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【問題はボール非保持にもあった】カタールW杯 グループE 第2節 日本×コスタリカ|マッチレビュー

悔しい思いや、言いたいことはあるかもしれません。しかし日本が成長する為に突きつけられた壁!と思い、この結果に向き合っていこうではありませんか!

なぜコスタリカにしてやられたのか?試合を振り返っていきましょう!

▪️分厚いコスタリカの壁

ドイツ戦で勝った勢いそのままに!と言う雰囲気で日本はキックオフからコスタリカのゴールへ迫っていった。

しかしそんな日本の勢いはゲームが進むにつれて薄れていってしまった。

攻守でコスタリカの戦術に手を焼いた日本。彼らの思惑通り、日本は体力だけ削がれ、何もなかったかのように前半、ゲームをクローズされたのだ。

まずは日本の攻撃(ボール保持)の局面に対してコスタリカがどんな守備(ボール非保持)でどんなプランで戦ったのかを見ていこう。

◎日本の攻撃vsコスタリカのブロック

コスタリカはグループリーグ第1節でスペインと対戦したが0-7の大敗を喫した。ゲームの入りを4-4-2で入ったコスタリカだったが、4バックではスペインの攻撃は守れずに、見るも無残な結果となってしまった…

そんなことも踏まえてかコスタリカは守備(ボール非保持)の時にはDFラインに5人の選手を並べて、5-2-3の陣形を自陣に構え、日本の攻撃を待ち構えた。

守備ラインを低く設定した上に、5人の選手がDFラインに並ぶことで、日本の特徴であるサイド攻撃が抑えられるシーンも多くなった。

それに加えて世界的な名手、GKケイラー・ナバスが最後の砦となり、コスタリカの築いた壁は非常に分厚く日本が決定機を作ることがなかなか出来なかった。

日本が突きつけられた問題が攻撃局面だけだったらまだしも、コスタリカのボール保持局面でも日本は前半非常に手を焼くこととなった。

▪️守備でも手を焼いた日本

コスタリカはボールを日本から取り上げると、すぐさま攻め込み日本の背後へカウンター!と言う振る舞いは前半のうちは決して見せなかった。

コスタリカは自陣でしっかりボールを動かして、ボール保持率を少しづつ高めていった。

前半終わったボール保持率の割合は上記の通り。前半の半分以上はコスタリカがボールを握った数字だ。

日本のプレスはなぜハマらなかったのか?そこには2つの要因があった。

1.配置の噛み合わせ

日本はいつものように4-2-3-1のベース陣形から、4-4-2にへ可変してコスタリカのボールへ出ていった。

コスタリカはボールを保持すると、5バックに両ワイド(WB)が高い位置にあがり、後方を3バックにした。

後方でボールを大事に動かすコスタリカに対して、日本のファーストプレスは数的不利な状態でプレスに出ることに(日本2トップvsコスタリカ3バック)。

日本は前線(ファーストプレス)が数的不利といっても、中盤とSBも連動してコスタリカのボールへ圧力をかけに行く。どちらかのサイドに守備の方向が定まると攻撃のスイッチを入れてコスタリカのボールへ出ていった日本。

しかしここでコスタリカのGKナバスの登場。コスタリカの3バックがGKナバスへバックパスをして、逆サイドへ展開されて、方向づけられたプレスがリセットされるシーンも。

またこの他にもコスタリカの後方でのボール回しは結構準備がなされていた。

GKナバスが3バックの真ん中に入り、3バック中央のワトソンが列を上げてGKを加えた菱形を形成して、日本の2トップのプレスを空転させるシーンも。

もう一つはコスタリカの中盤の選手がサイドに斜めに落ちる動きを見せてDFラインを4人に。後方を4-1の陣形でボールを動くシーンもあった。

このように日本の4-4-2プレスが噛み合わないように、コスタリカは陣形を動かして優位性を作り出すことでボール保持率を高めていった。

2.ボールを保持することが目的だった

GKナバスを加えたり、中盤の選手を最終ラインに落としたりして日本のプレスに噛み合わないように工夫を見せたコスタリカ。

さらにコスタリカはここにもう一つのアクセントを加えた。それが前線の12番キャンベルを前線から落して、後方のボール回しに参加させたことだった。

かつてアーセナルやビジャレアルと言ったクラブでのプレー経験を持つレフティーがさらにコスタリカのボール保持率を高めていった。

確かに前線の選手が下がってボールに関与すれば、フリーマンとなりボール保持率は上がってくるかもしれない。しかし前線の選手が落ちたことで前線の選択や厚みはなくなり、ゴールへの匂いは薄れていく。

案の定前半、コスタリカが後ろでいくらボールを動かしても、前線に選手がいない!日本としてはゴールを奪われる危険性が薄く怖くないな!と日本のサッカーファンの多くは感じたはず。

しかし彼らの目的はゴールを奪う為のビルドアップ!ではなく、ボール保持率を高める為のボール保持!と言う見方をしてみたらどうだろうか?

前半コスタリカはカウンターを打てそうなシーンがあっても、スピードを上げずにバックパス、横パスを加えてボールを奪われないことを第一優先にしたプレーも多かった。

ボール保持する時間を出来るだけ長く保つことで、日本の攻撃機会を奪う。そして守りの体力ゲージを保つ。それがコスタリカがボールを保持する理由だったのかなと。

ゴールを奪うのが目的のボール保持なのか。
ボール保持率をただ単に高めるボール保持なのか。目的が違えば、どうゲームを運び、どんな戦術を採用するのかは当然変わってくる。

コスタリカの目的がゴールをより目指すボール保持だったら、日本のプレスはもっとハマったかもしれない。

こんなコスタリカの思考が、ゲームプランが日本のボール非保持の振る舞いを迷わせ、ペースを乱されてしまったのかもしれない。

◾️日本の修正

攻守でコスタリカに手を焼いていた日本代表は、前半35分ごろから一つの修正を加える。

◎ボール保持での修正

後方を4バックから、左SB長友をやや内側に入れて、右SBの山根を高い位置に上げて、ボール保持時の陣形を3-4-2-1の様な配置に変更。

とにかく後方は3人でボールを動かし、ビルドアップの出口を探していった。

そしてコスタリカの5-2-3ブロックに対してビルドアップの出口を少しづつ見つけていった。

後方3人でボールを動かし、中盤の選手を加えてボールを動かし、コスタリカの中盤と前線の選手を中央に集める。

そして集まったところに、中央からややサイド(ハーフスペース)で鎌田が縦パスを受けて、コスタリカのファーストプレスを超えて、5バックへ仕掛けられるシーンが増えていった。

左のハーフスペースでは鎌田が。右のハーフスペースでは遠藤が列を上げて、日本のビルドアップの出口となり、少しづつコスタリカの強固な壁に亀裂を入れていった。

◎ボール非保持での修正

日本はボール非保持でも配置の調整を加えてたことで、コスタリカの可変するビルドアップにより圧力をかけられるようになった。

4-4-2でかけていたプレッシングを、後方を5バックにして中盤2枚。そして前線3人を配置して5-2-3の陣形で、コスタリカの3バックに噛み合う形でプレスにでた。

得点は奪えなかったが、僅かな光を見つけた日本。後半選手を入れ替えてより攻勢に出た日本。果たしてコスタリカの鉄壁を崩しきることはできたのか?

◾️してやられた日本

後半攻撃的な選手をどんどん投入した日本。しかし最後までコスタリカの5-2-3ブロックを崩すことは出来なかった。

日本がより圧力をかけたことでコスタリカの布陣はより守備的な5-4-1の陣形となった。日本がゴールへ奪うためのスペースがより消されていった。

日本の切り札三笘が再三サイドを切り裂いた。しかし最後に立ちはだかったGKケイラー・ナバスによってゴールを最後まで奪えなかった日本。

そして後半35分日本にとってはまさか。コスタリカにとっては待望の瞬間が訪れた。

おわり

試合はコスタリカが思惑通りのゲーム運びで1-0と勝利を持ち帰った。最後の方はさっぱりとした試合の振り返りとなってしまったが、後半の話や、日本の攻撃面の話は色んなメディアが取り上げているので、是非そちらをご覧になって下さい(探せばすぐに出てくると思います!)!

そんなことを踏まえて私はコスタリカのビルドアップはよく整備されていたよね!反対に日本の問題は攻撃だけでなく、守備にもあったんじゃないのかな?という視点でマッチレビューを書いてみました。

日本の失点シーンも、巻き戻すとコスタリカに見事に崩されて前進されたのがきっかけ。より攻守でスキのない日本で次節の大決戦に挑んでいただきたいですね!

それではW杯という夢舞台で。強国スペイン代表と本気のぶつかり合いができる幸せをもちつつ、本気で我らが日本が勝利し、ラウンド16へ進出することを応援しようではありませんか!頑張れ日本!もう一度世界を驚かしてやりましょう!

カタールW杯 グループE 第2節
日本 0-1 コスタリカ


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