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トロントでの就職活動③

販売員ポジションは、私が東京で販売員をやっていたころから好きだったブランドでの仕事。
バーチャルでのインタビューがまず行われた。
その時インタビューをしてくれた人が店長だとも知らず、とにかく今回もすがる思いでインタビューを受けた。

他のインタビューに比べて、
私の話を親身に、穏やかな表情で聞いてくれた。
ここで働けたらな、と思わせてくれるようなインタビューだった。

30分ほど話して、最後に何か質問はないか?と聞かれたので(すべてのインタビューの最後に聞かれるやつ)
私は「この会社で働くのに一番大切なことはなにか」を聞いてみた。

が、めっちゃ話してくれたのに英語が早すぎて聞き取れない(笑)
もったいないなあ~こんなに話してくれてるのに、、
と思いつつも笑顔と相槌でごまかす(笑)

2~3日でまた連絡が来て、奇跡的に次の段階に進めることに!
今度は直接お店に行ってそこで面接をするとのこと。
コンシェルジュの面接と同時進行で挑むことになった。


一方で、先日トライアルをしたブリューワリーからのシフトの連絡は一向に来ていなかった。
え、待って、、トライアルはタダ働きってこと?
雇ってくれるって言ったのに~~!!これがカナダのやり方か?!
また振り出しか、、、無駄に期待してはいけない。。
とか思いつつも、、とりあえず今は掴みかけている2つの面接に集中することに。


まずはコンシェルジュポジションの面接から!
依然同様オンラインでの面接ではあったが、今回はその部門のマネージャーと面接。
今までとは違い、「あなたという人がどういう人なのか知りたい」と言われた。
普段何をしたり、どんな時楽しかったり、友達とどんなことをするのが好きだったり、私の性格についてだったり。
要は私という人間がどんなやつで、どういうマインドセットなのか知りたいという感じだった。
ChatGPTで用意した回答では答えられない、私の本質に迫るような質問だった。
さすが大手ホテルのコンシェルジュマネージャーだな、、と感心しつつも、
正直準備不足でどの答え方もしどろもどろになってしまった。
どう答えてほしいかを考えながら回答してしまうと、本当の自分の人間っぽくて良い部分を説明することができなかったり。
難しかった。

面接全体を振り返っても、手応えを感じる内容ではなかった。


反省する暇もなく、次の販売員の面接に。
実際に営業しているお店に入っていくのがまた緊張するではないか、、

お店に到着し、面接に来たことを話すと、
奥のストックルームに通されて、小さなスペースで面接が始まった。
前回オンラインで話したマネージャーと、もう一人アシスタントマネージャーと3人での面接。
1対2だったし、対面というのもあり、緊張もピーク、、
冬だったから厚着していったら室内が思ったより暑くて、汗ダラダラになりながら話した。(ジャケットを脱げばよかった。。)

終始和やかな雰囲気で進み、マネージャーと面接した時と同様、二人ともフレンドリーに話を聞いてくれた。
ただ、狭いスペースっていうのもあって心の中では常に
「わ~めっちゃ目見られてる~~~」と思いながら質問に答えていた(笑)

面接がひと段落して、私もほっとしかけたとき、
マネージャーがじゃあロールプレイングしてみよう!と言い出した。

!!!???
マジかよ??!!!!ロールプレイングなんて何年振りだよ!!!!!
しかも英語で?!!!無理すぎる!!!
練習しとけばよかったああああーーーー!!!!!泣
と心の中で思いながらも、
「Sure!!」とか言って余裕なそぶり。(多分半分苦笑い)

面接官二人それぞれに対してロールプレイングが始まった。
それぞれウィメンズとメンズという設定。そして最後に要望に応じてコーディネートを組んでみてとのこと。

え、待って、、フロアにどんな服があるのかもまだ見切れてないし、どこに何があるかもわからんし、どうせーっちゅうんや!!!!
しかも普通にお客さんや他の販売員もいる中でやるという、、!!!
もうここまで来たら、、女優になりきるしかない、、、!!!!

もうパニック状態だった。
この10年で磨いたカスタマーサービススキルをとにかく出し切るしかなかった。
笑顔、フレンドリー、、できることは本当にそれだけ、、(笑)

15分くらいでロールプレーイング終了。
面接官二人の反応からは私がうまくできたのかどうかの判断はできなかった。
お店の敷地を出た瞬間、
「終わった、、、」(またダメだった、、)
と愕然とした気持ちと、とにかくやり終えた安心感とで複雑な感情。
すぐに同じモール内にあるインテリア雑貨店の求人張り紙を見て写真を撮って帰るくらい本当に自信がなかった。


ブリューワリーからの連絡も来ない、
大事な面接2つも手応えなく終了。
あともう一か月頑張ってダメだったらもう日本に帰ろうかなとすら思っていた。


販売員の面接が終わって3日後、
友達とフードコートでランチしているときに知らない番号から電話がかかってきた。
電話を取ると、販売員ポジションで面接をしたマネージャーだった。
スマホを耳に当てながらダッシュで人気のないところに行き、話を聞いた。
心臓の音がどんどん大きくなってるのがわかった。

合格の連絡だった。

その場でガッツポーズを盛大にかまし、ちょっと涙も出そうだった。
ここ10年で一番嬉しい瞬間だった、、
受話器越しで、選んでくれた感謝を何度もマネージャーに伝えた。

このどうしようもない追い込まれた状況からやっと解放される喜び、
やっとトロントに来て仕事をするという最初のステップを踏み出せた喜び、
自分が異国の地の誰かに受け入れてもらえたという喜び、
いろんな感情が湧き出てきた瞬間だった。


後日、コンシェルジュポジションの結果もメールで届いた。
結果は残念ながら不合格。
だけど販売員として頑張っていく覚悟を決めることができた。

自分がまさかファッション業界にこういう形で戻ってくるとは。


忘れかけたころに、あのブリューワリーのオーナーから連絡が来ていた。
なんとマネージャーが変わって、また来てほしいとのこと。
トロントに来てやれることはすべてやりたかったから、即その仕事も改めて受けることに。

こうして2つの仕事を掛け持つことに。
ようやく、私のトロントでの就職活動が幕を閉じた。



私がトロントに到着して仕事を見つけるまでにかかった期間は、入国前に思っていた期間より1か月多い、約2か月。
なんとも浮き沈みが激しい2か月間だった。
時には何しにカナダに来たのかわからなくなったり、
誰からも受け入れてもらえない感じだったり、
地下鉄で虚しくなって訳もわからず一人で泣いちゃったりしたこともあったけど、、
いつでも帰ってきていいよってゆってくれる家族がいたり、
面接の練習を手伝ってくれる友達だったり、
とにかく話を聞いてくれるルームメートだったり、
いろんな人に助けられながら乗り越えられた。本当に感謝。

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