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長谷川潾二郎、一生懸命描いているのに、遅筆で寡作なんです。なぜなら…

 おはようございます。
 図録の方は、昨日印刷所に入稿したので、校正までほんの僅かですが
息をつけます…。ああ、よかった😢
お盆期間中に、再度、誤字脱字、情報チェック。校正に備えます。
その後はもう怒涛の勢い。なんだかんだで、開幕まであと40日あまりですからね。後悔の無いよう、細心の注意で、人生の正念場と思ってがんばります。

 長谷川潾二郎の作品に「御濠端(千鳥ヶ淵)」(1961年)があります。
これを描いたきっかけは、ある画廊から「皇太子ご成婚(1959年4月)に合わせて皇居の絵を描いてほしい」というリクエストが1959年の2月にあったから。
 潾二郎も、御濠端は前から描いてみたかった!ということで、精力的にロケハンし、意気揚々と描き始めました。しかし、画題が「曇り空の風景」のため、晴天では描きに行けず、曇りだと思って行ったら大雨に降られる…と不運に見舞われます。
そしてついに発熱。
制作中断を余儀なくされ、作品は間に合いませんでした。その後、季節は進み、1959年に描き始めた作品の完成は1961年になったのでした。

 潾二郎は薄曇りの光が好きなんですが、この「曇り空」を描くのって相当難しいのね、と今回初めて知りました。(私は絵は全く描けないので…)
晴れはダメ、雨でもダメで、曇りだと思って書き始めたら晴れたり、雨になったり。考えてみたら、一日中曇り空ってそんなにないですよね。
 そういうわけで、潾二郎はひたむきで一生懸命なんだけれど、作品はなかなか完成しません。彼の代名詞である「遅筆で寡作」の背景にはこのようなエピソードが数多くあります。図録では一部ですがご紹介しています。
 ぜひ、展覧会にご来場ください。
 先着順ではありますが、図録お渡しします!

2年かかって完成した「御濠端(千鳥ヶ淵)」


生誕120年 長谷川潾二郎展 ~ひっそりと、ささやかに。あの日の先に
▶会期:2024年9月22日(日・祝)~9月30日(月) 
▶会期中無休 
▶午前10時~午後6時(最終日午後4時まで)  
▶入場無料 (販売なし展示のみ)
▶場所:鈴木美術画廊  東京都中央区銀座1丁目13-4大和銀座ビル
▶TEL.03-3567-1114
▶主催:長谷川潾二郎 愛好家



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