フェミ勉

フェミニズム文献をskype会議を通して読んでいく会。 通称 #フェミ勉 参加資格は①…

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フェミニズム文献をskype会議を通して読んでいく会。 通称 #フェミ勉 参加資格は①skypeで喋れる人②課題図書を最後まで読める人です。 主宰・柳ヶ瀬舞 主にTwitter(https://twitter.com/Fem_Ben01)で告知しています。

記事一覧

【修正と補足】『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』読書会

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。 10月15日20時からの『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』読書会のご案内をさせてください。以下…

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2年前
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大串尚代さんの『立ちどまらない少女たち――〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ』第6章「ぼんやりと考える」を読む会

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。 11月5日20時から行われる予定の、フェミ勉読書会「大串尚代さんの『立ちどまらない少女たち――〈少女…

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2年前
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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第5章〈普遍〉でなく〈正義〉を レジュメ

要約発話のアポーリア ・スピヴァックの1980年代の関心は、文学や文学研究の非政治性や非歴史性を否定し、そこに刻まれている「価値をめぐる問題」の表象権力を明らかにす…

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2年前
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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』第4章 アイデンティティの倫理――差異と平等の政治的パラドックスのなかで

要約言説権力と抵抗 ・ミシェル・フーコーは近代の「支配/服従」の権力機構において、権力は主体に対してはたらきかけるものではなく、主体をとおしてはたらきかけるもの…

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2年前
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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第3章 あなたを忘れない──性の制度の脱‐再生産 レ…

より読みやすいPDF版(以下のレジュメと同じ内容)のダウンロードはこちらから。 要約ペニスから乳房へ 精神分析においても、かつてはフェミニズムにおいても、母‐娘関…

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2年前
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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第2章 愛について──エロスの不可能性 レジュメ

論点など一部まだ準備中なので、のちほど更新するかもしれません。 より読みやすいPDF版(以下のレジュメと同じ内容)のダウンロードはこちらから。 要約生殖メタファーの…

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2年前
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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第1章 〔ヘテロ〕セクシズムの系譜──近代社会とセク…

より読みやすいPDF版(以下のレジュメと同じ内容)のダウンロードはこちらから。 要約なぜセクシュアリティなのか ■セクシュアリティは〔ヘテロ〕セクシズムを捏造・傍…

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2年前
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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 序「『愛』について『語る』ということ」レジュメ

わたしたちは集合的な物語(言語や法)に基づいて、個別の物語を語っている。 物語は「比喩」である。 個々の様々な生殖に結びつかない、行為や感情を、生殖を中心に比喩化=…

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2年前
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竹村和子さん『愛について』読書会への諸注意とご案内

いつもお世話になっております。フェミ勉主宰の柳ヶ瀬です。 3月19日20時から行われる竹村和子さんの『愛について』読書会の諸注意とご案内と序のレジュメをnoteにしたため…

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2年前
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「小川公代さんと一緒にウルフの『病気になるということ』を読む会」に向けての諸注意とご案内

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。 2月12日20時から行われる予定の、フェミ勉読書会「小川公代さんと一緒にウルフの『病気になるというこ…

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2年前
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読書会「差別が差別として認識されない国で生きてきて」に向けての諸注意とご案内

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。 10月2日20時から行われる予定の、フェミ勉読書会「差別が差別として認識されない国で生きてきて」に向…

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3年前
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読書会『サイボーグ・フェミニズム』に向けての諸注意とご案内

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。 今回は小谷真理さんを迎え、6月5日20:00から行われる予定のフェミ勉読書会『サイボーグ・フェミニズム…

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3年前
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『女が国家を裏切るとき』第Ⅲ部レジュメ

第7章 少女たちの絆 『花物語』の感傷の内実=<喪失>の痛み 必ず喪失されるもの、またいつかは喪いその後二度と回復できないものとして語られる。 『花物語』で描き…

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4年前
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柳ヶ瀬舞個人の、小野美由紀さんへのレスポンス

フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。今回は『ピュア』作者である小野美由紀さんからnoteで頂いたコメントのレスポンスをここで書かせていただきたいと思います。 この文章・意見…

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4年前
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『女が国家を裏切るとき』 第二部レジュメ

要約 第Ⅱ部 女が〈和歌〉を詠むとき――樋口一葉と日清戦争 第4章 〈女性作家〉と〈国民〉の交差するところ――一葉日記を読む 一葉日記にみられる新聞報道への言及に…

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4年前
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小野美由紀『ピュア』読書会(2020年6月13日20時より@フェミ勉)

6月13日に行われるフェミ勉の読書会を開催します。 より作品への理解を深めるために、事前に読書会をしたいと言いだした主宰含め3人に、簡単な論考を書いてもらいました。…

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4年前
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【修正と補足】『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』読書会

【修正と補足】『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』読書会

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。
10月15日20時からの『アイドルについて葛藤しながら考えてみた』読書会のご案内をさせてください。以下諸注意とご案内をnoteにしたためておきたいと思います。

諸注意今回はTwitterのスペースで開催させてもらいます。
できれば課題図書を読了済みが望ましいですが、強制ではありませんのでどうぞ皆さんの奮ってご参加くださいませ。

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大串尚代さんの『立ちどまらない少女たち――〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ』第6章「ぼんやりと考える」を読む会

大串尚代さんの『立ちどまらない少女たち――〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ』第6章「ぼんやりと考える」を読む会

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。

11月5日20時から行われる予定の、フェミ勉読書会「大串尚代さんの『立ちどまらない少女たち――〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ』第6章「ぼんやりと考える」を読む会」に向けての諸注意とご案内をnoteにしたためておきたいと思います。

諸注意今回は読書会をZOOMで行う予定です。ZOOMのアカウントを用意or作っておいてください。

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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第5章〈普遍〉でなく〈正義〉を レジュメ

『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第5章〈普遍〉でなく〈正義〉を レジュメ

要約発話のアポーリア

・スピヴァックの1980年代の関心は、文学や文学研究の非政治性や非歴史性を否定し、そこに刻まれている「価値をめぐる問題」の表象権力を明らかにすることに向かっていた。
・スピヴァックは70年代にデリダの『グラマトロジー』を英訳、序文を付して脱構築の旗手として目されていた。
・デリダの思想を使いつつ、脱構築にとって水と油のような正義の問題について格闘しようとしたのがスピヴァック

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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』第4章 アイデンティティの倫理――差異と平等の政治的パラドックスのなかで

『愛について アイデンティティと欲望の政治学』第4章 アイデンティティの倫理――差異と平等の政治的パラドックスのなかで

要約言説権力と抵抗

・ミシェル・フーコーは近代の「支配/服従」の権力機構において、権力は主体に対してはたらきかけるものではなく、主体をとおしてはたらきかけるものだと主張。
・チャールズ・テイラーは〈主体化=隷属化〉の閉鎖的な循環から離脱しつつ、一元的な価値によって抑圧されない、差異を包含する共同体を想定。
・カミングアウトを肯定的に捉えるテイラーの論。
個人や集団独自のアイデンティティ他のすべて

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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第3章 あなたを忘れない──性の制度の脱‐再生産 レジュメ

『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第3章 あなたを忘れない──性の制度の脱‐再生産 レジュメ

より読みやすいPDF版(以下のレジュメと同じ内容)のダウンロードはこちらから。

要約ペニスから乳房へ

精神分析においても、かつてはフェミニズムにおいても、母‐娘関係はずっと論じられてこず、近代家族の物語の消失点を成してきた

しかし/だからこそ、母‐娘関係は性の制度の再生産の現場になっており、その「脱‐再生産」のためにはぜひとも母‐娘関係の考察が必要である

メラニー・クラインの「対象関係理論

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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第2章 愛について──エロスの不可能性 レジュメ

『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第2章 愛について──エロスの不可能性 レジュメ

論点など一部まだ準備中なので、のちほど更新するかもしれません。
より読みやすいPDF版(以下のレジュメと同じ内容)のダウンロードはこちらから。

要約生殖メタファーの亡霊

■ 言語以前の欲望は、言語によって語ることができない

人間の欲望はつねに言語という≪他者≫の欲望によって置き換えられたものにすぎない

よって、言語によって置き換えられる以前の欲望は、言語によって語ることができない

■し

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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第1章 〔ヘテロ〕セクシズムの系譜──近代社会とセクシュアリティ レジュメ

『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 第1章 〔ヘテロ〕セクシズムの系譜──近代社会とセクシュアリティ レジュメ

より読みやすいPDF版(以下のレジュメと同じ内容)のダウンロードはこちらから。

要約なぜセクシュアリティなのか

■セクシュアリティは〔ヘテロ〕セクシズムを捏造・傍証するものである一方、それを再定義することが〔ヘテロ〕セクシズムの批判にもなる

ここで近代の性抑圧を〔ヘテロ〕セクシズムと呼ぶ理由は、①性差別*(セクシズム)と②異性愛主義(ヘテロセクシズム)が、近代の性抑圧を構成する両輪であるた

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『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 序「『愛』について『語る』ということ」レジュメ

『愛について アイデンティティと欲望の政治学』竹村和子著(岩波書店) 序「『愛』について『語る』ということ」レジュメ

わたしたちは集合的な物語(言語や法)に基づいて、個別の物語を語っている。
物語は「比喩」である。
個々の様々な生殖に結びつかない、行為や感情を、生殖を中心に比喩化=物語化したものが、女の性欲望/男の性欲望。その物語にのっとって、身体化させてしまう。
具体的な感情・行為≠規範的で本質的な事実(この二項はずれている)
自然なずれか。
ずれの境界を、時代・文化が恣意的に決定する。普遍的なものを普遍的とみ

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竹村和子さん『愛について』読書会への諸注意とご案内

竹村和子さん『愛について』読書会への諸注意とご案内

いつもお世話になっております。フェミ勉主宰の柳ヶ瀬です。
3月19日20時から行われる竹村和子さんの『愛について』読書会の諸注意とご案内と序のレジュメをnoteにしたためておきます。
参加者のみなさまは必ず目を通しておいてくださいますようお願いいたします。

諸注意今回はskypeでの開催となります。skypeをインストールして、アカウントを用意しておいてください。
19日の前日までに、skype

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「小川公代さんと一緒にウルフの『病気になるということ』を読む会」に向けての諸注意とご案内

「小川公代さんと一緒にウルフの『病気になるということ』を読む会」に向けての諸注意とご案内

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。

2月12日20時から行われる予定の、フェミ勉読書会「小川公代さんと一緒にウルフの『病気になるということ』を読む会」に向けての諸注意とご案内をnoteにしたためておきたいと思います。

諸注意今回は読書会をZOOMで行う予定です。ZOOMのアカウントを用意or作っておいてください。

➀課題図書は必ず読んでおくこと。

これは最低条件

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読書会「差別が差別として認識されない国で生きてきて」に向けての諸注意とご案内

読書会「差別が差別として認識されない国で生きてきて」に向けての諸注意とご案内

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。

10月2日20時から行われる予定の、フェミ勉読書会「差別が差別として認識されない国で生きてきて」に向けての諸注意とご案内をnoteにしたためておきたいと思います。

諸注意今回は読書会をZOOMで行う予定です。ZOOMのアカウントを用意or作っておいてください。

➀課題図書は必ず読んでおくこと。

これは最低条件です。読んでいない

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読書会『サイボーグ・フェミニズム』に向けての諸注意とご案内

読書会『サイボーグ・フェミニズム』に向けての諸注意とご案内

いつも大変お世話になっております、フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。

今回は小谷真理さんを迎え、6月5日20:00から行われる予定のフェミ勉読書会『サイボーグ・フェミニズム』に向けての諸注意とご案内をnoteにしたためておきたいと思います。

諸注意今回は読書会をZOOMで行う予定です。ZOOMのアカウントを用意or作っておいてください。

➀課題図書は必ず読んでおくこと。

これは最低条件です。読ん

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『女が国家を裏切るとき』第Ⅲ部レジュメ

『女が国家を裏切るとき』第Ⅲ部レジュメ

第7章 少女たちの絆

『花物語』の感傷の内実=<喪失>の痛み

必ず喪失されるもの、またいつかは喪いその後二度と回復できないものとして語られる。

『花物語』で描き続けられた少女の連帯、「レズビアン連続体」への夢想=〈花物語〉的なるもの。対義語「現実の黒い海」

友情は男性のもの? 『女の友情』

〈女の友情〉を阻むもの、潰えさせるものとしての結婚。

中心化されるのは夫婦の和睦であって、妻と外

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柳ヶ瀬舞個人の、小野美由紀さんへのレスポンス

柳ヶ瀬舞個人の、小野美由紀さんへのレスポンス

フェミ勉主宰の柳ヶ瀬舞です。今回は『ピュア』作者である小野美由紀さんからnoteで頂いたコメントのレスポンスをここで書かせていただきたいと思います。
この文章・意見は柳ヶ瀬舞個人に帰属するものであり、フェミ勉参加者の総意ではないことを予めご了承ください。
フェミ勉は私が主宰で、月一回論文の精読や小説の読書会をネット上で開催している場です。私は主宰と言っても、スケジューリングする程度で、課題の本や運

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『女が国家を裏切るとき』 第二部レジュメ

『女が国家を裏切るとき』 第二部レジュメ

要約

第Ⅱ部 女が〈和歌〉を詠むとき――樋口一葉と日清戦争

第4章 〈女性作家〉と〈国民〉の交差するところ――一葉日記を読む
一葉日記にみられる新聞報道への言及について、「国民」「市井の一員」「女子」という主体形成は、それぞれが別個に階梯的になされたと指摘されてきたが、実際にはモザイクのようにそれぞれが連関しあったところでなされている。
さらにその主体形成と〈文章〉がいかに関わるかという点にお

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小野美由紀『ピュア』読書会(2020年6月13日20時より@フェミ勉)

小野美由紀『ピュア』読書会(2020年6月13日20時より@フェミ勉)

6月13日に行われるフェミ勉の読書会を開催します。

より作品への理解を深めるために、事前に読書会をしたいと言いだした主宰含め3人に、簡単な論考を書いてもらいました。読書会参加者の皆さまには必ずお目を通して頂ければと思います。

※注意事項です※

読書会は1時間半から2時間程度。録音をし、後日主宰が文字起こしをします。飲酒は厳禁。skypeの音量を事前にチェックして頂けると助かります(連絡先から

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