ことばに翻弄される日々のこと
辺見庸の「月」をよみはじめてから、四日がたった。
つまり、石井裕也監督作品の『月』のために、シアターキノへ足を運んでからも、同じ日数がすぎている。
いまだ、わたしの中身が、どこか欠落してしまったよう。
欠落なのか、もともとなかったものを、ただたんに思い出しただけなのかもしれない。とにかく、何もかにも、変容してしまい、もう、もとの場所には戻れない。
それくらい、印象・心境がちがう。
色で言えばわかりやすいだろうか。白が黒に。赤が青に。そんなにわかりやすい色など、点在しておらず、せいぜい、淡くぼんやり霞がかったもやから、光沢のあるのっぺりとした大きな面。
そのふり幅の大きさに、たじろいでいる。尻込みしている。とにかく、すべての、映画のシーンや、物語から投げかけられる、「あなたはどう考えるの? どう生きるの?」見知らぬ誰かに、そっと囁かれる。
それは、発言力のない、小さな囁き。
小説の中に登場する、『きーちゃん』に。もちろん、『さとくんに』もだった。
世界は多様だ。簡単に片づけられるテーマではない。
あたりまえだ。ただ、気が付いていないだけだ。足元の数メートルしか、わたしの視野は照らされていなかった。
その問いかけに、振り絞るように考える。
「わたしに、何ができるのか? わたしは、どう生きるのか?」
これは、どうするべきか。
どう、納めるのが良案なのだろうか。
あまりにも、大きな壁にただ見上げるしかないという姿勢には脱したくないのに。
ヒントや、道しるべを求めるとき、いったい見知らぬ誰かは、どうやって?
そう思い、思わず図書館で予約した数冊。
読む本のリスト、先日誓ったのにな……。また、新たな世界の扉を開いてしまった。
「開けられたパンドラの箱」 月刊『創』編集部
「〈弱さ〉を〈強み〉に」 天畠 大輔
「私たちは津久井やまゆり園事件の「何」を裁くべきか」 堀 利和
「考える障害者」 ホーキング青山
「相模原に現れた世界の憂鬱な断面」 森 達也
「相模原事件・裁判傍聴機」 雨宮 処凛
以前借りて、読んだものもあったし、また全部読めるわけではないし、それは本に対して、著作に対して、なんだか失礼極まりないな……と情けなくもあるけれど、自分の中で、風化させたくないという強い気持ちにより、とにかく借りた。
疲労との兼ね合いもあって、なかなか日記に手を出せておらず、今日も、食器洗いを放置したまま、現在まで寝落ちしていた……。
さしあたって、わが生活のパンドラの箱は放置した家事だけど。
仕事中、本当に言葉が溢れすぎて、気が付いたことをメモしまくって、一日終わった感じ。
病から、一時復帰した人にかんする良い知らせがあって、心の底から安心した。まずは、良かった! とか、今日は同僚が休みで、一人だったから、気が張り詰めていて、なんだか疲れてしまったのだ。
うれしい反面、とにかく、四日前の強烈な体験に身を浸している感じがして、考えることも、希望を求めあがく過程を記したものが多かったような気がする。
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粗悪なコンタクトレンズにより、黒目に、亀裂がはいる、【度】がすぎるのだ。
支援員と相談員と介助員と現場作業員と特殊清掃員と人員へつげる【ふゆみかんの季節です】
空蝉に夕立、散布する【トランキライザー】(いねはぐんぐん二毛作・種はすいすい暗渠を泳ぐ)
【稟議書】粗暴性なし・易怒性なし・有益性なし・生産性なし、採算どがえし、再三、請求するも従わず。非暴力・非服従、被服費年間三万円(ふゆみかんの皮をシンクの清掃に使用する件に関して)
ちょへんなく/ちょへんなく/ちょへんなく/ちょへんなく
2:45分【かんご記録】
田中式・和田式・ビネー式・和式・洋式・勝間式、メソッド三時間未満施行、安全安心安パイ、三種の仁義を守るため。
【下肢のみ拘束 04:20~開始】
しんや。まどから、ながれ星をみました。【なつみかんの季節はおわりました】そろそろ、西瓜の皮を取り込む。
同意します☑ボックスにチェックをつけてもつけなくても、首の皮一枚。
いやよいやよ。あんたは、赤んぼみたいだな、いやいや言うてばっかりで【夏物みかん/冬物みかん、干したら陳皮になるの似て非なるものになるの?】
罪の豆鉄砲が、渡来、青豆黄豆、だだ茶豆、えだまめ。
古傷に、塩をぬりたくる、【柔和な人は幸いです】
無作為に拘束するぞ。奇数の月と、偶数の月で、蝶番に固定。亀甲縛り、荒縄にて。
【はじめに、神は、天と地を、そうぞうされた】
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つれづれに書いた文章。こういうのがあふれすぎて、たもでも持ってこないとな。
もちろん、自分の小説をすすめている。ごくわずかしか、時間がないけれど、誠実に進めているつもりだ。
時間足りない!
みなさん、どうやって捻出しているの時間。
わたしは、フルタイム、子育て中、世帯主だから、そういう作家志望の人も世の中にいるだろうし、企業を夢見たり、資格取得にむけて勉強している人だってたくさんいるよな。
がんばれ、みんな、頑張れ。
そして、わたしも。
明日は、早起きして放置していたことをやらねばね。
母の勤めもそれは険しいけれど、わたしの誇りのひとつだから。
よし、明日は木曜日。