終わらない夏と詩
空に放たれた小さな火炎の粒たちが舞い彩る。
それを見上げる私といつもより距離を取る隣の君。
どうしても、これで終わってしまうの?
悩んでも、悩んでも、最適解は見つからない。
肌にまとわりつく空気が心をさらに狂わせた。
周りの笑顔に抉られる、私。
楽しいはずだった。だけど今はもうどうでもいい。
飲み込むしかないこのさよならを
どうにか自分なりに解読して
この先を生きていくしかないから。
火遊びはここまで。
何度も何度も上って華やぐ火の粒は
一瞬の煌めきであとは闇に消えるだけ。
終わらないで…
想い虚しく、空は闇に包まれる。
ひとつ、ふたつと溢れる涙。
現実には消えてしまう時間を
心の記憶に閉じ込めて永遠とする行為は
何度繰り返しても慣れない。
この夏は永遠となって、消える。
時をかけるノートにこの夏の全てを記し、
また繰り返していく。
123ページ、君との夏。
あと何度繰り返せば
終わりに終止符を打つことができるのだろう。
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