoWataFujimi
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『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#14、いかがだったでしょうか?渡辺さんの想いに共感した!という方は、ぜひ渡辺さんの発信ものぞいてみてください💚
次回もお楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。


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