見出し画像

わたしの生鮮(ジハード)〆鯖、惣菜、ミルクレープ

あいことばは、豚骨!
本日はお日柄糞

 仕事でとても悔しいことがあった。

 頭が沸騰しかけ、もともと空虚な妄想でみちみちているわたしの頭に、さらに空洞が。

 怒りというものは、強いものだ。

 でも、わたしは感動や、共感しあえたときの喜びの力の強さも知っているから、怒りをコントロールしたほうが、社会人(ひいいいい)として、葛藤を抱えずにすむだろう。

 小説家になるからには、すべての経験を吸い上げてやろうかという気持ちだけど、怒りに身をほろぼされそうで、危うい。

 最近、マニュアルとかつくってるから、残業するのですが、疲れてるのに、火曜日、豚骨を買って、タマネギ、にんじん、しょうが、にんにく、あと鮭のあらを焼いたの、とかコトコト真夜中煮込んだ。

 焼き豚チャーシューもバラ肉で作って、煮卵も。がち勢。ガチの勢力、はじめてつかう言葉で、熱意を表現したけど、わたし、やっぱ、精神のバランスを崩しているのね、だってこんな夜中にバナナじゃなくて、豚骨かよ。っっていうきもち。

 

 水曜日。同僚が不在のため、一人仕事。

 

 上司から人事の事で、話をもちだされる。

 家に戻ってきてから、色々考えたけれど、平素であれば人事異動の話は個別に面談形式というのが多いのに、わたしの場合、自席で、上司が隣に座り、人の出入りもある部屋の中で大切な話が行われた。


 粗雑にあつかわれていることの証左よね、悔しくて、血圧が上がっていくのがわかった。

 帰りは、塾帰りの家族と待ち合わせをして、わたしは同期の友達と話すみたいにして、本日の顛末をしゃべり倒した(ごめん、ヤングケアラーじゃん)


 で、昨日の豚骨スープでラーメンを作って、うまいうまいと食らう予定だったのに、この時点で時間は九時近い。

 今日は、ソロ無礼講だ! と、「お母さんは今日、好きなもの買って一人で食べるから!」とたからたに宣言、スーパーへ。


 あまいものが、食べたい。生クリーム、チョコ、とにかく、なにかに癒されたかった。パフェ、生クリーム、とにかく、アンコの方が体にお優しいでしょうけど。

 ああ、箍というのは、緩みやすい。ゆるゆるの、こん畜生だ、畜生、畜生、と潜在意識下で思いながら、イチゴのミルクレープと、総菜コーナーにあった、食べたくもないフワフワシュウマイ揚げ三個入り、生の物も摂取したく、締め鯖の真空パック。

 ああ、千円少しの会計で、店をでる。ティクショウー

 家では、家族が、けなげにお湯をわかしてまっていてくれる。


 わたしは、呪文のように色々唱えながら、麺を茹で、焼き豚を切り分ける。

 食べて眠くなって、めんどくさい酔っぱらいみたいに、「今起きるから!」と、くだをまきながら(くだってなにさ、しらん)深夜一時ころに起きる。

 割と気持ちはすっきりしているような気がする。よし、本を読もう、と思って、手に取った辺見庸。辺見庸の文章がすばらしい。こわごわとしているし、美しい、どうしよう、小説に連れ去られ、拐かされるような文体、思想、理解できない波にさらわれ、また、気がつくと自分の寝床に居るみたいに自然に、辺見さんの文章、こわい。全力でわたしは、逃げる、自分の文章の中に。

 被災地。戦争。貧困。おおきくて地の底からわきあがって消えない悲しみと、わたしは距離をとり、安全なところから語る言葉に葛藤する、というか、苦しんでいる人がこの世から居なくなってほしいと思う願う反面、憎たらしいやつがいなくなればいいのに、と思うのは、どうしてなのだろう。

 

 生き抜くことの多様さ、それぞれ捉え方も様々だけど、誠実に生きていきたいと願う。

 

 生活が小説を浸食していることが多い新年、そろそろ、うまいギアを見つけないと。

 豚骨!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?