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【組織と個の調和】カタールW杯 グループB 第1節 イングランド×イラン

さぁカタール大会W杯2日目の始まり。昨日行われた開幕戦はエクアドルが開催国を内容結果ともに圧倒した。

大会2日目、優勝国のイングランドの登場。戦力はプレミアリーグのスター選手がスタメン、ベンチ含めて盛りだくさん。

申し分ない手札を有するチームがどんなフットボールを見せてくれたのか?

対するイランは戦力では圧倒的な差がある中、どんなプランニングを示したのか?

それではゲームを振り返っていきましょう!

▪️5バックには6人で攻め込む

キックオフからあっという間にこの試合の構図が出来上がった。イランは5-4-1の自陣ブロックで守備に重きを置きながら、イングランドがボールを握り攻める構図となった。

両チームのスタメン

イランの5-4-1に対し、イングランドは立ち位置に微調整を加えながらゆっくり着実にゴールへ迫っていった。

試合序盤イランの出方を伺うようにイングランドは選手が出入りしながら、後方の組み立てをしていった。

そして前半5分まずはメイソン・マウントがビルドアップの出口を早速見つける。

左のハーフスペースにマウントが立ち後方からボールを引き出しフィニッシュ局面へ移行していったイングランド。

イランの5-4-1ブロック。後方5バックの手前で。中盤4枚のギャップの背後の僅かに生まれるスポットにマウントがボールを受ける。

そのスポットを見つけるマウントの戦術眼と狭いスペースでターンできる技術の高さで、早々にビルドアップの出口を見つけたイングランド。

ビルドアップが完結すれば次はフィニッシュ局面へ。

前半中盤イングランドの全体の立ち位置の微調整が終わった。

後方は2CB+右SBトリッピアーで3枚に。その前にライスが立ち後方3-1の陣形でビルドアップを組み立てる。

左SBのルーク・ショーは高い位置に上がり左の幅を担う。彼が高い位置に上がることで前述した、左ハーフスペースに立つマウントがよりフリーになる効果も担った。また左WGのスターリングは中へ押し出され中の厚みも加えていった。

右の幅はサカが。トップにはケインが。そして試合序盤ビルドアップを組み立てるように後ろでボールに関与していたベリンガムも高い位置あがり、イランの5バックに6人の選手が攻め込む陣形を整えたイングランド。

▪️ビルドアップの逃げ道ケイン

イランの5-4-1を崩す陣形が整ったイングランが、先制ゴールを皮切りに怒涛のゴールラッシュを見せた。

6人の選手を配置して崩し切った見事な先制ゴール。

今度はサウスゲート・イングランドの十八番であるセットプレーから2点目を奪う。

そして勝負を決定づける3点目があっという間に入ってしまう。その起点になったのがハリー・ケインのポストプレーだ📮。

イランがイングランドのボールに出ていきプレッシャーをかける。

GKピックフォードまでボールを下げさせることに成功し長いボールを蹴らせることに成功したイラン。しかしこのイングランドが捨てたような長いボールをケインが抜群のポストワークでイランにボールを渡さない。

むしろチャンスにしてしまうハリー・ケイン。

前からプレスに出たことでイランの後方は手薄に。ケインのポストワークを起点にイングランドが一気にゴール前に雪崩れ込み、最後はポストで起点になったケインが今度はクロッサーとして、スターリングのゴールをお膳立てし試合を決定づける3点目を奪った。

後半イングランドが奪った5点目も同じような形から。ケインがGKのクリアボールを涼しい顔で収めて前向きに。最後は投入されたラッシュフォードのゴールをお膳立てする優しいパスを送り込み5点目を奪った。

▪️組織と個の調和を見せたイングランド

1点目のシーンのように組織的な崩しに加えて、ケインのポストワークを起点にしたような個の力も見せたイングランド。

非常に組織と個人の力が調和された戦いぶりだった。

今までのサウスゲート・イングランドはどうしても個人に偏るプレーが多かったように感じる。

しかしこのW杯初戦ではより組織的なボール運び.崩しが見られ、チームの上積みを感じさせられた。

当然のように途中から投入される選手たちの力もずば抜けいる。この試合でも途中投入されたラッシュフォード、グリーリッシュはゴールを奪った見せた。

コンディションがまだ上がり切っていない選手も試合を重ねる事に戻ってくれば、更にイングランドは楽しみな戦いを見せてくれそう期待感が膨らむゲームとなった。

イランは前半失った3点を取り返すべく後半はより前に出ていった。後方に3人を残しながら、残りの選手たちはより前へ出ていった。しかし前に出れば当然背後のスペースが生まれる。

イランは前半よりもイングランドのビルドアップを引っ掛けるシーンもあり後半2点を奪えた。しかしイングランドも慌てることなく、移り変わる戦況をしっかり把握しながら後半も3得点を重ねて確実の勝点3を持ち帰った。

まだグループリーグは残り2試合あるイラン。この6失点からのショックをどう受け止め、どんな戦いを見せてくれるのかに期待したい所だ。リバウンドメンタリティが発揮されることを楽しみにしている。

カタールW杯 グループB 第1節
イングランド 6-2 イラン


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