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FF9考察 / 生も死も
奥行きをもった世界観と、普遍的なテーマを併せ持った物語が都度評価されてきたファイナルファンタジー。何より素晴らしいのは、タイトル毎に制作を主導する人物が異なるにも関わらず、シリーズ全体を通して物語の構成力が高く維持され続けている点でしょう。
本作『FINAL FANTASY IX』も例に漏れず、およそ一度のプレイでは理解できない複雑かつ合理的な世界観と、物語を通して描かれる一貫したテーマが用意され
FF8考察 / それこそがファイナルファンタジー
予め断っておかなければならないことが、幾つか。
まず本考察では、作品の内容を丁寧に解説するつもりはありません。一記事としては態度が大きくなりますが、作品をプレイしてから記事を読むことをお勧めします。ゲームは例え、物語を十全に理解しなくとも十分楽しめるよう作られています。考察を知って得るカタルシスの程度にも影響しますので、是非。
次に考察は、当然ながら必ずしも正しいわけではありません。あくまで一個人
FF13考察⑤ / 魔法が使えない明日
この記事では、『FINAL FANTASY XIII』が持つメッセージ性やテーマ性について考察します。あくまで個人の解釈であることを承知ください。
◾️キャラクターが切り拓いた可能性・レインズの感化
バルトアンデルス受け売りの、世界観に纏わる重要な情報を提供していた男シド・レインズは記事でも度々取り上げた。言うまでもなく、彼はコクーンのルシであって、下界のルシであるライトニングたちとは対立
FF13考察④ / ルシ、ラストシーン
記事は連載の形式をとっています。よろしければ記事①から参照ください。
◾️ルシ ここではルシの有する特徴と、またそれぞれのキャラクターが負っていた使命について考察していく。
・ルシの特徴
これまでの記事にて、神が人間を創り出した主目的とは「魔力の生産」であると考察した。つまり魔法を使えなくとも、人間には元より魔力が内在しているのだろうと。
ここで、内在する魔力の流出を抑える神の制限が
FF13考察③ / 魔物の正体
記事は連載の形式をとっています。よろしければ記事①から参照ください。
◾️ユニバース25 ユートピア。いわゆる理想郷を指すその言葉は、15世紀の思想家トマス・モアが、当時の社会を批判する際に比較対象として生み出した架空の社会概念を意味している。
本項では、理想社会ユートピアを生み出そうとして行われた実験「ユニバース25」について解説する。
・実験の内容
まず初めに、この実験において定義
FF13考察② / 神はどこに消えたのか?
もし、全ての表現に意味があるとしたら。
『FINAL FANTASY XIII』を擁するシリーズ「ライトニングサーガ」は、とある神話プロジェクトに組み込まれている。プロジェクトからは、サーガ群を含め計五作品がリリースされたが、しかし肝心の神話は不自然なほどに広がりを見せなかった。
◾️FF13の違和感
皆さんは「FF13」というタイトルが、終盤にかけて不審な点を多く残していたことに気がつ
FF13考察① / 自壊志願のラスボス
『FINAL FANTASY XIII』という作品を、今更ながら記憶に留めている人は多くないだろう。そのストーリーは終盤にかけて機械仕掛けの神で誤魔化され、ご都合主義な展開に辟易して、忘れることにしたプレイヤーも少なくないはずだ。
しかしながら、本作は「ストーリーを重視している」と大手を振ってリリースされたタイトルでもある。何か私たちが気付けていないだけで、物語の裏には重厚な世界観や登場人物