フィールドノートの日記

北上山地の山あいの集落タイマグラの小さな宿です。 ちょっと不便が、生きるにはちょうど良…

フィールドノートの日記

北上山地の山あいの集落タイマグラの小さな宿です。 ちょっと不便が、生きるにはちょうど良い私たちの時間に、皆さんの旅の時間を、今日も巻き込みながら。 https://fieldnotetaimagura.com/

記事一覧

味噌玉とコブシの木

フクジュソウが開花したのは2月18日のことだった。 暖冬、雪不足、早すぎる春の到来。フクザツな思いで輝く黄色い花を愛でた。 そんな思いが天に届いたのだろう。2月後半…

2024年1月9日

元日の午後、ほろ酔い気分を醒ますようにタイマグラの早池峰神社に初詣。 雲ひとつない青空に、真っ白な早池峰を仰ぎ見て平穏を祈った。その後に…。 何でもない日常が、…

ええ道やで

観察会の下見をかねて盛岡市郊外の鬼ケ瀬山を歩いた。 登山口までの道路は工事中とのこと、その日の道案内は春に鬼瀬山を歩いたという息子②に頼んだ。ススキ、ササの藪漕…

夜桜お七!

3月最後の日にカタクリが開花。春の早い訪れを喜びつつも、戸惑もチラリ見え隠れ。どんな春になるのでしょう。 昨年、静かなGWの後にスタートしたみやこ宿泊割第1弾、そ…

50を過ぎたら、ため息なんてつかない

「はぁー」 真っ赤な車を運転しながら、ため息またひとつ。 オイル交換に出かけた。イエローハットに朝一番の予約を入れ、昼には帰宅する。帰ったら、明日のお客さんの準…

縄をなう

今年の味噌踏みはいつもより3週間も早まったのに、セーターの下はシャツ一枚で過ごせる春のような陽気だった。 小さな台所に置かれた大きなポリバケツの中に、10キロの乾豆…

ネコ20年

子ども達の幼い頃、子どもは未来をイメージさせてくれる存在だと思って過ごしてきた。それは今も変わらない。けど、ややリアルになってきた未来。 大丈夫な人たちよ。それ…

春はまだまだ

1月というのに、風が違う、光が違う。春のような一日だった。 始まりは雪かき、それも丁寧な雪かき。 なぜだか落ちてしまった車を巡って、それぞれの思いがぶつかる。久し…

凍みホド

ジャガイモがカチンコチンに凍った。 氷点下19.6度(タイマグラ気象台発表)の朝、完璧な凍みホドの完成が約束されたようで嬉しい。そしてとびきりの冷え込みが嬉しい。 ガ…

フィールドノートはフィールドノート

数年に一度という触れ込みの寒波にビビり、収まることのない感染症に困りながらも、とりあえず穏やかに新しい年が始まりました。 自由な往来がままならない中にあっても、…

味噌玉とコブシの木

味噌玉とコブシの木

フクジュソウが開花したのは2月18日のことだった。
暖冬、雪不足、早すぎる春の到来。フクザツな思いで輝く黄色い花を愛でた。

そんな思いが天に届いたのだろう。2月後半、遅れてやってきた冬にホッとしながら、湧き水が凍りドキドキしたり、程よい汗をにじませて雪かきをしたりと、例年通りの冬も味わった。
薪ストーブと湯たんぽ、ネコたちに暖めてもらった冬の日も、少しずつ懐かしい時間になりつつある。

3月初め

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2024年1月9日

2024年1月9日

元日の午後、ほろ酔い気分を醒ますようにタイマグラの早池峰神社に初詣。
雲ひとつない青空に、真っ白な早池峰を仰ぎ見て平穏を祈った。その後に…。

何でもない日常が、どんなにか特別で、有り難く、大切な時間であるかを知らされる。
どうか少しでも安心できる場所の確保、心と体が温められる事、必要とする人の所にモノやお金が迅速に届く事を祈るばかり。
そして大切な人と突然引き裂かれた方々のことを思うと、どんな言

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ええ道やで

ええ道やで

観察会の下見をかねて盛岡市郊外の鬼ケ瀬山を歩いた。
登山口までの道路は工事中とのこと、その日の道案内は春に鬼瀬山を歩いたという息子②に頼んだ。ススキ、ササの藪漕ぎをしながら進む。夏を過ぎ、育ちに育ったススキの葉は、なかなかのクセモノで、私の手の甲や頬は瞬く間に擦り傷だらけになった。草丈も高く、少し先を行く息子と連れ合いをすぐに見失う。
GPSで確認すると正規の登山ルートとほぼ平行しているものの、時

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夜桜お七!

夜桜お七!

3月最後の日にカタクリが開花。春の早い訪れを喜びつつも、戸惑もチラリ見え隠れ。どんな春になるのでしょう。

昨年、静かなGWの後にスタートしたみやこ宿泊割第1弾、そして10月から3月までの第2弾も本日終了。お出かけ下さった皆さまありがとうございました。初めての方も多く、よいきっかけをいただきました。第3弾…あるのかなぁ。

毎朝時計代わりにラジオを聞‌きながら過ごす。テレビのないわが家では、ラジオ

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50を過ぎたら、ため息なんてつかない

50を過ぎたら、ため息なんてつかない

「はぁー」
真っ赤な車を運転しながら、ため息またひとつ。

オイル交換に出かけた。イエローハットに朝一番の予約を入れ、昼には帰宅する。帰ったら、明日のお客さんの準備と、生協。そいでお隣のイヌのご機嫌伺い。ちょっと風は冷たいけれど、青空が広がって完璧な一日になる予感。おじいちゃんはショートステイ利用中。そのタイミングでシュッと遠野に行こう。目安の走行距離をちょいとオーバーしていたのが、ここのところ気

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縄をなう

縄をなう

今年の味噌踏みはいつもより3週間も早まったのに、セーターの下はシャツ一枚で過ごせる春のような陽気だった。
小さな台所に置かれた大きなポリバケツの中に、10キロの乾豆が2日前から水に浸っている。朝8時、総動員された家中の大鍋が、ガス台と薪ストーブにそれぞれ窮屈に納まってその豆を煮はじめる。部屋に立ちのぼる湯気と、甘い匂い。

ぽかぽかな縁側には、桶や専用の長靴、豆をシンダラかす(湯切りする)ための笊

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ネコ20年

ネコ20年

子ども達の幼い頃、子どもは未来をイメージさせてくれる存在だと思って過ごしてきた。それは今も変わらない。けど、ややリアルになってきた未来。
大丈夫な人たちよ。それぞれに、仲良く楽しく生きてくださいな。

さて、ネコが現れた。この3ヶ月、コトバではないコミュニケーションをはかる。
野良ネコだったので正確な年齢は分からないが、見た目年齢1歳。仮に20年を一緒に暮らすとして、現在20歳の末息子は当然40歳

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春はまだまだ

春はまだまだ

1月というのに、風が違う、光が違う。春のような一日だった。

始まりは雪かき、それも丁寧な雪かき。
なぜだか落ちてしまった車を巡って、それぞれの思いがぶつかる。久しぶりにのぼせ上がったコトバとコトバ。超豪速球のコトバのキャッチボール、ソロソロやめなきゃ。

そこに春風のようにやって来た郵便屋さん。
「どうもありがとうございます〜」気温は高かったのに、笑顔がこわばったのは、そういうわけです。

だん

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凍みホド

凍みホド

ジャガイモがカチンコチンに凍った。

氷点下19.6度(タイマグラ気象台発表)の朝、完璧な凍みホドの完成が約束されたようで嬉しい。そしてとびきりの冷え込みが嬉しい。

ガラリと変わってしまう世界の中にいながら、ゆっくりと変わってきたことや、ちっとも変わらないことを愛おしく思う冬の日。(Y)

フィールドノートはフィールドノート

フィールドノートはフィールドノート

数年に一度という触れ込みの寒波にビビり、収まることのない感染症に困りながらも、とりあえず穏やかに新しい年が始まりました。

自由な往来がままならない中にあっても、わが家を訪ねてくださるお客さんは、少数精鋭。昨年も最後の最後まで良い出会いをいただきました。

今年は(も)、様々な制約があるなか、わが家のスケジュールにお客さんを巻き込んだり、世の流れに巻き込まれたりしながら、お迎えする所存です。どうぞ

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