生活の一部にある小売業界の課題解決のためにフェズCTOが目指す開発組織とは。
フェズは、小売のDXを推進するリテイルテックを注力領域とするスタートアップ企業です。
現在、新たな事業・プロダクトの開発を予定しており、事業拡大真っ只中であるフェズのCTOとして、昨年11月に徐さんがジョインしました。
本記事では、エンジニアとしてだけでなく、組織の立ち上げや拡大、各種マネジメント業務等、さまざまな事業フェーズを経験した徐さんに、フェズの開発組織や事業の魅力・可能性、徐さんの志向や考え方、CTOとして目指したい開発組織を取材しました!
■徐さんのプロフィール
■プロフィール
生体認証システムの研究開発者としてキャリアをスタート。
主として指紋・虹彩認証の研究開発に携わるも、研究成果を形にする開発力に課題を感じ、最先端の開発技術を求めてKLab株式会社に入社。
ゲーム事業を中心にリードエンジニアとして広く開発に携わる。その後、結婚や育児などを契機に、より社会や人・組織の成長に貢献していきたいという思いからトレタ株式会社にジョイン。
VP of Engineering として事業の変化・拡大に合わせた組織構築や技術牽引を行う。
2020年11月より株式会社フェズに入社し、CTO就任。
■経歴
・2010年1⽉ 株式会社⽇本システムラボラトリに⼊社。
主に虹彩認証の基礎研究やライブラリ・ツール開発を担当。
・2012年6⽉ KLab株式会社に⼊社。
エンジニア業務から、80名規模までのプロジェクトリードやエンジニアイベントの企画、開発組織全体の制度構築・採⽤活動領域まで幅広く活動。
・2018年10⽉ 株式会社トレタ⼊社。
VP of Engineering(技術組織責任者)として事業の変化・拡⼤に合わせた組織構築や技術牽引を担う。
・2020年11月 株式会社フェズ入社。
執行役員CTOとしてプロダクト開発およびエンジニア組織マネジメントを担当。
▼フェズの事業についてはこちら
さっそくCTOの徐さんを深掘りしていきます!
ー フェズを選んだ理由の一つに、「社会的意義があることをやりたい」という想いがあると聞いていますが、フェズの事業のどんなところに社会的意義を見出してますか?
■社会そのものである小売業界の課題に向きあえる楽しさ
市場規模140兆円(※)という、日本を支える大市場である小売業界における業界構造の課題にアプローチしている点です。
※『平成29年小売業販売を振り返る - 経済産業省』参考
社会には様々な領域があり、たくさんの課題がありますが、中でも”小売業界は自身の生活に必要不可欠なインフラですし、まさに「社会そのもの」”と言ってもいいものだと思うんです。
小売業界の課題に向き合うということは、社会を大きく底上げできる可能性があることであり、そこに直接アプローチしていけるというところが、フェズを選んだ理由の1つですね。
ー 徐さんが考える小売業界の課題は何ですか?
「購買データをはじめとしたデータの活用」ですね。ここに小売業界がより強くなる可能性が秘められていると感じています。
これは代表の伊丹さんの考えやビジョンに感銘を受け、共感をした点でもあります。
小売各社は、購買データ等のビッグデータを保有していますが、それぞれのデータが分断していて、うまく活用しきれていない実態があります。
また、実際の店舗ではECサイトのように、どの商品が、いつ、どこに、どのように並べてあり、どれくらいの人が手にとってくれたのかといったデータも計測しづらい状況にあります。
描いている未来としては、これらのデータをオンライン・オフラインの垣根なく計測・可視化・分析し、包括的にアプローチしていける世界ですね。
そのために現在新しいプロダクトの開発を進めています。
▼代表伊丹さんの取材記事はこちら
ー 課題を向き合う際に、大切にしている姿勢はありますか?
■「もったいない」の姿勢が課題解決の軸
そうですね、自身の姿勢というか志向性を「もったいない駆動開発」なんて呼んでいます。笑
これは「もったいない」、要するに自身の感じた課題や可能性に対し、こうすればもっとよくなるという気持ちを軸に物事に向き合う姿勢です。
自身のキャリアを振り返るに、最初は数式やアルゴリズム相手にこうすれば良くなると取り組んでいたのですが、それがだんだんとコードやアーキテクチャ、開発プロセスやプロジェクトマネジメント、さらには人や組織に対してこうすれば良くなると向き合っているうちに今のような仕事をすることになってました。
自身が結婚し子供が生まれたことをきっかけに、最近では社会貢献というか社会そのもののもったいなさにアプローチしていきたいと思っています。
冒頭触れた、小売業界の購買データの活用もその流れですね。
ー どんどん視野が広がっていった理由はなんですか?
■仕事をやりきることで視野が広がる
自分のライフステージの変化もあるのですが、
その領域において一通りやりきったことだと考えています。
アルゴリズムを突き詰めていった結果として、そこには壁があり、より強く課題にアプローチするためには、それを扱うシステム開発に触れる必要がありました。
より良いシステム開発のためには、コードの書き方からソフトウェア設計やシステムアーキテクチャを突き詰める必要がありました。
アーキテクチャそのものをしっかり作れたとしても、それを作る人や組織、プロジェクト自体を上手く回さないと・・・というように、各領域をやりきり、壁にぶつかるたびに、そこを越えようと試行錯誤するうちに次のステージが見えてきた、必然と対象が大きくなってきた、というのが背景です。
ー ここまで小売業界やフェズの事業の魅力について伺っていきましたが、
次は、実際にフェズのCTOとして稼働してから感じたことを掘り下げたいと思います。
11月からフェズにジョインしてみて、フェズならではの特徴はありましたか?
■部門を越え同じベクトルを向いたプロダクト開発
事業側とフラットに対話できることが、特徴の一つです。
それぞれの領域で高い専門性と責任を持ちつつ、お互いに敬意を持って垣根なく物事を進められているのは、フェズの魅力であり強みだと感じています。
特に、プロダクト開発の考え方がしっかり根付いており、事業側から開発を相談する際にも、開発のプロセスにのっとってPRD(プロダクト要求仕様書)を書こうという文化があるのは素晴らしいと思いました。
開発側としても、事業側の意図について納得できるまでディスカッションができる関係性なのは魅力的な特徴です。
■シリコンバレーで活躍する専門家との仕事
専門性の高い方々と一緒に仕事ができるのも魅力の一つですね。
現在顧問という形で様々な方に協力いただいていますが、中でもシリコンバレーで活躍されている曽根原春樹さんと田中乃悟さんには、プロダクト開発の多くの面で力を貸していただいています。
▼曽根原春樹さんプロフィール
▼田中乃悟さんプロフィール
曽根原さんには、フェズの基幹プロダクトである「Urumo」の開発初期から携わっていただいていて、プロダクト開発を様々な面からアドバイスやレビューいただいており、現在も新規プロダクトの立ち上げの協力や開発プロセスの相談、シリコンバレーのトレンド共有などまで様々に関わっていただいています。
田中さんには、今あるデータをどう活用するべきなのかはもちろんとして、今後どのようなデータを集めていくべきか、扱うデータが大規模・多様化する上で起こりうる課題の想定や、そこに向かって今のシステムをどう繋げていくかなどのアドバイスいただいたりしています。
また、内部にも専門家が集い始めていまして、最近ではデータサイエンスの第一線の方がジョインしました。
深く数学に精通していながら現場のにおいや小売の心を大切にされる方で、技術力だけでなく考え方や行動力も素晴らしい人ですね。今後のインタビュー記事に出演予定とのことなので、お楽しみに。笑
これら世界の第一線で活躍しており、またこれからフェズが向き合う課題を既に超えてきた人たちと一緒に仕事ができる環境はとても心強く刺激的ですね。
ー 最後に、徐さんがどのような作られる開発組織のイメージや考えについてお伺いします。 今後CTOとしてどんな開発組織にしていきたいですか?徐さんが大切にしていることがあれば教えて下さい。
■個人と組織の関係性がフェアであることが大事
フェズの文化として「個人と組織が対等である」という考え方が根付いていて、個人の可能性の広がりが組織を広げる、そこにコミットする姿勢があります。
この考え方は私自身大事にしてきたことなので、これからもしっかりと向き合っていきたいですね。
個人の成長なくして組織の成長はありませんし、どちらかに比重が寄りすぎた組織は継続性がありません。
この関係性がフェアであればあるほど開発組織として強くなりますし、また単純に楽しく仕事ができると思っています。
エンジニアは専門職なので、メンバーにはそれぞれの専門性を確立していってほしいですね。
望めばいつでもどこでも行けるような強さを磨いていってほしいですし、そんな中でもフェズで成し遂げたいことがある、あるいは、今はフェズに力を貸してやるか、なんて思ってもらえるような組織を作るのが私の仕事だと思っています。
そんな組織を創り上げるために大切にしたいのは、
私の持論である「環境が人を育てる」という考え方です。
これは自分の経験に基づくものなのですが、
「自分の考えを持って挑戦し、そのフィードバックを自分で受ける」ことが、自身の一番の成長と楽しさに繋がってきたと思っています。
そのためには「自身の裁量と責任を持って挑戦ができる環境」が大事です。
当然私の役割として責任を取るべきところは取りますし、フォローすべきところはしますが、基本的にはお互いの信頼をもとに、それぞれの活躍を大事にする組織でありたいと思っています。
また、別の方向性としてワークライフバランスも大事にしていきたいですね。
自身が育児に奔走しているのもありますが、これも組織の強さや継続性には必要不可欠なものだと思っています。
ー 具体的には、どんな人と一緒に働きたいですか?
■自分自身の軸がありつつ、他人も尊重出来る人と働きたい
自分自身の軸がありつつ、他人も尊重する、そんな人ですね。
『Team Geek』という本に「HRTの原則」という言葉が紹介されているのですが、この言葉通り、お互いを尊重するには謙虚(Humility)、尊敬(Respect)、信頼(Trust)の3つが重要だと考えています。
先に触れたような開発組織にはお互いのHRTがあってのことですし、そんな人とチームを作っていきたい、自分の挑戦も他人の挑戦もお互い尊重しながら前に進んでいけるような関係性でありたいですね。
また、別の方向性としては、変化を楽しめる人だと良いなと思います。
幸いにもフェズは事業・組織共に大きく拡大が進んでいるフェーズなので、やれること・やるべきことがどんどん増えている状況です。そんななかで一緒に失敗もしながら楽しく挑戦していけるような人だと嬉しいですね。
■リテイルテックを一緒に創り上げるメンバーを募集しています
最後にお約束ですが、この記事を見てフェズに少しでも興味を持っていただいた方がいれば、ぜひ気軽に話を聞きに来てください。
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