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京都の梅・風雅な城州白のジャムがとんでもなく美味しくできた!(城州白その2)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月4日)

うっとりするほど良い香りの城州白。
桃のように甘く柔らかな香りがするので、少し甘さを加えて煮たら美味しそう。
梅干し用の他、表面に傷みがあるものを中心にジャム用とシロップ煮用も少しずつ取り分け、まずはジャムを煮てみた。

キラキラして綺麗な色。ジャム作りも楽しいですよね

あんずジャムみたいな綺麗な色。
梅と杏は近い種類なので当然ではあるのだが(青森・秋田あたりでは杏を「梅」と呼んで漬けたりするし、梅の木を海外へ持ち込むと自然と杏化する、という事例をどこかで読んだことがある。両者はかなり交配しやすいらしい)これがまあ、とんでもなく美味しい。びっくりした。
こんなに美味しいジャム食べたことないよ!?と思ってしまうくらい美味しい。比類なき美味しさだ。

とろりとして、スプーンですくって口に入れるとふんわり漂う桃の香り。煮炊きすると香りはよりいっそう桃に近づいた。桃よりもややフレッシュな、甘酸っぱさも含んだ感じのとても良い香りだ。でも味わいは紛れもなく梅。やはり杏とも違うし、もちろん桃でもない。梅のお菓子みたいな上品で穏やかな、心の落ち着く味です。すごいなあ城州白。完熟梅ならではというのもあると思う。

そんな完熟梅のジャム、作り方は実に簡単。

≪完熟梅ジャムの作り方≫

1)梅を優しく水で洗って傷んだ箇所を切り取り、正味重量を計量。この時は440g。
セオリー通りなら65%以上の重さのグラニュー糖を用意するところだが、梅が完熟で果物みたいな芳香を放っていたので半量の210gの三温糖(自宅にあるのがそれだけなので)を用意。
梅自体の甘みや熟し方次第で適した砂糖の量は変わって来そう。青梅なら梅と同量、場合によっては若しくはそれ以上でも良いのかも知れない。

2)あく抜きも兼ねて、梅を一度ホーロー鍋(酸に強い素材。アルミ以外ならOKだと思う)で茹でる。
茹でたお湯は捨て(梅のえぐみが出ているので捨てた方がよい)、粗熱が取れたら梅の種を取り除く。皮は城州白の場合柔らかいので除かずにそのまま使ったが、固い場合は除くなり裏ごしするなりした方がよいかも。

3)種を除いた梅を鍋に戻し、砂糖の半量を加えて馴染ませ、ひたひた程度になる量の水を加えて弱火にかける。

4)決して沸騰させず、ふつふつ程度に加熱。アクが出て来るので丁寧に取り除く。

5)アクがだいたい取れたら残りの砂糖を加え、少しとろみが出たら火を止める(冷めると梅自体のペクチンで固まるのでとろっとしたら、程度でよい)。

6)密閉できる容器に移し、粗熱が取れたらできあがり。糖度高めで作った場合は常温保存でも大丈夫だが、今回は砂糖少なめなので冷蔵庫へ。

砂糖の量もかなり適当にこの量にしたのだが、「完璧」と思ってしまうくらい美味しい。これ以上甘くても甘くなくても駄目で、これが最適解と思えてしまう美味しさ。すごいぞ城州白。レモンも入れていないのに、冷やすと適度に固まるのもすごい。その辺はやはり梅の酸味のおかげだろうか。

できてすぐに味見した時点で十分以上に美味しかったが、翌日味が落ち着いた段階でヨーグルトにかけて再度びっくりした。思わず刮目。
ただのヨーグルトが、このジャムを合わせただけでまるでちょっとしたデザートみたいな味わいに。

そういう感じに、日常の食べものの格をちょっとだけ上げてくれる美味しさなんですよね。これは良い。とても良いです。もちろんパンに塗っても美味しい。

いやあ、梅のジャムがこんなに美味しいなんて知らなかった。青梅のジャムは過去何度か食べたことがあるがあまり好みではなく、同様に梅シロップや青梅のお菓子もそれほど得意でなかったので、私の舌は梅スイーツを好まないのかと少々思っていたけれど、完熟梅は完全に別物だった。ものすごく美味しい。気に入りました。

そういえば、私の好きな梅スイーツがひとつだけあった。山形名物の「のし梅」。
父が山形出身なので、帰省や出張で山形へ行く度おみやげに買って帰ってくれて、子供の頃よく食べた。あれは大好きで今でも山形へ行くと必ず買うのだけれど、その風味に少し似ている。あれも完熟梅だろう、色がこの梅ジャムと近いし後口の風味も似ている。

これから完熟梅に出会ったら、一部は必ずジャムにしようと心に決める。
梅仕事の楽しみがまたひとつ増えてうれしい。

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