あおば

17文字が誰かの胸にたどり着く・・・。川柳と短歌やってます。 好きなものは、東野圭吾と…

あおば

17文字が誰かの胸にたどり着く・・・。川柳と短歌やってます。 好きなものは、東野圭吾と珈琲☕️よかったら、スキお願いします🙇 あなたのスキで明日も頑張れます☘️

最近の記事

嫌な予感残して夜の花吹雪(朝日新聞あいち柳壇掲載)

昼間に咲いてる桜は全然怖くないのに、夜の桜は昔から怖かった。 字で書くと、朝は「サクラ」、昼は「桜」、夜は「櫻」だ。 ましてや、ざーっと風が吹いて花びらがまいちると、何か良くないことが起こる前触れのように感じてしまう。 朝、通勤途中に見かけるサクラは良いことの象徴みたいに咲いている。大学に合格したら電報はサクラサクとうつではないか。 昼休みの公園で見る桜は鳥も来て、みんなに愛でられて包容力がある。 なのに、昼の桜は夜になると櫻となって、めちゃくちゃ怖い。 夜なのに昼間と同

    • 去る人の湯呑みが一番寂しそう(朝日新聞東海柳壇掲載)

      職場のお茶場に、それぞれが持ってきた湯呑みがある。 湯呑みはいがいと、その持ち主を表している。 洗う人のことを考えて、プラスチックのカップの人。 同じく洗う人が万が一割ってしまっても気にしなくていいように100均でかった湯呑みの人。 最初から欠けた湯呑みを持ってくる人。 途中で欠けてしまったけどそのまま使っている人。 和柄の人。 ドーナツ屋の景品のカップの人。 誰かからプレゼントされた湯呑みの人。 自分の好きなキャラクターのカップのひと。 大きい湯呑み。 小さいカップ。

      • また一人脱皮している春が来て(朝日新聞東海柳壇掲載)

        年度末が差し迫ってきた。 新年度には必要ないものが出てくる。 半年前までは、すごく大事だったのに。 新年度の準備をしていると、自分の身辺も整理したくなるのだ。 スマホのストレージがいっぱいなので、写真を整理した。 最初は、大事だった写真をおそるおそる一枚ずつ削除。やがて、バンバン削除となった。 バンバン削除していると、スマホに空き容量ができるのと同時に、自分の中にも空きスペースができてきた。 新しいこと、 新しい人、 なんとなくだけど、 受け入れることができそうだ。

        • 「山茶花を見るたび椿のこと想う」朝日新聞東海柳壇掲載

          小学生の頃、百葉箱に住みたかった。 百葉箱は住宅ではないし、小学生といえども、入ることすら不可能である。 でも、将来家を建てるなら、でかい百葉箱だな!と思っていた。 アホですね。 次に憧れた家は ルイス・バラガン邸である。 光の差し込む大きな窓とライブラリ併設のリビング。広大な庭。 今は、バラガン邸とも百葉箱とも程遠い家に住んでいる。 一回目のガウディとサグラダファミリア展に行ってきた(もう一度行くつもり)。 サグラダファミリアのなにがいちばん印象的だったかというと、

        嫌な予感残して夜の花吹雪(朝日新聞あいち柳壇掲載)

          初詣手を合わす君盗み見る(めざましテレビ松任谷由実選集五七五掲載)

          遠い昔、一緒に初詣に行った時、隣同士でお賽銭をなげ、手をたたいてお参りをしている君を私はこっそり、横から覗き見た。 君は目を閉じていた。 意外と長いな。 何をお願いしているんだろう。 神様の前で、私はお参りしている君をひたすら盗み見て、何もお願いせずに立ち去った。 初詣に行って、手を合わす友人や恋人、家族を盗み見るっていうのは、初詣あるあるなのではないかな。 さて、カレーの話である。 80代の両親を連れて熱田神宮に初詣に行った。中で宮きしめんを食べようと思ったが、

          初詣手を合わす君盗み見る(めざましテレビ松任谷由実選集五七五掲載)

          おばちゃんのゆっくり手書きの領収書(週刊文春川柳のらりくらり掲載)

          まだ若かりし頃、おばちゃんてなんでこんなにゆっくりなんだ?と思っていた。 がしかし、自分がおばちゃんと言われる年齢になると、やっぱり何をするのもゆっくりになっていた。 みかんを剥くのも、靴を履くのも、そして字を書くのも。 字を書くのは本当にゆっくりになった。 特に、人様にお渡しするメモ書きや、ハガキなど。 領収書に至っては、決して間違えてはならぬ!!と言う強迫観念にとらわれているので、ペンを持つ手が震えてくる。 お名前をしっかり聞いて、脳から手に司令をくだし、手が指令

          おばちゃんのゆっくり手書きの領収書(週刊文春川柳のらりくらり掲載)

          振り返る面倒臭いを貼り付けて(朝日新聞東海柳壇掲載)

          年齢を重ねて、マルチタスクがとても苦手となってきた。 ひとつの作業に一球入魂。誰も話しかけてくれるな、今だけは、絶対話しかけないでくれ、というタイミングに限って、話しかけられるのだ。 絶対に自分はそういう人間にはなりたくないと思っていたのに、私は見えない付箋に面倒臭いと書いて、おでこに貼り付けて振り向いてしまうのである。 とほほ。ダメですね。。。 先日のこと、急いで帰りたいのにららポートの帰りがめちゃくちゃ混んでいた。 やっと、立体駐車場を出たら道路がますます混んでい

          振り返る面倒臭いを貼り付けて(朝日新聞東海柳壇掲載)

          箪笥から去年の手袋去年の手(朝日新聞東海柳壇掲載)

          衣替えをした。 納戸の箪笥から、冬物をだして、夏物をしまう。 納戸は、本当はウォークインクローゼットにしようと思っていたのだが、当時のハウスメーカーの人に、「立派な箪笥があるなら、箪笥をお使いになった方がいい。箪笥の機能の方が数段いいですよ。」といわれ、そのまま箪笥をつかうことにしたのだ。 確かに箪笥の使い勝手はよい。 ような気がする。 冬物を出していると、懐かしい服が出てくる。 手袋も。 皮の手袋は、立体的で、手が入っているように見える。 それは去年の手だ。 去年

          箪笥から去年の手袋去年の手(朝日新聞東海柳壇掲載)

          5分前仏心を始末する

          何時までに提出。 締め切り期限のあるものがある。 受け取る側は その人がどんなに困っていても、 どんなに良い人でも どんな事情があっても、 締め切りを過ぎたものはうけとれない。 だが、 例外は認められない・・・のか? この締め切りに意味はあるのか? 決まりだから、仕方ない。 1分や2分遅れても、あるいは明日の朝でも もしかしたら誰にも迷惑はかからないのでは? 小さな交差点で、車が一台もいないのに、歩行者用信号が赤で その短い横断歩道を渡らずに止まっているような。 そん

          5分前仏心を始末する

          手が止まる11月であることに(朝日新聞掲載)

          気がついたら11月であった。 毎年、11月にハッとする。そして手が止まるのだ。 えー😱もう11月! そういえば駅にイルミネーションが! 光ってる! あー今年がおわりに近づいている。 この頃になると思い出す曲がある。 シンディ・ローパーのtrue colorsという曲だ。 高校の時、授業中にこの曲が頭にながれだし、うろ覚えの歌詞を机に鉛筆でかいてみた。 当時は、机にいろんな落書きがよくしてあったのだ。 が、しかし、ところどころ思い出せない!昨日の夜はかけたのに。(もっ

          手が止まる11月であることに(朝日新聞掲載)

          カラオケが苦手な人が少し好き (朝日新聞東海柳壇掲載)

          カラオケが苦手な人が好きだ。 とはいうものの、私はカラオケが好きだ。 歌は下手くそ。 ただ歌うのが好き。 だから、一番好きなのは一人カラオケだ。 カラオケの上手い人は本当に素直に尊敬してしまう。 普段おとなしくて地味でもカラオケがめちゃくちゃ上手という人がいる。 ちっとも上手く歌えない自分からすると、能ある鷹が爪を隠しているみたいに見える。 あなた、鷹だったの?! 反対に元気で目立つ人が、意外とカラオケが苦手ということがある。 完璧に見えた人のほんのちょっとの弱点。

          カラオケが苦手な人が少し好き (朝日新聞東海柳壇掲載)

          推し短歌 初心者ですが短歌作ってみました

          掛川でハシビロコウの君とあい はじめて鳥の写真集買う 推しは鳥なかなか理解はされねども ハシビロコウを見ればわかるよ 推しは鳥ハシビロコウのふたばです 怖い顔してゆったり歩く #推し短歌

          推し短歌 初心者ですが短歌作ってみました

          短歌初心者ですが推し短歌作ってみました

          アクスタを鞄にしのばせスキップす おばさんだけど娘みたいに アクスタをお昼休みにチラ見する 頑張ったよと推しに報告 私の推しはBTSのジミン様。ほとんど人には言ってない。 秘密の推しです。 アクスタはハンカチに包んで鞄にこっそりいれてます。 生きていくのに必要なのだ。 #推し短歌

          短歌初心者ですが推し短歌作ってみました

          下手くそな金管黄昏渡り廊下 (朝日新聞掲載)

          夕方、放課後の教室、聞こえてくる金管の音、急ぐでもなく歩いた渡り廊下、聞こえてくる運動部の掛け声。 高校の家庭科の先生に 「食べ物の好き嫌いは言うものではありません。なぜなら食べ物の好き嫌いの多い人は人間の好き嫌いも多い人に見えるからです。」 と教えられて、私は妙に納得した。 食べ物の好き嫌いと人間の好き嫌いは関連性があると先生は言うのだ。 私はなんでも食べられるが、実は好き嫌いが多い。 出されたものはは我慢すれば、なんでも食べられる。しかし、自由に食べていいとなるとか

          下手くそな金管黄昏渡り廊下 (朝日新聞掲載)

          涙目にゴロンと丸いお月様 (週間朝日掲載)

          嫌なことが続くことがある。毎年それは夏が終わった後が多い気がする。 夏は嫌いだが、案外楽しい。 嫌なことが続いて家に帰る道、空にはびっくりするくらい綺麗な月が見えた。 私が悪いのか? いやいや、私悪くないよ。 もう考えるのはやめよう。 「涙目にゴロンと丸いお月様」

          涙目にゴロンと丸いお月様 (週間朝日掲載)

          ありんこに運ばれていく夏の羽根 (朝日新聞東海柳壇掲載)

          洗濯物を干していたら、あしもとで、アゲハ蝶の羽根が動いている。 ありんこが引きずっていた。 真夏の象徴みたいに飛んでいたアゲハ蝶。 その羽根が、地面に落ちている。 少し破れて、色褪せて、ありんこにガタガタと運ばれていく。 夏が終わったんだなあ。 夏は好きじゃないのに、夏が終わるのは嫌なもの。 なぜ嫌か、考えてみよう。 1、お風呂に入る時寒くなる 2、灯油を買うのが面倒くさい 3、メガネが曇る 夏のメリットが思い浮かばない。 「ありんこに運ばれていく夏の羽根」

          ありんこに運ばれていく夏の羽根 (朝日新聞東海柳壇掲載)