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老老介護と低栄養

先日お酒と高齢者の低栄養について少し書きましたが(こちら)、人間の栄養状態というものは病気の場合を除いて突然悪くなると言った事は無く、やはり生活習慣の中で徐々に変化していくものです。

これは施設に入居している方も自宅で暮らしている方も同じですが、施設の場合は栄養士の作る献立が提供されるのでそれをしっかり食べていれば低栄養状態に陥ることはありません。

しかし自宅で独り暮らしや老老介護の状態ですとそういうわけにもいきませんから、自分か同居家族の手に栄養状態が委ねられる事になります。

そこで、そうした独居あるいは老老介護状態の方に気をつけていただきたいポイントをいくつかお知らせしたいと思います。

まず一番意識してほしい栄養素は「タンパク質」です。冒頭でリンクしたコラムにも書きましたが、お酒も飲まず料理することも好きではないタイプの方の食事はどうしても炭水化物に偏りがちです。差しあたり満腹感が得られれば良いといった内容の食事を続けるうちに、気がついたら筋肉は痩せ細り杖が手放せないといった状態になってしまったら、高齢者の場合元に戻すのは至難の業です。

そうした状態にならない為に、簡単手軽にタンパク質を摂取出来る食品をいくつかご紹介します。

一番は何と言っても「卵」です。卵にはビタミンCと食物繊維以外の栄養素は全て含まれるほぼ完全食品です。卵を食べ過ぎると悪玉コレステロールが増えると言っていたのはもう昔の話で、今ではそうしたデータは過去のものとなっていますので毎日複数個の卵を食べ続けても問題ありません。

料理が苦手な方や面倒な方はインスタントラーメンを食べる頻度も高いかもしれませんが、そうした時でも卵を一つ追加して食べるだけで随分違ってきます。

お昼は簡単にご飯と即席味噌汁で済ましていたなら、せめてご飯を卵かけご飯にして下さい。

次に利用してほしいのは「練り製品」です。竹輪やかまぼこは安くて味つけも不要でそのままおかずになります。冷蔵庫に常備しておき、おかずの一品として追加することをおすすめします。

例えばカップ麺にかまぼこをちょっと切って入れるだけでもタンパク質の補給になります。

次は定番ですが、豆腐や納豆などの大豆加工食品です。

豆腐は練り製品同様、特に調理しなくてもおかずになるだけでなくお年寄りに不足しがちなカルシウムも多く含まれています。
納豆にはタンパク質とカルシウムの他に血圧を正常に保つ働きがあるカリウムやマグネシウムも豊富ですから納豆卵かけご飯を毎朝食べる習慣にすれば低栄養の防止に役立ちます。

毎日の食習慣を変えるには目的意識を持ち実践する事が不可欠です。今回ご紹介した食材はどれも安価で毎日食べても飽きないものばかりですから、明日から早速試してみてはいかがでしょうか。

(元記事は食べごろclub


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