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立花隆(2022)『いつか必ず死ぬのになぜ君はいきるのか』SB新書

自分なりの生きる意味を問うための材料を与えてくれる書

この本とは、わたしが抗癌剤治療で2週間の入院をする前に出会いました。昨年秋に肺腺癌の宣告を受け、昨年暮れには右肺上葉切除手術、その後、切除した肺の病理検査でリンパ節に浸潤が確認され、以来抗癌剤治療中です。もう何度となく自分の病を呪い、生死に向き合ってきました。そんな中でこの本に出会いました。

立花さんも若い時から死に関する興味を抱き、哲学に傾倒していったことが理解できました。また大変な読書家でもありますが、ジャーナリズムと同様に深く探求していたことが、本書で引用されている沢山の文章から理解することが出来ます。

立花さんの本も、随分昔に読んだきりになっていましたが、わたしも死については随分自分でも向き合った方なので、本書を読み進めるほど以前よりもダイレクトに言葉の重さを感じ取れたように思います。

人間しぶとく病気を患いながらも生きるほうが幸せなのか、スパッと人生断たれた方が幸せなのか、本当に哲学の世界を、今も彷徨ってる自分には、さらに深く死を考えるに必要な本だったと思います。生死にかかわる哲学は永遠の課題なのかも…

そして、「いつか必ず死ぬのになぜ君はいきるのか」という本題ですが、「必ず死ぬからこそ、今を生きるのだ」というのがわたしなりの答えですが、5年生存率30%を切る自分は、まだまだ立花さんの博学には追いついていないので、これからも哲学にのめり込もうと思った次第。

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