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行動変容を促すための工夫

今、生活習慣病が改めて注目されています。

新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクとなる基礎疾患には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満があります。2020年11月時点 新型コロナウイルスの"いま"について10の知識

生まれつきの疾患である場合など、

必ずしも生活習慣が原因でない事もあります。

ただ、多くの場合、日頃のよくない生活習慣を続けた結果

かかってしまった病気。

疾病予防に取り組む職種には

本人に行動変容を促すスキルが必要とされます。

医療に限らず、家庭内や仕事の中でも

「どうすればより良い行動に変えてくれるのだろう」と

悩む場面はあるのではないでしょうか。

ゲームに夢中になる子ども、

お酒の量が多いお父さん、

やる気のない部下などなど・・

枚挙にいとまがありませんね。

仮に目の前に

「コロナが怖いから通院をやめた人」

がいたとします。

「治療をやめるのは体に良くないから病院に行きましょう」

と言っても

「忙しくて時間がない」

「病院に行くのが怖い」

「体は何ともないから行きたくない」

などと言って、抵抗されることでしょう。

言ってくれるだけまだマシかもしれません。

黙りこむ人も多いです。

正論をかざしたところで相手は抵抗するだけ

はじめから大きな要求をしたところで

受け入れられません。

ドア・イン・ザ・フェイス

抵抗を受けたときに取る対策は

小さな要求をすること。

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」

という心理テクニックですが

初めに大きな要求を行い、

相手がそれを断った時点で小さな要求を行う。

人は要求を断ると無意識のなかで

罪悪感が生まれるため

「次の要求には応じないと・・」と

思ってしまう心理を利用したテクニックです。

会社の人事異動の場面で、

海外転勤を打診して本人に断られたところで

国内の遠方の転勤を命じて承諾を得る、

などといった場面(極端な例ですが)。

まさにそのスキルを使っています。

人事や営業の常套手段のようです。

疾病予防の場面で、

たとえば毎日朝ごはんを食べない習慣の人を相手に

「毎朝バランスよく食べましょう」が無理なら

「まずはコンビニのサンドイッチだけでも・・」というように。

「最近太りやすいんだよね」とか

健康に危機感を持っているような言葉が出てくれば

生活改善のハードルがかなり下がり

自分のこととしてきちんと考えてもらうチャンスができます。

メッセージは賢く伝えることで

相手も面談者も納得して面談を終えられますので

「ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック」

ぜひ使っていきましょう。

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認知的不協和

認知的不協和とは、人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。(Wikipediaより)

先ほどの「コロナが怖いから通院をやめた人」ですが

通院を再開しなければならないけど通院をやめるのは良くない

という矛盾した気持ちを持っていると考えられます。

通院中断をコロナで正当化することで

自身の認知的不協和を解消しているわけです。

「やらなければならないけど忙しいからやらない」は

自分でもダメだよな・・と思っているはず。

周りの者は出来ることを提案するけれど

最終的には本人に決めてもらう、というのがコツです。

本人が納得しないことを目標にしても

出来ないからです。

中にはとにかく周りに判断を委ねる方、いますよね。

このような方からは後からうまくいかなかった時に

クレームをもらいやすいので

伝え方には充分に注意します。

実際に行うのは相手なので

課題解決に向けて一緒に考える姿勢を見せることが大切。

人は自分にとって嫌なことを言われると

嫌なことを言う人自体に苦手感を持つようになりますので

信頼関係にも気をつけなければなりません。

まとめ

行動変容を促すために気をつけることがたくさんあり

難しいように思えますが

今日の記事で書いたポイントは以下の3つ。

・小さな要求をする
・一緒に考える姿勢を見せる
・信頼関係を大切にする

です。



読んで下さりありがとうございます。読みやすいコラムを目指します。