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祗燈 柃夜
2023年11月9日 00:19
そこは小さな本屋だった。森の奥に佇む隠れ家のようにひっそりと存在していて、辺り一面はとても静か。人通りも少なく、物好きの入る店。私はそこにいる彼に一目惚れした。白くほっそりした手サラサラと風でなびく長い前髪少し猫背気味な背中スラっと伸びる脚存在が透明。彼はこの世に存在しているのか。そんなことを疑ってしまうくらい、彼は透明。風が吹けば消えてしまいそう。守らなきゃ。