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Fieldism Live Report #11 ''礎 15th Anniversary Special DECADES TO DECADES Vol.3''

前回の記事(新曲特集)はこちら↓


個人企画やります。ご予約こちらでも承っていますのでお気軽に。


 久しぶりにライブレポを出しますね、Ryotaです。

 新曲特集でも言及しましたが、お盆休みは同居している家族から例の流行り風邪が出てしまいSquall of Screamのレコ発を断念、その前週の名古屋遠征もそれ絡みでポシャったりと、ここ最近ついていない感じでした。

 ただヘヴィーミュージックが好きな関西の人間として、流石に逃したらあかんやろってことでこの日は死守しましたね。そうです、関西のハードコア・メタルコア/パンクetc.好きならみんな一度は行ったことがある or 通販で利用したことがあるはずのCD/レコードショップ礎の周年イベントです。筆者も年間5桁くらいはお金を落としていて、通算すると多分2~30万円くらいは使ったことはあるくらい行きつけです。何も買わなくても店主のCUBEさんと雑談しに行ったりしてますが。


 礎の周年イベント自体は、前身のNO REASON WHY時代から毎年夏の終わりに行われており、その度に関西のメタルコア/ハードコアバンド+県外勢といった具合でジャンルの幅も広めになっているのが特徴的ですね。今回は2019年の前回のDECADES TO DECADES Vol.2以来3年ぶり、心斎橋サンホールでの開催は最後のNO REASON WHY以来5年ぶりになります。

 当日大阪だけでも3~4公演くらいハードコア・ポップパンクetc.なジャンルのライブがあったり、東京でもチラホラ熱いライブがありましたが、さすがに日ごろお世話になっている礎の15周年記念にはお祝いに駆け付けたかったのでサンホールを優先しました。

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 前置き長くなりましたがそろそろ行きましょう。行った方は当時の余韻に浸り、行けなかった方も是非当日の様子を想像してもらえたらと思います。なるべく解像度を高くして書いていきますので。

※各出演者・関係者の名前は敬称略になること、予めご了承ください。


CYANSEA (キャンセル)

 この日のトップバッターはCYANSEA、以前の記事でも何度も取り上げているので簡潔に紹介すると、2020年末にSeize The ThroneWaveletsなどのメンバーが集まって結成されたメタルコア・ポストハードコアバンドで、テクノやブレイクビーツなど様々なエレクトロサウンドをブレンドさせたトリッキーな作風が特徴です。今の関西の若手メタルコア・ポストハードコア最前線として、大阪のみならず東京でも場数を踏んできているようです。

 前週に先日EPをリリースした東京のエレクトロニックメタルコアHAILROSEの企画、その前にはSLOTHREATのツアー大阪編でぶちかましてきて、その勢いに乗ったままこの日の企画にも...と思いきや公演前日にメンバーから体調不良者が出て出演キャンセルに...。後述のColor of Threadのサポートも並行で務めるGt. まっきー (Ex. Dimrays)はピンピンしていたようですが...。

 また、Ba. Kameは出番終わってから速攻で東京に向かってSUGGESTIONSとしてMAKE MY DAY主催のサーキットイベントに出演予定でしたが、それも不参加に。SUGGESTIONS自体は3人体制で当日を乗り切ったようです。


 現状解禁されている関西圏での公演は、冒頭でフライヤー載せてある自分の企画 ''Buried Alive II''のみですので、是非遊びに来てほしいですね。火影のあの世界観で披露されるCYANSEAのライブ、どんな感じに仕上がるのか観てみたくないですか?


ReVERSE BOYZ

 CYANSEAの出演キャンセルにより、OSK FREE STYLE HARDCORE a.k.a NEONINJA HARDCOREを標榜するラップコア/ビートダウンハードコアReVERSA BOYZがトップバッターを務めました。関西のハードコアクルーWest Side Unityにも所属していて関西を中心に各地のハードコアシーンを巻き込んでいることでも話題沸騰中ですね。ハードコア/ビートダウンを主軸にしながらも、ヒップホップやラップなどキャッチーなアプローチや90's~00'sのパーティー感を感じさせる楽しいバンドです。

 「熱いイベントが大阪だけじゃなく各地で行われていて、しかも昼の早い時間からここ(サンホール)を選んでくれて、最高以外の言葉が思いつかん」とVo. アユムのMCとともに、トップバッターから ''F.T.C'', ''BEAST MODE''などMV化されている代表曲でフロアの熱を上げてくれるようなモッシュグルーヴとダンサブルなビートを放ってきました。

 この日は上手のGt. Takuが別イベントに参加のため、Ex. RoarのGt. Kentaをサポートに加えて出演。涼しい顔でメタリックなリフを引き倒す姿が、フロントマンの熱量高めで煽ってくるのと対照的になっていて面白いです。あとは ''NEONINJA2'' の単音リフパートもユニゾンになっていてメタリックハードコア要素極まってましたね。

 ''死ぬまで若々しくいきましょう'' とセットリストの最後には未音源化の新曲 ''Young Vibes Never Die'' をプレイして終了。急遽ですがトップバッターとしての役割を全うしました。

 現状解禁されている今後のライブは、東京で行われる10/8のWest Side Unity主催 ''Leave Youth Here Vol.3'' (出演アクトはまだ未発表)と、11/5の広島公演でアパレルブランドsadsales主催のライブがあります。詳細わかりませんが九州でも公演が決まっているらしいです。また、結成からギターを務めてきたGt. Takuは10/8の公演で脱退するとのことなので、詳細発表を待ちましょう。

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不祀

 2番手は京都を拠点に活動するメタルバンド不祀、礎関係のライブは昨年にCUBEさんが火影で開催した ''YOUNG BLOOD'' 以来です。寒々しいブラックメタルやデスメタル、荘厳な雰囲気のデスコアなどを消化した暗黒サウンドと神秘的でオリエンタルな空気を纏ったバンドで、一度筆者の企画 ''Buried Alive'' でも出演していただいております。最近は日本語詞も取り入れていますが、「バンド独自の言語を言語を考案して歌詞に載せる」という独自のスタイルも個性の一つですね。

 現在Ba. カラサワケイタが諸事情でライブ活動からは離れているっぽく(決してネガティブな理由ではないです)、当日はBear Knuckle/UNHOLY 11の晴仁をサポートベースに加えて出演。1曲目から自分たちのバンド名を冠した ''Fushi''~ ''Zuwwari'' ~ ''Kkekke'' と初期から演奏されてきた楽曲を披露。以降''E n a''収録曲の ''Y'' ''teuo teuo''などよりブラッシュアップされた魑魅魍魎な楽曲を続々と披露。個人的にはライブを観るのは先述したBuried Alive以来2年半ぶりなんですが、宗教染みたフラッグや異様なメンバーの出でたちなども相変わらずそのダークな世界観を表していて最高でしたね。

 

 個人的に驚いたのはセットリストの最後に披露された未音源化の新曲 ''グリーフ'' ですね。独自の言語を用いて「真に平等な全ての人のための歌」を目指してきた彼らが、「生きている世界で直面する苦しみと向き合う」ために積極的に日本語詞を取り入れているのは ''iiimi'' ''tarabadala'' でも垣間見えていました。しかし、日本語のタイトルもあいまって演歌/歌謡曲っぽいVo. Queiguoのボーカルアプローチと寒々しい音像/ヒリヒリとする焦燥感を伴った展開はまた違った印象を持ちました。


 CYANSEAと同じく、不祀も筆者の個人企画 ''Buried Alive II'' に出演してくれます。兼ねてから東京でちょくちょく共演しているBloom in the Crevasseはともかく、''iiimi'' レコ発公演中止で一度流れた福岡ニューメタルコアEvilgloomとの共演や、彼らがかねてから対バンしたいと話していた提婆達多との共演など熱いトピックが目白押しです。現状解禁されている公演はこれだけなのでお見逃しなく。



Vision of Fatima

京都を拠点に活動するカオティックハードコアバンドVision of Fatima、個人としてはコロナ禍に入って以来初めてライブ観ます。京都出身の性なのか、Norma JeanThe ChariotConvergeあたりの一癖も二癖もあるプログレッシブでトリッキーなサウンドを奏でます。躁鬱的っぽいアグレッシブな一面と繊細なエモーショナル・叙情パートのコントラスト、Vo.Kengoのパフォーマンスや楽器隊の荒れ狂うステージングも一種のアート性を感じます。

 今回は京都のハードコアバンドBurning Signのケイイチロウをサポートに加えて出演。彼らのライブ自体も4ヵ月ぶりかつ最新作 ''Pseudomorph / ''Phosphorescence''リリース以来初めてのライブなのもありますが、個人としてもかなり久しぶりに観るのでセットリストも大分変っている印象でした。1曲目から嵐の前の静けさを感じさせる新曲 ''Pseudomorph''、以降はライブでも定番の ''Your Pain & Your Gain'' ~ ''Dirty Teeth - Your Beautiful tongue-'' とSolid State直系の泥臭さと目まぐるしさを伴ったサウンドでオーディエンスを圧倒していきます。

  MCなしの25分セット、曲間の合間合間ではKengoのノイズ/エレクトロサウンドまでそのトリッキーな世界観に魅入られていくのはコロナ禍前からずっとそうだったんですが、無機物と有機物が歪に交わったアートワークそのままを連想させる一種のアート性を改めて感じましたね。


 あとGt. Atsushiが使っているBalaguerのギター、Nicor in PunishmentのGt. Nemuraが同ブランドで違うモデル使っているのは前に観ましたけど、彼のは黒一色でマジでカッコいいですね。斜めフレットとか多弦ギターとか話題になりやすいですが、ああいうのが一番カッコいいのはSlipknotのJimやWage Warが証明していますね(オタク特有の早口)。


 セットリストは ''Mad Love'' ~ ''Sand Fountain'' と比較的近年の楽曲を披露したのち、最後は定番の''The Giver & The Taker...''と思いきや真冬の雪山で撮影されたMVが話題になった新曲 ''Phosphorescence'' で締めてくれました。一時1年に二桁近く観に行ったりしてたなか、コロナ禍入ってから大分ブランク空きましたけどやっぱ観てて惹かれましたね。 


Color of Thread

 DECADES TO DECADESの折り返しは、神戸を拠点に活動しているツインボーカルメタルコア/ポストハードコアバンドColor of Thread。自分の企画にも過去出演していただき、今年2月のPromptsとの対バン以来Victim of Deception, LAST DAY DREAM, HOTOKE, SLOTHREATなど各地の先輩との共演が増えてきており、CYANSEAと共に関西のメタルコア/ポストハードコアの最前線を担っています。

 彼らの楽曲と言えば、繊細でエモーショナルなメロディとメタリックでアグレッシブなサウンド/Ryutoの伸びやかなクリーンとItsukiのシャウトの対比、Breathe My Words, UNIONS, Winsethなど兵庫の先輩ポストハードコア/メタルコアの要素を引き継ぎつつもR&Bやトラップやニューメタルなど国内外のトレンドを積極的に取り入れたサウンドは流石。


 当日のセットリストも今年リリースされたEP ''RECURRENCE'' からの楽曲が主体で、EPのオープニングを飾り最後のブレイクダウンで厳つく落としていく''White Noise''、浮遊感のあるイントロと壮大なクリーンが特徴的な ''Darkness''、年明けに先行でMVがリリースされ成長ぶりが確信できる ''Faded''など今の関西の最先端を行くサウンドを展開していきます。


 このバンド、特にItsukiに関しては始動前から面識があって、その当時から礎には始動前からデモを置いてもらったりいろんなライブに足を運んでQRコード付きのビラを配りに行ってたりしてたし、自分の企画に出てくれた時も「関西のシーン、盛り上げていくんで」と宣言してくれた末に今回の礎企画に抜擢されました。先述の先輩たちの対バンもそうですが見事にあの時の宣言通り頭角を現している印象です。

 今回の公演以降製作期間に入るため次回のライブは決まっていないとのことですが、今後の成長に更なる期待が寄せられますね。


TEMPLE

 大阪を拠点に活動するメタル・ハードコア・ファストコアバンド。礎関係でのライブは2019年のCUBEさん主催 ''YOUNG BLOOD Vol.2'' で初出演し、その時はまだ始動して2か月でのちにCRACK NUTSを立ち上げるShotaroがまだ在籍していた時でしたね。あれから3年、ex. HOJOASAM//MASSACREのHOJO/560000560000の加入によりさらに過激かつ暗黒面に陥ったサウンドは先鋭化し、最近ではPDF SUMMER BASHやONE & ONLY FESTIVALにも出演、関西のみならず全国へとその名を轟かせています。

↑ワンオーフェスのライブレポはこちら

 衝動を保ちつつも高い演奏力に裏打ちされたパフォーマンスが放つハードコア・デスメタル・グラインド・スラッジ・ドゥームetc...など多種多様なバックグランドを吸収したエクストリームな楽曲陣は一気にフロアの空気を変えてきました。一気にここでオーディエンスも衝動にかられて身体が動きだしましたね、もちろん自分も動かずにはいられませんでしたね。


 ''Apocalyptic Fog'' ''No Redemption'' など終始攻め一辺倒な爆走トラックを放出していくTEMPLE、溢れんばかりの熱量と気迫を保ちながらもストイックな雰囲気を持つ彼らですが、常に一貫したスタンスを持っているのも彼らの魅力の一つ。ONE & ONLY FESの時もそうでしたが、今回もVo. MERCYが 「○○(某フェスで炎上したロックバンド)みたいなこと言うけど、やってええから」っていうのは面白かったですね。


 ''DECADES TO DECADES、ずっと長くやってけるようにサポートしていきましょ'' と今の大阪ハードコアシーンの最先端を行くバンドの一つとしてフロアを支配し、その熱量と保ったまま大先輩TIGERにバトンを繋いでいきました。

 TEMPLEの今月のライブですが、9/10に横浜 EL PUENTE、9/11は秋葉原音楽館でALIENGUM企画に出演予定です。9/10のEL PUENTEは逃げ場がないフロアで個人的に「日本の法律が通用しなさそうなライブハウスNo.1」、9/11はALIENGUMがライブ活動を一時休止する日とかなんとかなので首都圏勢は要チェックを。



TIGER

 TEMPLEのフロアの熱をキープしたまま、大阪のベテランハードコア/ラップコアバンドTIGERへとつないでいきます。ビートダウン・メタリックハードコア主体のサウンドはアッパーかつ軽快でダンサブル、そして要所要所でしっかり落としてくれる楽しいバンドです。また、ラップボーカルを載せたりシャウト&シンガロングを交えながらフロアの熱を上げていくのも特徴ですね。大阪の後輩West Side Unityのクルー、特に先述ReVERSE BOYZの音楽性には強い影響を与えているバンドの一つだと思われます。

 礎のイベントには何度も出演していたそうですが、最後のNO REASON WHY以来5年ぶりの出演。自分は年始にWest Side Unityのクルーが企画した ''SINISTER SYNDICATE'' 以来です。また、自分は不在でしたが、直近では6月にVictim of DeceptionとHOTOKEのツアー大阪編でも出演し、2015~16年の関西のメタルコア/ハードコアのクロスオーバーイベントを彷彿とさせたことでも話題になりましたね。

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 過去に何度かライブを観ているので、今回もどうなるか想像するのは容易でしたが、「自由なスタイルに更に磨きをかけ現在も進化を続けるハードコアバンド」とあって、上述したイケイケでアッパーな展開に時折混ぜられる日本語ラップでフロアをぐいぐい引っ張っていき、肝心なところでしっかりビートダウンで落としていくパフォーマンス、皆マイクを奪いに行ったり思わず体が動いたりとフロアは完全に「遊び場」と化してました。


 また、今年でバンド結成して15周年ということもあり、「来年に何かしらの形で出る(かもしれない)新曲」やGates of HopelessのVo. RYZをfeat. した楽曲 (''O.L.T.P'' で合ってます?)も披露。最後なMVにもなった代表曲の一つ ''N.C.O.N'' で締めてくれました。


 今後のライブですが、明日9/3に戦国大統領主催イベント、10/15にメタリックハードコアEND IN BLOODのEPリリースツアーファイナルシリーズ大阪編、11/19にはClub STOMPで''DEPRESSED ONLY FORWARD'' というイベントに出演。個人的にも10月と11月は行こうか検討している公演になります。

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Arise in Stability

 今回唯一の関東勢になるのは横浜発地球に優しいテクニカルプログレッシブメタルバンドArise in Stability。その圧倒的な楽器隊の技術力から繰り出される、変拍子・ポリリズム・などを駆使した楽曲のスケール感とドラマ性は他のバンドの追随を許さないことで話題になっています。プログレッシブさもそうですが、繊細で叙情的なメロディや独特の世界観も相まって、「日本人でなければ、作品の内容を100%理解できない音楽」になっています。

 2020年に9年ぶりの2ndアルバム ''犀礼 / Dose Again'' のリリースツアーを組んでいたものの、直後にコロナ禍が始まって軒並み延期が続いたり、ツアーが延期になっている間にメンバーが入れ替わったりと、色々と苦難がありましたが、礎企画としては2016年のNO REASON WHY以来6年ぶりに出演を果たしました。奇しくも自分が初めて行った礎企画で同じ会場なので、運命めいたものを感じます。

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 先述の通り、この2年でBa. KodaiとGt. Yusukeが脱退し(優介は現在摩天楼オペラで活動)、新たにBa. AckyとGt. Kotaroが加入。特にKotaroに関しては彼が加入以前からやっているバンドThe Skies Aboveの時から面識があったので驚きましたね。

(ちなみにThe Skies Aboveの元バンドメイトBa. TomoはGraupelを経て現在はPhantom ExcaliverovEnolaのサポートで活動)。


 オープニングの '' 帰来 / Noise Heard in the Moon'' から、その楽器隊の卓越した演奏技術がもたらす目まぐるしくも多彩に変化していくメロディとエモーショナルな世界観に目を奪われっぱなしでした。激しいシャウトからクリーンまで幅広いアプローチでその独自の世界観を表現するVo. Hosukeのパフォーマンスにも脱帽でしたね。個人的にはセトリの3曲目で元メンバーYusuke作曲の ''輪廻解脱 / Madness Gives Rise to Enlightenment'' もとんでもなかったです。特にディレイを効かせたアルペジオからのブレイクダウン。


 最後はMVにもなった代表曲 ''Creation of Ruin''...と思いきや、''存在し得ぬ空白 / Blank that won't exist''を久しぶりに披露。昔からライブを観ているであろう年長の皆様がむせび泣いていたらしいです。本当かどうかは定かではないですが...。


 AiSの現在発表されている今後のライブは3公演、いずれも東京都内になります。特に12/10はbilo'uとの2マンイベント兼両バンドとも1stアルバム完全再現ロングセットらしいです。ご来場者に先着順で ''生しるこサンド'' もプレゼントするとのこと。


LAST DAY DREAM

 トリ前は大阪発メタルコアモンスターLAST DAY DREAM。礎企画としては前回のDECADES TO DECADESから続投という形になります。メタルコアやデスコアの攻撃性とメロデスの叙情的なメロディをブレンドしたサウンド、Vo. Saimoticの高低シャウトを駆使した強烈な個性を持つパフォーマンスと各メンバーの確かな演奏技術で、関西のみならず日本中のメタルコアリスナーを魅了してきました。

 ここ3~4年はメンバーが入れ替わったり、メンバーチェンジで体制を安定させた矢先にコロナ禍に入ってライブ活動を休止したりとその道のりは困難なものがありましたが、今年3月の自主企画 ''VS LDD vol.7'' でライブ活動を再開。HOTOKE, Victim of Deception, HONE YOUR SENSEなど多くの盟友や後輩が駆け付けた公演は速攻でソールドアウトし、新たなスタートを切りました(筆者も行きましたが、諸事情でライブレポは出してません)。

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 精力的にライブ活動を再開したLDD、1曲目から初期からの定番曲 ''Rebellious Future'' で積極的に反社ムーブを煽っていきます。昔からヴィジュアル系が好きそうなお姉さま方は前方でヘドバン、少し後ろでは好きなジャンル関係なくフロアを「遊び場」にする光景が懐かしく感じました。ジャンルは違えどWest Side Unityの年長組は昔彼らのライブを観てずっとモッシュしてた人も多いので、一種の感慨深さあります。


 セットリストは ''Another Dimension'' ~ ''Violet Blood'' ~ ''My Tragic Phantom'' と、ライブが進むにつれてフロアのボルテージも上がっていきます。個人的にAt The Gatesなど古き良きメロデスを彷彿とさせる''Violet Blood''は特にお気に入りなのでテンション上がりましたね。代表曲 ''My Tragic Phantom'' ではColor of ThreadのItsukiも登場。新世代の関西メタルコア/ポストハードコア筆頭格が大先輩にカチコミ。最後は定番曲 ''Kaleidoscopic Scythe'' で終了。関西のメタルコアシーンを背負うバンドとして圧倒的なパフォーマンスを見せてくれました。


 一時氷河期に片足ツッコんでいた関西のラウドシーンも再び盛り上がりを見せており、最近ラウドロック/メタルコア/ポストハードコアバンドを集めたライブハウスでのブッキングイベントも増えつつありますが、Vo. SaimoticはLDDのライブ活動だけでなく若手のラウドシーンを盛り上げるためにアメ村Dropと共同企画を開催。筆者は冒頭の諸事情で行けませんでしたが、良いイベントだと思います。

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 LDDの今後のライブですが、9/9に心斎橋VARONの周年イベントに出演予定です。UNMASK aLIVEKings and Queensなどのポップパンクバンドも出演するジャンルレスなイベントになります。



Gates of Hopeless

 大トリは大阪のベテランニュースクールハードコアバンドGates of Hopelessが務めました。2004年の結成から貫き通されてきた単音リフの応酬と叙情的なメロディが紡ぐ、ドラマ性に溢れたFURY EDGE / MILITANTサウンドを奏でます。もちろんライブでも鬼気迫る圧巻のパフォーマンスでフロアもその熱量に巻き込まれて大変なことになるのも恒例ですね。昨年にキャリア初のデビューアルバム ''In the Twilight of Nocturne'' をリリースして最も勢いが乗っている中、初回のDECADES TO DECADESぶりの出演を果たしました(確かその時も大トリだったと思います)。


 ところで、BACKYARD ZINEのインタビュー最高でしたね。未視聴の方は是非チェックを。

 

 セットリストも ''to KILL'' や ''True Justice Never Die''などアルバム収録曲を中心に披露していたのですが、最近になってトリプルギター体制になったこともあり楽器隊のステージングからは圧倒的な気迫に満ち溢れていました。フロントマンRYZのフロアを威嚇するような熱量あふれるパフォーマンスと「そんなもんか?」「もっとやれるんちゃうんか?」と煽っていくスタイルのMCでフロアからはJIHAD感じましたね。特に ''All Will Suffer'' 前の「『楽しんで帰ってください』なんてしょうもないことは言いません、暴れて帰れやオラ」の下りは最高でしたね。



 個人的に衝撃を受けたのは、セットリストの最後の荘厳なインタールード ''...After the Justice in Embracing the Silence Sadness'' からの ''Recollection'' で、途中転調するパートで天から光が降り注いだかのような高摩擦のトレモロリフとリードギターのメロディで膝つきアップライズ不可避。そこから元のキーに戻って3拍子になるところも秀逸でした。

 これでDECADES TO DECADES Vol.3は終了...と思いきやフロアからアンコールのヤジが...。RYZが「アンコール言うたからには責任取ってくれますよね?」と代表曲の ''Proves My Existence'' で大団円。楽器隊の演奏もそうですがGt. Soutaの膝つきながらメロディックなリードを奏でる姿はまさにグランドフィナーレでJUSTICE感ありました。


 アルバムリリースされてからことごとくタイミング逃して観れなかったのですが、やっぱ単音リフを摂取しないと○んでしまうことを再認識させられましたね。現状解禁されているライブは3件、9/24のBLOODAXE FESTIVALと10/22のEND IN BLOODのEPリリースツアーファイナル東京編、そして来年2/25の名古屋の新鋭ハードコアPURGEのGt.ふじの個人企画 ''Dig For All Vol.3'' です。


 筆者は別の用事で参加できませんが、BAXEはO.A.のView From The Soyuzとトリプルギター合戦になるのか注目です。Dig For Allは来月アルバムが発売されるPRESS ON AHEADのレコ発も兼ねています。名古屋のほうは遊びに行きたい。


末筆

 ということで、コロナ禍もあって3年越しの夏祭りとなりました。筆者は2016年のNO REASON WHY、2018年のDECADES TO DECADESと過去2回礎企画に遊びに来ていますが、やっぱり礎は大阪のハードコア/メタルコア/パンクのカルチャーには無くてはならない存在やと思ってますし、これからもお世話になります。改めて、15周年おめでとうございます。

 冒頭の通り、10月に久しぶりの個人企画をするんですが思いっきりケツを叩かれましたね。LAST DAY DREAMのところでも言及したんですが、コロナ禍入って冷え切っていた関西のポストハードコア/メタルコアも再び盛り上がりを見せておりますので、彼らと一緒に何かしらしたいねって話も最近ちょこちょこしてます。9月末にはVaronのブッキングイベントに遊びに行くの楽しみです。

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