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ワーママの悩み:私たちはいつも何かとトレードオフしている

「好きな仕事に思いっきり打ち込みたい。でも、家族と過ごす時間も大切にしたいし、趣味や勉強の枠もしっかりと確保したい。収入はたくさんほしいけど、やっぱりリスクは取りたくないから、このままサラリーマンがいいなあ」

こういう人は、自分の欲望の本質がわかっていない。世の中はトレードオフが原則だ。例外はない。これらの希望をすべて叶えることなどまずできないし、そんな虫のいい話があるとすれば、眉唾だと思ったほうがいい。

堀江貴文「"複雑に考えたがる人"は逃げている」 東洋経済オンラインより


ワーママの辛さ、について考えていて、この記事を思い出しました。

2020年の記事ですが、初めて読んだ時のことははっきりと覚えていて「ああ、本当にそう。わかっているけれど、どうしようもないから困っている。」と思ったのを思い出します。
ワーママの辛さとは、このトレードオフの原則を身をもって知ることだと思うからです。

今日はワーママ特有の辛さについて。


ワーママの辛さはトレードオフしているものが、どちらも自分にとって大切だから

日々仕事か家庭か自分のことなのか、選択し続けるという辛さ

基本的には好きな仕事をし、子どもがほしいと思って運よく子供を授かり、自分の好きなことをしているはずなのに、なんだか辛い。
いつも疲れている。

これがワーママの日常なのかな、と思います。

もっとライトに働くことを選べる人はしっくりこないかもしれません。

上手く取捨選択したり、例えば『この時期は子育てに集中する、そして子供が巣立ってから起業する』みたいに思い切った決断ができる人は、悩まなくて済むのかも。

少なくとも私は大きな会社の中で(しかも製薬業界という特殊な業界で)、ニッチな仕事についていたこと、異動してすぐ妊娠したので仕事を覚える必要もあったこともあり、仕事をあきらめるか、頑張って続けるかという二択でした。
当時は自分も住宅ローンを払っていたし、頑張れば続けられると思っていたこともあります。やりたかった仕事だったことも、自分の中では大きかったです。

ただ、当事者になってみれば、いつもその時々に応じて何を優先するのか決断を迫られる生活というのはかなりのハードモードでした。

・仕事が忙しくて家庭が上手くいっているときは、仕事優先。
・家族が体調を崩したり、ケアが必要な時は、家族が優先。
・自分がへとへとになると家庭が回らなくなり、自分を優先。

当たり前ですが、、なかなか自分を一番に優先することはできない。

そんなわけで、いつも面白い仕事か、家族との時間か、自分の時間かをあきらめる必要があり、全取りするためには睡眠時間を削るか、外部リソースをフル活用するか、全部中途半端にやることを受け入れるかくらいしかできないかな、と思います。

多分、外部リソースのフル活用が一番平和だと思います。
お金はかかりますが、よしとしましょう。
が、そんなに日本全国恵まれているところばかりではないし、親の近くに住める人ばかりではないところがこれまた難しい。

たぶん一日が30時間くらいあれば、いける気がする

もし一日30時間使えるなら、毎日9時間寝て10時間働いて(そしてランチに1時間、通勤に2時間使って)、5時間くらい家族と過ごして3時間自分のために使えればけっこう幸せに日常を送れる気がします。

でも悲しいかな、時間だけは究極にみんなに平等に与えられているリソースで、24時間しかないわけです。
もう後は時間をどう上手く振り分けて、その瞬間にやることに集中できるかしかないのですが、あんまりうまくいきませんでした。

ずーっと効率と段取りを考えつつ、仕事でもプライベートでも頭をフル回転させ、情報収集のためにPCかスマホを見ていると、当たり前ですが脳疲労がたまります。

人間疲れすぎると選択機能が上手く働かず、効率化が破たんしてきます。
そしてイライラするという悪循環・・・

家族も仕事も自分の思い通りに行くわけがない。
そんなときに限って事件は起こるんですよね。。

仕事がのってくる30代、40代に子育てがかぶってくる辛さ

早く産んで、子どもの世話を人に任せて働くとか、先にキャリアを作ってから産むとか、よく聞きますが、そんなに人生うまくいかないし選べません。
ま、たまに、上手くいっている人を見て羨ましくなりますが。

私が働きだした20年前は、20代に子供を産んだ同期は産休・育休で休んだことを理由に降格させられていました。
真っ白しろのホワイト企業なのに、今では考えられない。

でも当時は割と普通にまかり通っていました。
降格まで行かなくても、評価が下がるとか昇進が遅れるのは当たり前。

私は妊娠・出産を除き仕事を休まず、一人目の妊娠出産を挟んで計5年ほど不妊治療をしていましたが、30代の妊活はけっこうな割合で不妊治療も入ってきます。
となると、仕事とそちらの両立もあり、全体的にハードモードに突入。

うまいこと仕事か家庭か選べればいいし、早く諦めがつくイベントがあればいいけれど、そんなにうまくはいかない。
そして当たり前ですが、子どもが生まれてからの方が大変です。

加えて30代、40代でがんばらないと、会社員としてのキャリアは基本的にはそのあとがない気がします。
ということで、中長期的にはキャリアについてのトレードオフも考えながら日々を乗り越えなくてはいけない。ロールモデルは個人的には不要だと思いますが、そのあたりもあってみんなざわざわするんだなと思います。

常に板挟みな状況にどう対処するか?

セルフコンパッション(自分への思いやり)という概念

いつも何かの板挟みになっているので、せめて自分には優しくしようと思って紹介してもらったのがセルフコンパッションという概念です。

でも、これも、疲れすぎてからじゃ遅いんです・・・
もっと早く、日常に取り入れないと。

マインドフルネスとか、ヨガとかいろいろやりつつ、今が永遠には続かないことをよく思い出すように心がけていた気がします。
とりあえず、自分を責めることをやめることで少しは楽になります。

ただ、そんなに長続きしなかったです。私の場合。
日本のお母さんはクオリティ高すぎです。世間の期待も高すぎ。

せっかく子どもとの時間を削っているんだから、仕事が面白くないとやってられない

先日後輩とランチしたとき、せっかくかわいい子供との時間を割いて仕事しているんだから、給料はともかく、仕事が面白くないとね…という話でひとしきり盛り上がりました。

この部分は正直なところ、人によると思います。

どうせやるなら自分が付加価値を付けられる仕事がしたい、面白い仕事がしたい!という考え方の私と後輩は、週3か週4でそういう仕事がないかな、そんなのなかなかないよねーという話をしていました。

近所のママさんたちは、フルタイムで働いていたけれど子育てを優先したくて(同じ会社で)無理を言ってパートにしてもらったという話を割と聞くので、そういう融通が利く会社で働いているとこういった不満は出にくいのかも。私の会社にそんな制度はなかったですが。

面白い仕事をするためには、面白くない仕事もする必要があるんです。
トレードオフですからね。会社員だしね。

でも、やっぱり自分が面白いと思える仕事をする、納得できる仕事を選ぶことだけが、板挟みの日常を乗り越えて働くことができる方法なんだろうなと思います。

終わりに・・・

私は思いがけず、会社の早期退職制度を利用して退職するという選択をしました。つらつら書いてしまいましたが、基本的には後悔はありません。

でも、これだけ書いてしまうということは、まだまだ未消化な部分が大きいのだと思います。。
先のことも決まっていないし。

「シンプルに考えて、自分時間に満たされた人生を生きる」とは、全部を思いどおりにして、「あれも、これも」をバランスよく手に入れるということではない。

むしろ、本当に大切にしたいこと”以外”はすべて手放し、自分の根本的な欲求に向き合うことなのだ。

「自分にとっていちばん大切なことは何か?」――それをシンプルに絞り込めた人こそが、自分の時間を手に入れているのである。

堀江貴文「"複雑に考えたがる人"は逃げている」 東洋経済オンラインより

まだまだホリエモンの心境にはたどり着きませんが、セカンドライフは自分にとっていちばん大切なことにフォーカスして生きていきたいと思います。

もう辞めちゃったしね。


参考記事:堀江貴文「"複雑に考えたがる人"は逃げている」シンプルに考えるには「能力」が必要だ 東洋経済オンライン

長々と書いてしまいましたが読んでくださって、ありがとうございます。

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