2024年に読んで良かった本3冊
131冊。
今年、読書熱が再熱してから読んだ本の数だ。
(漫画11冊を含む)
我ながらよく読んだなあと思う。
量としても人生で1番読んだし、ジャンルも幅広く読んだ(つもり)。
今回はひとつ区切りとして、2024年に読んだ本で、良かった本を3冊紹介したいと思う。
阿部智里『烏に単は似合わない』(八咫烏シリーズ)
初っ端から自分語りで恐縮だが、私の読書歴にはファンタジーが欠かせない。
小学生、読書を始めるきっかけになった『ハリー・ポッター』、今でも人生の指標としている『彩雲国物語』、『十二国記』、大学生になって面白い読書ってなんだっけって思っていたところに出会った『銀河英雄伝説』、そして今年、読書離れしていた私を引き戻してくれた本書。
なぜファンタジーが好きか。
子供の頃は現実逃避に読んでいたところもあると思う。
でもファンタジーがただの夢物語だったら、現実を生きている私たちは読まないのではないか?
理想の世界で生きているように見える彼ら彼女らも、同じように人間関係で悩み、仕事に悩んでいる。
本の中の世界から離れ現実に戻ったとき、よし、自分もこの場所で頑張ろうと強く思えるのがファンタジーの好きなところだ。
ちなみに本書はだいぶダークファンタジー寄りで、最新刊まで追いついた時には「こんな結末を迎えるつもりで読んだんじゃない!」と頭を抱えた。いや比喩じゃなくてほんとに。
頼むから頑張って生きている雪哉や長束に救いがある終わりであってほしいと願っている。
三宅香帆『なぜ働いていると本を読めなくなるのか』
読書熱に拍車をかけた1冊。
本書を読んでいて最も面白く感じたのは、話の進め方である。
タイトルを見た時に「睡眠時間の減少とか数値的なデータを示して進めていくのかな」と予想した。
しかし実際は予想とは大きく異なり、時代を縦軸に、階級を横軸に敷き(上流階級→ホワイトカラー、労働者階級→ブルーカラー)、交わる交点にその時代の労働者に読まれていた本を置くことで、日本人と読書の関係を紐解いていく話の進め方だった。
え、人文科学の分野ってこういう話の進め方できるのと新鮮に驚いたし、最後は著者なりの提言で締められているのもプラスで良い。
データ示して終わりとかありきたりな提言で終わりだと最後の締めが弱くて物足りなくなってしまうのよね。
本書で著者・三宅香帆さんのファンになり、131冊のうち8冊が三宅香帆さんの著作だ。
Podcast『こんな本、どうですか?』を聴き、Youtube観て、WEB雑誌の寄稿を読む。
すっかり推しである。
いつかサイン本を買いたいと、密かに目論んでいる。
くどうれいん『日記の練習』
日記を書く人ってどのくらいいるのだろう?
私は最近になって(ほぼ)毎日書くようになった。
大学生くらいから記録を残すためにちょこちょこは書いていたけど。
毎日書くようになって気づいたのが、私の日記には「〜と思った。」という表現が多いこと。
なんなら「〜と思って、〜と思ったから、〜だと思った。」くらい重なって、自分しか読まない日記にうんざりする。
くどうれいん『日記の練習』にも、「〜と思った。」という表現は出てくる。
でも私だったら、「〜と思った。」と使ってしまいそうな箇所が、別の言葉に置き換わっていたりする。別の動詞だったり、表現だったり。
なんて言葉の使い方が上手なんだろうと感動して、普段本に書き込みはしない私が、あちこちに《取り返しのつくペン》で印を付けた。
今も「〜と思った。」は最頻出単語だけど、心と時間に余裕がある時はなるべく他の言葉を見つけるようにしている。
本当は紹介したい本がもっとたくさんあるのだけど、まだまだ年末に向けて読みたい本も残っているので、小説1冊、新書1冊、エッセイ1冊からの紹介に留めた。
来年もたくさんの本との出会いがありますように!