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■『もう価格で闘わない』経営者は非価格で勝負することに挑み続けるべし



僕も経営者のはしくれとして常にそう考えていることが
タイトルだったので、即買いした一冊。

「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズの
元法政大学教授だった坂本光司先生とその教え子
の皆さんの共著でした。

「原価を無視したかのような、上から目線で値決めを
 求めて来る企業や、常識とかけ離れたような
 異常に低い単価で平然と発注してくるような企業とは、
 徐々にでも決別すべきなのです。
 そうした企業と取引を続けていても、未来はありません」

「他社にはない、価格以外の付加価値を
 セールスポイントにする経営」

「その企業でしかできない・やれない商品の開発力や、
 その企業でしか創造・提案できない価値あるサービス、
 顧客が賞賛する組織風土やブランド力であり、
 それらの根源である人財力やビジネスモデル構築力です」

書かれていることはしごくごもっともで、
読んだ経営者からは

「それが難しいから、価格で勝負するしかないんだよ」

という声が聞こえて来るようですが、
自戒も込め言い切りますが、それは言い訳です。

僕も経営者のはしくれとして思いますが、
経営者は非価格で勝負することに挑み続けなければいけません。

本の中では企業事例が沢山出てきますが、
実際に非価格経営の戦略ノウハウが知りたい人は
マーケティングや事業開発のノウハウ本を読んだほうが
よいかもしれません。

僕も営むFeelWorksの理念として
「人を大切に育て活かす社会創りへの貢献」を
掲げておりますが、
実は、坂本先生の企業の目的は「社員を幸せにすること」
というご主張に少し違和感を感じています。

僕は、お客様を通じて社会のお役に立つことが
企業の目的だと考えているからです。

こう話すと、顧客満足を第一義にすると
無理難題に応えざるを得なくなり、
酷い就労環境のブラック企業になってしまう
というご意見があるのは理解しています。

ただ、それは顧客満足の定義が
発注者が短期的に得をする
ということになっているからだと思います。

真の顧客満足は、もっと深いものです。

顧客から直接求められなくても、
つまり短期的には得しなくても、
中長期的に顧客のためになると信じれば、
積極的に提案し、お役に立つ行動をとることです。

ブラック就労を強いるようなことを求める企業は
徐々に社会から支持を得られなくなり、
中長期的に発展・成長できないはずです。

だから、発注者が短期的に得をする
=自社が存する取引を請けるということは、
実は真の顧客満足につながらないのです。

また、実際に日本でいちばん大切にしたい会社に選ばれた
企業幹部にお聞きしたのですが、社員の幸せのみを
追求する負の側面もあるようです。

社員が自分たちを幸せにすることが
会社の目的だと理解することで、
厳しい仕事を避け、待遇改善を当然のこととして
会社に要求するというようなおかしな事態も
生まれかねないからです。

経営が社員を大切にするのことはよいのですが、
社員がそれを拡大解釈して、社業の目的が
自分自身を幸せにすることと捉え始めたら、
顧客軽視につながり、
徐々に社会からも求められない会社になるやもしれません。


すべては、日本の上司を元気にするために。

※備忘録は
前川孝雄のはたらく論
https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-12697717207.html

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