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彩りを食べてみようか

チョコレートの飾りにまぎれて見えづらいが、パフェになにかの草が刺さっている。

花とチョコレートの間に、なにかの草
一瞬、松?と思った自分を恥じたい

香りからしてハーブ系だなと思いつつも、確証がもてないため文明の利器に頼る。

ありがとうGoogleレンズ

肉料理の臭い消しや、お菓子ならクッキーにつかうイメージがある。パフェに刺さっているのは初めて見た。

ケーキやパフェの上にあしらわれている小さな葉のたぐいは、ほぼ食べない。

彩りで添えられているだけなのか、そのお菓子の味を左右するパーツなのか。
見るからに草だけれど、甘いのか、苦いのか。
食べるタイミングもよく分からず、なかなか手がのびない。

もったいないとは思いつつ、ついついお皿に置き去りにしてしまいがち。

さくらんぼのパフェに添えられたミント

さあどこから食べようかな、とワクワクしながら、当たり前のようにミントをつまんでよけた。
そもそも、スースー系は少々不得手。

お茶のアイスに添えられたもみじ

抹茶、煎茶、ほうじ茶。どれから食べようかなと迷いながら、当たり前のようにもみじの葉をよけた。
もみじの葉、食べたことがない。そもそも食べられるのか。

いちじくのデザートプレートに添えられた
チャービルかイタリアンパセリ

これはまず右下のいちじくのアイスからだな、と計画を立てつつ、散りばめられた緑色をちゃっちゃとよけた。
自社商品でもよく使っていたので、さほどクセがない味と知っている。でも、なんとなく避けてしまう。

これも、ミルクレープにそえられたチャービル

プレーンのままいこうか、生クリームをつけようか迷いながら、チャービルは迷いなくフォークでよけた。

どれも、小さな緑があしらわれることでメイン食材の彩りが引き立ち、より魅力的にみえる。

さくらんぼのパフェはミントでフレッシュさが増しているし、お茶のアイスはもみじの葉が和の雰囲気を強調している。

いちじくのデザートプレートとミルクレープも、チャービルがなくても味は約束されていそうだ。でも、あるほうが目にもおいしい。

彩りやアクセントとして、あったほうが圧倒的にいいのは分かる。

でも味が苦手だったり、味がよく分からなかったりする以上、やはり手は伸びにくく、どうにももったいない。

ミントに、殺菌・抗炎症・解熱作用があるのはわりと知られていると思う。香りには、消化不良を緩和したり、気分を落ち着かせたりする効果もある。

花言葉は「美徳」「効能」。
「効能」は、もはや花言葉ではなく花説明だと思った。

もみじは、アントシアニンやポリフェノールが含まれていて、糖の分解や吸収を抑制し、血糖値の上昇を防げるのだとか。
種類によって食べられるというのも意外だが、そんな栄養があったとは。

花言葉は「大切な思い出」「美しい変化」。
添えられていたら、食べたときの感動を含めて記憶にとどめておいてほしい、というメッセージ性が込められているかもしれない。

チャービルは、ビタミンやミネラルが豊富で解毒作用があり、胃腸の調子を整えて消化吸収を助けてくれるという。

花言葉は「誠実」。
ケーキやパフェに誠実が添えられていると思うと、説得力がすごい。

ローズマリーは、高い抗酸化作用があり、消化機能だけでなく、記憶力や集中力を高める作用もあるのだとか。

花言葉は、「記憶」「思い出」。
効能がそのまま花言葉になっている、ミントの上をいくパターン。

さりげなく添えられている緑は、目にもおいしいだけでなく、それがもつ効能や花言葉でお菓子の付加価値を高めうるとわかった。

つぎはお皿に置き去りにせず、そんなことを思い出しながら、すこし口に運んでみようかな、と思った。
ごくわずかに飾り付けられているだけだから、栄養素としての期待はできないかもしれない。けれど、プラセボ効果とやらで気分は違いそうな気がする。

ただ、ローズマリーはみるからに口の中に刺さりそうな鋭利さだし、もみじなら、もみじまんじゅうがついてくる方がうれしい。

まだしばらく、いろどりみどりとの距離感には悩みそうだ。

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