Fieldism必聴新曲リスト March 2023 (Part.2)
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クソデカ音圧/ローチューニングバンドの皆さま、お待ちしております。↓
いつもお世話になっております。Ryotaです。
先日、昨年夏くらいからずっと構想していました個人企画 ''N.L.N.S'' の出演アクト第一弾を発表しました。
ホーム大阪からは吹田発ミクスチャー195 ich-kyu-go, ネガティブハードコアBear Knuckle, West Side Unity所属フリースタイルハードコアReVERSE BOYZの3組、
名古屋からは新譜(詳細は後述)がリリースされた ''nu-EASYCORE'' Kings and Queens、
東京から2020年代のエモを解釈したLIKE A KID, C-GATEやARES INWORDSなどで活躍してきたメンバー達が集結したSlyDoggy、
現状確定しているだけでも中々関西でありそうに見えて意外性もある強いイベントになってるかな~と思います。(激熱追加アクトも決まってますので続報お待ちください)
この企画を開催するに至った背景や影響や各バンド紹介などはまた別の記事にしようと思ってるんですが、普段メタルコア/デスコア系統のイベントに強い印象を持たれている自分にとっても挑戦なんで、是非遊びに来てもらえると嬉しいです。未成年には割引もありますので。
前置きはこれくらいにして、今回も行きましょう。
リストアップの条件ですが、下記2点です。
1. 3/15~3/31にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。ただしアルバムのデラックス盤のみetc.に収録予定の楽曲は選出対象。
①Gideon - More Power. More Pain.
アルバム (3/17)
アメリカ・アラバマ州タスカルーサを拠点に活動しているハードコアバンドの最新アルバム。かつてはクリスチャンハードコアとして活動していましたが、現在所属しているEqual Vision Recordsに移籍し ''Cold'' をリリースしてからはその思想も変容。「クリスチャンからの脱却」へのメタファーがこれでもかと込められた前作 ''Out Of Control'' では、思想だけではなくサウンド面もニューメタルからの影響を取り入れたりなど枠組みにとらわれないアプローチが見られたほか、音像自体もよりヘヴィで生々しいものに変容していきました。
バンドとして大きなターニングポイントになった前作から約4年ぶりのリリースとなる今作 ''More Power. More Pain.'' では、前回のロウで荒々しいサウンド変わらず、より多彩なアプローチが見られます。Gt/Vo. Tyler Rileyの不気味なクリーンコーラスが不穏さを倍増させるTr.2 ''Locked out of Heaven''、作中一ヘヴィなブレイクダウンが搭載されライブでも人気なTr.5のタイトルトラック、前作の''Sleep'' ''2 Close''のようにニューメタル路線への傾倒が見られるTr.6 ''Take Off''、不協和音が精神上の負のスパイラルを表してるかのようなTr.8 ''Off the Rails'' など聴けばわかるかと。
個人的には昔のGideonを思い出させる叙情モッシュコアTr.12 ''I Will Carry You'' が一番気に入っています。それゆえにその曲でアルバムの最後を飾らなかったのが少し残念ですが…。
②Chelsea Grin - Suffer In Heaven
シングル (3/17)
アメリカ・ユタ州ソルトレークシティを拠点に活動しているデスコアバンドのダブルアルバム2部作の後編。新フロントマンTom Barber (ex - Lorna Shore)が加入してから2作目になる2部作 ''Suffer in Hell & Suffer in Heaven''、昨年の11月にリリースされた前編は、2018年リリースの前作 ''Eternal Nightmare'' の重厚かつ残忍な正統派デスコアサウンドをさらにダークかつシンフォニックにスケールアップさせ、容赦ないブレイクダウンとTomのグロウルがその世界観の説得力を持たせていました。
後編になる ''Suffer in Heaven'' は、前編とはまた違った多彩なアプローチをとっている様子で、中世のイメージした不吉なイントロから一気に地獄へ手招きするようなバンドサウンドへなだれ込んでいくTr.1 ''Leave with Us'' に始まり、Gt. Stephen RutishauserのギターソロとTomの人間離れした長いグロウルで驚愕するTr.3 ''Fathomless Maw'' 、Emmureを彷彿とさせる重低音チャグが執拗に刻まれるTr.4'' Soul Slave'' などありますが、個人的に気に入ってるのは、The Black Dahlia MartyrのTrevor Strnadが憑依したのか疑うくらいメロデスっぽいクサいリードが満載に詰め込まれたTr.5 ''The Mind of God'' と黙示録的なオーケストラとトリッキーなリズムが気持ちいいTr.6 ''Yhorm the Giant'' です。
③Invent Animate - Heavener
アルバム (3/17)
アメリカ・テキサス州ポートネチズを拠点に活動しているプログレッシブメタルコアの最新アルバム。前作のアルバム ''Greyview'' を最後に古巣Tragic Heroを離れUNFDに移籍し、移籍後に''The Sun Sleeps, As If It Never Was''をリリースしてきましたが、その後も ''Shade Astray'' ''Elysium'' とシングルを公開。より低いチューニングで製作された楽曲はよりアンビエント要素とヘヴィなサウンドのコントラストを明確にするために意図されたと語っておりますが、アルバム全体としてもそのあたりは強く意識されたようです。
Gt. Keaton Goldwire & Dr. Trey Celayaのテクニカルな演奏とアンビエント要素が作り出すサウンドスケープは初期からずっとリスナーを虜にしてきましたが、それは決して奇をてらっただけの無意味な要素ではなく後述する楽曲のテーマに沿って構成されたからこそ支持されていると感じます。ただ、Tr.4 ''Without a Whisper'', Tr.6 ''Reverie'', Tr.10 ''Emberglow'' などのようにVo. Marcus Vikの表現力あふれるクリーンボーカルに焦点を当てた楽曲陣もあれば 、作中もっとヘヴィなTr.7 ''Immoration of Night'' まで一秒も意識を途切れさせない構成でリスナーを引きこみます。
作品に明確なコンセプトはないものの、悲嘆・不安・鬱・人間関係の葛藤といった感情に直面しながらも、最終的には平穏・安寧へと回帰していくイメージが強く、楽曲の奥底に内包されている感情表現も豊かになったと感じます。
④Knosis - The Shattering
EP (3/22)
ex-Crystal LakeのボーカリストRyo Kinoshitaと、Survive Said The ProphetのVo. Yosh、そしてMade in Me.(活休中)のDaikiによるエクスペリメンタル・メタルコア・プロジェクトのデビューEP。昨年1月に ''星砕'' がリリースされ直後にSSTP主催のツアー ''MAGIC HOUR'' でライブ活動も始動、しかも始動3か月でアジアツアーを敢行し活躍の場を広げる姿に思わずRyo本人も「1曲しか発表していないのになぜか海外ツアーしてて脳みそバグる」とぼやいていたのも記憶に新しいです。
「セラピーのような感じでスタートした」とRyoが語る通り、Knosisの作風は今までのバンド像や既存のジャンルに囚われないことを意識しているのは明白で、メタルコア・デスメタル・インダストリアル・EDM・ヒップホップなど多種多様なジャンルを吸収したサウンドと、グロウル・スクリーム・ラップ・クリーンと多種多様な表現を用いるRyoが際立ちます。個人的に気に入っているのはTr.3 ''狂火'' で、EIGHTEEN VISIONS, POISON THE WELLあたりのエモ/スクリーモやGlassjaw, Deftonesあたりのニューメタルを組み合わせたキメラじみた作風が狂ってます。
個人的にTr.2 ''忌鬼'' の一節 ''The devil don't need no crystal'' など所々含みがあるなと勘ぐってしまいますが、気のせいということにしておきます。
⑤KRUELTY - Untopia
アルバム (3/17)
東京を拠点に活動しているデスメタリックハードコアバンドの最新アルバム。極悪ビートダウンハードコアを基軸にドゥーム・スラッジ・デスメタルの要素をミックスした漆黒のサウンドは国内のフロアを地獄にし、さらに日本のみならずアメリカ・ヨーロッパ・東南アジアなど世界中のハードコアシーンを騒がせています。中心人物Gt. zumaはレーベルDead Sky RecordingsやプロモーターCKS Productionsも運営しており、国内のみならず海外のハードコアシーンにも影響を与えています。
2020年リリース1st ''A Dying Truth'' 以来単独では約3年ぶりの音源になる最新作 ''Untopia'' は、「ヘヴィーさとラフさの両立」をコンセプトにレコーディング/ミックスにTaylor Young & マスタリングにBrad Boatrightと前作同様鉄壁の布陣で製作。念仏のサンプリングからスラミングとDビートがシームレスに襲い掛かるTr.1 ''Unknown Nightmare''、すべてを蹂躙すべくなぎ倒すアップビート目な前半とひりつくようにドゥームでスローな後半のコントラストが際立つTr.4 ''Maze of Suffering''などが個人的にハイライトです。HORSEHEAD NEBULAの新曲(今後の新曲紹介で取り上げます)もそうでしたが、デスメタリックハードコア x 日本語詞はなかなか新鮮な印象です。
今作リリース直後&ヨーロッパツアー直前にVo. タタミが脱退するという困難に見舞われたものの、サポートを交えた特別編成でライブ活動は続行する様子。筆者も未だに観に行けてないのでそろそろ機会作ります。
⑥IT'S ALL GOOD - S/T
アルバム (3/18)
※サブスクありませんのでフィジカルをお買い求めください。↓
ROCKCRIMAZ(東京), NUMB(東京), LIFESTYLE(鹿児島), Behind The 8Ball(福島), FIGHT IT OUT(横浜)と、全国各地で活躍するハードコアバンドのメンバー達が集結したスーパーグループによる待望のデビューアルバム。リリース直前にはSAND, SAIGAN TERROR, VICE CITY SLAVEなどを招いてレコ発も開催しており、盛況に終わったのも記憶に新しいです。2019年末にリリースされたシングルは速攻で完売し、その作品だけで瞬く間に全国のハードコアファンから熱い注目を浴びていますが、今作も大問題作を引っ提げてきました。
モノクロのアメコミ調のタッチで描かれているアートワークが目を引くセルフタイトルアルバムは、メンバーが在籍するバンドの影響下のニューヨークハードコア, ビートダウン, ヒップホップ, ドリルを取り入れた、いい意味で「モタり」が感じられるうなるようなグルーヴで思わず踊りだしてしまいます。ハイハットを連発させるドラムワークや時折出てくるオールドスクールヒップホップのサンプリングもハイセンスに取り入れられているうえ、ソロのMCでも活躍されているVo. ILL TEEの日本語詞と英語詞を織り交ぜたヘヴィーなパンチライン連発のリリックはハードコアファンだけでなく、ミクスチャーに接近したいわゆる「邦ロック」ファンにも刺さるものがあると思います。
⑦August Burns Red - Death Below
アルバム (3/24)
アメリカ・ペンシルバニア州ランカスターを拠点に活動するメタルコアの象徴August Burns Red、目まぐるしく変わる展開やメロディックかつテクニカルな楽器隊、そしてメタルに囚われない意欲的なユニークなアプローチは世界中のメタルコアキッズを虜にし続けており、グラミー賞にも2度ノミネートされた実績もあります。前作 ''Guardian'' では「忙しなさ」一辺倒ではなく、ご時勢柄だったのかより仄暗いメロディと年季の入ったヘヴィネスを重視した作風を意識したのかあって賛否両論な印象でした。
長らく在籍していたFearless Recordsを離れ、Sharptone Recordsに移籍後初となる通算10枚目のフルアルバム ''Death Below'' も基本的な軸は前作とは変わらないものの、より静かで瞑想的なポストロック調のパートも鋭い技術的センスによって取り入れられており、Tr.1 ''The Cleansing'', Tr.5 ''Fool's Gold In The Bear Trap'', Tr.12 ''Reckoning'' ではそれらが激しいバンドサウンドと対照的になってます。これぞABRというべきメタルコアにKillswitch EngageのVo. Jesse Leachのヴォーカルをfeat.したTr.4 ''Ancestry'' やJason Richardsonの超絶シュレッドがfeat.した ''Tightrope'' など活動20年にふさわしいものになっています。
ただ個人的には同じペンシルバニアの盟友Texas In JulyのフロントマンJT Caveyがfeat.したTr.11 ''The Abyss'' が怪獣大決戦染みていて胸が熱いです。
⑧Kings and Queens - STEAL THIS IF YOU CAN!
EP (3/29)
導入でも言及した通り6月の''N.L.N.S''に出演が決定している、名古屋発 ''nu-EASYCORE'' バンドの最新EP。昨年新体制で再始動 & 1stアルバム ''SORRY, WHAT'S YOUR GENRE AGAIN?'' をリリースしそのヘヴィーかつハッピーなサウンドを提供し続けていますが、昨年のシングル ''Nowhere, but Anywhere''ではヒップホップ×ロックのトレンドを解釈した自由な作風も彼らの特徴の一つ。
2nd EP ''STEAL THIS IF YOU CAN!'' は ''nu-EASYCORE'' スタイルをさらに発展させた作品に仕上がっており、ローチューニングブレイクダウンを搭載したモダンメタルコア直系のイントロから福岡 ''Heavy New Groove'' EvilgloomのVo. Demiのヴァースをfeat.した王道イージーコアTr.2 ''Dude!Get Back to Basic!!''、Tr.3の今の20代半ばのリスナーなら懐かしく感じてしまうKe$haの''Your Love is My Drug''カバー、そしてエモ・リバイバル調のメロディアスな楽曲に反して内容はトイレのことを歌った問題作Tr.4 ''One Tiny Venue'' と、今作もバラエティあふれる楽曲陣でリスナーを楽しませます。
先日KNOTFESTの裏で今作のリリースパーティーを開催したKings and Queens、大阪でもその軽快でノリのいいサウンドでフロアを盛り上げてくれることを大いに期待しています。
⑨After The Burial - Embrace the Infinity
EP (3/31)
アメリカ・ミネソタ州ミネアポリスを拠点に活動しているプログレッシブメタルコアバンドの最新シングル。ハードコアを基調とした獰猛なサウンドに、(楽曲にもよりますが)8弦ギターを用いたテクニカルかつメロディアスなギターワークを活かした作風でSumerian Recordsを支えています。筆者も特に好きなバンドの一つで、卒業旅行でヘッドラインツアーを観に行ったり以降の来日公演は逃さず遊びに行くほどです。そういえばTRIPLE VISIONの最後の活動もこのバンドの来日ツアーでしたね…。
2019年リリースアルバム ''Evergreen'' 以降しばし沈黙を保っていたAfter The Burialがサプライズでリリースしたシングル ''Embrace the Infinity'' は、前々作 ''Dig Deep'' 以降の流れを汲むダークな要素を色濃く反映させており、Tr.1は複雑なチャグと不協和音を織り交ぜながらもメロディックメタルコア張りの叙情性も持ち合わせるキラートラック ''Nothing Gold''、TこれぞATBというべき怪しげでテクニカルなイントロで耳を惹きつけ、迫りくるような圧迫感とバウンシーなリズムが同時に襲い掛かってくる ''Death Keeps Us From Living'' と、まだATBが健在であることをアピールするに値する仕上がりになっています。
4月にはSpiritbox & Intervalsとのツアーが決まっており、再来日にも期待が持てます(頼むから東京だけというのは勘弁してください)。
⑩Bury Tomorrow - The Seventh Sun
アルバム (3/31)
これまでに2度来日経験があり、母国イギリスを中心に世界中で評価されているUK・サウサンプトン発メタルコアバンドの最新アルバム。前作 ''Cannival'' はバンド史上最高の評価を受けながらも、直後にパンデミックの影響でツアーが中止になりライブで披露する機会がほぼないという事態に見舞われ、さらに長らくGt/Vo.を務めていたJason Cameronが脱退という苦境に襲われました。しかしバンドは新たにGt. Ed Hartwellと Key/Vo. Tom Prendergastを迎え新体制で活動を再開。起死回生の切り札となる新作を完成させました。
通算7枚目のアルバムになる今作 ''The Seventh Sun'' は、ブレイクダウン・メロディックなリフが織りなすドラマティックな王道メタルコアを貫きながらも、キーボードのエレクトロ要素をフィーチャーさせた伝統と革新が調和した傑作に仕上がっています。Tomのボーカルは前任のJasonとはまた違ったスタイルでモダンで洗練された印象を受けますが、Tr.3 ''Begin Again'' やTr.7 ''Majesty''やアルバムの最後を飾るTr.11 ''The Carcass King'' などは彼がいるからこそできるBury Tomorrowの新機軸。バンド自体が「メタルコア」という制約にとらわれずに製作に臨んだのも大きいかと感じました。
しかし、Tr.4 ''Force Divide'' や Tr.6 ''Wrath'' などはEdとGt. Kristen Dawsonのギターワークが光る楽曲があるのも忘れてはいけません。特に後者はシンフォニックなアレンジも取り入れた、現体制の総力を結集した印象で一押しです。
⑪Shadecarrier - Humanbeing
EP (3/27)
東京を拠点に新たに結成されたメタルコアバンドのデビューEP。ex-ELYSIUMのフロントマンでCrystal Lakeの新ボーカルオーディションのファイナリストVo. Raf、Victim of Deceptionのリズムを支えるDr. KOKI、FILL THE VOID & サウンドエンジニアとしても活動しているGt. Rio、そしてGt. Junpei (探しても活動歴がわかりませんでした、すみません…)と、日本のヘヴィシーンで活躍してきた実力者が集ったスーパーグループとなっており、音源も相当な期待が寄せられています。
デビューEP ''Humanbeing'' はDarko US, Alpha Wolfあたりのモダンなメタルコア/ニューメタルコアの要素を各々のフィルターで解釈した作品となっており、ソリッドで無慈悲に叩きつけるようなローチューニングリフワークと不協和音、Rafの高低兼ね備えた多彩なボーカルワーク、パワーとテクニックを兼ね備えたドラムワークが合わさってライブなら音圧でスピーカーのグリルがぶっ飛ばないか心配です。個人的に一押しはTr.3 ''Didn't Ask for a Life'' 、Invent Animateにも出てくるようなオブリリフやイントロのエフェクトがアクセントになってて面白いです。
まだライブ活動に関して詳細は不明ですが、もし精力的にライブ活動することがあったらRafにはまた火影を破壊しに来てほしいですね。
⑫DOWNED - Pure Hate Only
EP (3/30)
SUGGESTIONSのフロントマンNiiK、LAST DAY DREAMのBa. Kaseya、そしてメタリックハードコアex-RoarのGt. Kentaの3人と、大阪のメタルコア/ハードコアシーンで活躍してきたメンバー達による新鋭ハードコアバンドのデビューEP。年明けにバンドアカウントの開設と共にティザーが現れ、先行シングル ''Skinned Alive'' でメタルコア/ハードコアリスナーの度肝を抜いていきましたが、先日ついにデビューEPがリリースされました。
各メンバーのバックグラウンドを吸収しながらも、ENDあたりを彷彿とさせる過激で壮絶なカオス渦巻くハードコアスタイルが特徴的で、狂気的にファストに駆けていくなパートから憎悪たっぷりに落としていくブレイクダウン、不協和音を伴いながら荒々しく刻まれていくギターワーク、暴力的なブラストビートを挟みながらダイナミックに叩きつけるようなドラム、何よりもSUGGESTIONSのそれと比べてより憎悪と怒りに満ちたNiiKの咆哮で恐怖を感じます。DIVINITISTのRyu Miuraが手掛けるアートワークからも緊張感と焦燥感を煽る世界観が色濃くイメージされており、「壮絶」さが伝わります。
5月に初ライブが決定しているDOWNED、現在ギタリスト/ドラマー募集中らしいので彼らの作品やライブに興味のある方は彼らにコンタクトしてみてはいかがでしょうか?
HONORABLE MENSIONS
n:u - Empathy
EP (3/21)
ex-Azamiの三浦詩音を中心に新たに始動したバンドのデビューEPで、バンド名は「ヌウ」と読むそうです。抒情ハードコア, ギターロック, オルタナなどを組み合わせたジャンルレスなサウンドに、命を擦り減らすようなシャウト・儚げなクリーン・スポークンワードまで彼の多種多様なボーカルワークと、自己嫌悪・離別などをテーマにまっすぐなメッセージが込められたリリシズムが存分に発揮されています。個人的に気に入ってるのは、MVも公開されているTr.4 ''リモニウム''。
Gutter King - Bloodrush
シングル (3/24)
カナダ・カルガリーを拠点に活動するポストハードコアバンドの最新シングル。アレンジ版のリリースを除くと ''Sleepless Trees'' 以来2年半ぶりの新曲になります。彼らの強みといえばカナダのバンド独特の冷ややかな哀愁メロディが特徴なんですが、今回はメタルコアとポップミュージックのシンセアレンジを組み合わせた意欲的なスタイル。エフェクトを利かせながらもメロディアスに歌い上げるGt/Vo. Seth Shimpのボーカルワークは作風が変わっても良さは変わりません。
HIKAGE - F.P.P
シングル (3/24)
北海道・札幌を拠点に活動しているメタルコア/ポストハードコアバンドの最新シングル。先日はKNOTFESTのメインアクトとしても出演を果たしております。タイトルは ''Fxxkin' Peer Pressure(同調圧力なんてクソくらえ)''の略で、これまで以上にアグレッシブに攻め立てる展開が目白押し。キャッチーでメロディアスなサビはもちろん、ツービート・ブレイクダウンとライブで盛り上がること間違いなしな一曲。今日東名阪ツアー大阪編なんですが、別公演と被ってて悲しい。
Haze of the Bullet Blossom - Pale Season
シングル (3/27)
東京を拠点に活動している叙情メタルコアバンドの最新シングル。デビューアルバム ''Preserved'' をリリースして以来初のリリースになります。BPM早めのメロディックメタルコアと煌びやかで壮大なシンセアレンジ・女性コーラスを伴ったドラマティックな楽曲ながら、リリックにもあるようにどこか隙間風が吹き付ける都会の肌寒さを感じさせます。今月ALIOTH & ABLAZE IN VEINSのスプリットEPリリースツアー名古屋編でやっとライブ観ることができるようなので楽しみですね。
Hoarfrost - DROWNED
シングル (3/31)
北海道・室蘭市を拠点に活動する叙情ハードコアバンド。2021年に公開された ''ISLAND'' 以来2年ぶりの新曲になります。エモーショナルかつアグレッシブに疾走する楽曲とボーカリストの悲痛なスクリームが、寒々しい雪景色にこだまします。サブスクリプションでの配信やCDでの流通がなく、YoutubeでのMV公開のみになっていて知る人ぞ知るみたいな感じになってますが、非常にカッコいいバンドですので今のうちに是非チェックしておきましょう。
Heart Of A Coward - This place only brings death
シングル (3/31)
イギリス・ミルトンキーンズを拠点に活動するメタルコアバンドの最新シングル。4thアルバム ''Disconnect'' 以来約4年ぶりの新曲になります。現Vo. Kaan Tasanが加入後初の作品となる前作では、ヘヴィさを損なわずによりシンプルかつメロディックになった印象がありましたが、今作はよりそれらを踏襲しつつよりダークでフィジカルに訴えかけるような大ぶりのリズムで表現。先述のBury Tomorrowと比べると日本での知名度は劣りますが、本国ではフェスの常連になるほどのライブバンドなのでチェックしてほしいですね。
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