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■『元知能犯担当刑事が教える ウソや隠し事を暴く全技術』  言語情報は信用せず非言語情報と証拠を活用


元刑事で、「ウソを暴く技術」を「刑事力」と定義し、
全国で講演に引っ張りだこの森透匡さん。

がっちりした体でスリーピーススーツを着られていると
「太陽にほえろ」や「Gメン」に出てきそうな、
まさに刑事という感じ(^^)。

ご本人いわく、そうした刑事ドラマに憧れて
千葉県警に入職し、
警察官、刑事になったそうです。

ただ、一緒に呑むととてもフランクで楽しい方。
同い年なので世代感覚も同じでもあり。

ご本人も仰っていますが、
基本的に警察官、つまり公務員なので
独立して講師をする人などおらず、
自分は珍しいタイプだとのこと。

さて。

本の内容ですが、とても面白かったです。
コミュニケーションの本質は同じだなぁ、とも感じました。

先週日曜日に、本の内容に沿った
出版記念セミナー@zoomにも参加させてもらったのですが、
とても説得力ある内容で感じ入りました。

印象に残ったのは、
被疑者相手であっても、信頼関係をいかにつくり、
相手の立場にたって聞きだすことが大切だということ。

また、メラビアンの法則に代表されますが、
基本的には言語情報はあまり役に立たず、
非言語情報と証拠、またこれらを活用しながら
相手の懐に飛び込むことがカギだと学べました。

何より、社員や家族など
身近で大切な人たちにこうした技術を
使わないといけないような状況を創り出さない
日頃からの信頼関係構築、愛他主義が最も重要だと
再認識できました。


お勧めの一冊です。

森さん、ありがとう!

すべては、日本の上司を元気にするために。


学び備忘録↓
「前川孝雄のはたらく論」
https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-12600822174.html

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・「証拠」こそが、真実を語らせる最強のツール

・趣旨否認

・詐欺事件の立件には、犯行の理由となった

 動機、そして金の使途先を明らかにする必要があります

・否認する相手には否認する理由が必ずある

・経営者は「会社を守るため」という大義名分から否認するケースが多々

 「会社を潰すわけにはいかない」という思いが一番の原因

・「実際に検挙された会社が今どうなっているか」

 「その社長が、どうやって窮地を乗り越え立て直したか」

・自供の妨げになっている不安を取り除きたかった

・怒鳴り散らして相手を威嚇して取り調べをする刑事もいましたし、

 子供を諭すように静かに寄り添う刑事もいました。

 また、理詰めで矛盾点を徹底的に追及していく刑事もいました。

 しかし、どれも一長一短

・警察庁 2009(平成21)年4月

 「被疑者取調べ適正化のための監督に関する規則」施行

・『自己開示の心理学的研究』(榎本博明)

 ➀新たな洞察を得るための自己開示

 ②心の中に充満した情動を解放するための自己開示

 ③孤独感から救われるための自己開示

 ➃相手に自分を理解してもらうための自己開示

 ➄自分の中の不安を消し去るための自己開示

・「焚き火コミュニケーション研修」

・「横並びの効果」

・人数が多ければ多いほど質問を躊躇する

・周囲に誰もいない状況で聞いたほうがいい

・話しやすいことから徐々に核心に迫っていく

・不正は

 「動機」「機会」「理由づけ」の三拍子がそろって、はじめて成立し、

 不祥事に発展します

・「自己開示の返報性」

・「非言語コミュニケーション」(マジョリー・F・ヴァーガス)

➀人体

 ②動作

 ③目

 ➃周辺言語

 ➄沈黙

 ➅身体接触

 ⑦対人的空間

 ⑧時間

 ➈色彩

・「マンウォッチング」(デズモンド・モリス 動物学者)

  信頼できる順序

 ➀自律神経信号

 ②下肢信号

 ③体幹信号(姿勢)

 ➃見分けにくい手振り(微妙な手の動き)

 ➄見分けやすい手振り(意図的な手の動き)

 ➅表情

 ⑦言語 

・人間は言語を操ってウソをつきますので、

 基本的に言語は信用できない

・話したくなるのは信用できる人

・アルバート・メラビアン

 視覚情報(Visual):顔立ち、服装、髪型など=55%

 聴覚情報(Vocal):話し方、声など=38%

 言語情報(Verval):話している内容など=7%

・話し方に現れるウソのサイン 

 (1)質問に答えることができない

 (2)質問を繰り返す

 (3)質問する理由を質問で返して様子を伺う

 (4)簡単な質問が理解できない

 (5)辻褄の合わない話をする

 (6)間髪入れずに答える

 (7)答えにならない発言をする

 (8)余計な説明が多い

 (9)返答を渋ったり、拒絶したりする

 (10)明確に否定しない

 (11)隠したい情報を省略して、あいまいな言葉を使う : 基本的には おそらく

 (12)自分の印象を良くしようとする

 (13)急に褒めてきたり、礼儀正しくなったりする

 (14)問題を軽く扱う

 (15)以前の発言や行為を持ち出す

 (16)逆ギレする

 (17)質問の手順や方法に文句を言う

 (18)神様や信用できる人の話を持ち出す

 (19)真実の話で説得する :私がするわけない

・しぐさに現れる10種類のウソのサイン

 (1)自律神経信号が現れる

 (2)まばたきが多くなる

 (3)反応しない、反応が遅い

 (4)目をつぶる、隠す

 (5)顔に手をやる

 (6)唾を飲む、咳払いをする

 (7)肩が揺れる

 (8)物体と身体の支点が動く

 (9)身振り・手振りがなくなる 

 (10)整理整頓のしぐさをする ネクタイを締め直す メガネをかけ直すetc.

・政治家や経営者は、普通の人と違う意識を持っているので

 ウソを堂々とつくことも多く

 「組織を守るため」「社員を守るため」というように正当化されると、

 良心の呵責がないから

・古くからの友人をイメージして接する

・初めから焦点を絞りすぎると、全体像がはっきりしないで

 終る可能性

・最初から焦点を絞ってしまうと、その事実しか話さなくなってしまいます。

 悪事を働く者には、ほとんどの場合、余罪があります

・低い声の人のほうが高い声の人よりも社会的な影響力が強い

・怒りというのは相手に対して敵対心を煽るだけでなく、

 さらに心を閉じさせてしまうので、

 相手は素直に話そうという気持ちになりにくい

・責任を逃がすようにすると、話しやすくなります

 社会やシステムの責任にする

・商品の横流しは倉庫の在庫管理がしっかりしていれば起こりませんし、

 経理担当者の横領も経理業務を長年、一人の社員に

 任せっきりにしていた社長の責任でもあるのです

・暗い未来のことを言ってはいけません。

 それは、被疑者が未来をイメージしてしまうと、

 真実を言いたくなくなるから

・「それは、あなたが話してくれないとわからないでしょう。

 だから、聞かせてもらえないかな。悪いようにならないように

 私も努力するから」

・取調べにおいて頼れるものがなく、

 頼れる人もなく、たった一人で戦っているのが犯人(被疑者)

・実質証拠

 →直接証拠と間接証拠(状況証拠、情況証拠)

・物的証拠と人的証拠

・確実な証拠が掴める日を特定して行動調査

 あえて自宅を不在にする日をつくる

・一般的に素人の方は見つけた証拠をすぐに相手に突きつける・・・

 相手に証拠を示してしまいます。

 実は、これは絶対にやってはいけないことなのです

・相手が最初に認めたいものは「最も罪の軽い事実」

・「証拠の後出しジャンケン」

・デジタルフォレンジック業者

・基本的には、証拠はあえて示さずに

 「全部知っているよ」などと自信を持った雰囲気で大きく構えて、

 対象者に言わせるのがベストです。

 安易に証拠を示すと、こちらの手の内を明かすことになり、

 ヒアリング対象者は言っていいことと悪いことの取捨選択を

 しやすくなってしまうのです

・「被害届」と「告訴状」

 被害届は、本人に必要事項を書いてもらったり、

 警察官が代書したりする場合もありますが、

 告訴状の場合、弁護士に相談しつつ、

 告訴状を作成してもらうケースが多い

 ・・・

 告訴状は、被害届と法的性質が異なり、捜査を遂げた結果、 

 必ず検察庁に送付しなければならない、法律上の縛り

 慎重に受理せざるを得ない

・警察としては基本的に逮捕後、最長20日間の拘留機関の中で

 起訴しなければいけません

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