43歳一独身公務員の旅行記(ニューヨーク編)⑦「自由の女神像までつれてって」
人生にいつか終わりがくるように、旅にも終わりがやってくる。そう、それは絶対にやってくる。
今日がニューヨーク旅行の最終日になってしまった!僕は目覚めると、ベッドの上で座禅を組み、深呼吸してから静かにつぶやいた。
「落ち着きました」
さあ!ニューヨーク最後のランニングにでよう!
AM8:30 僕は靴の紐を結ぶとYMCAを飛び出した‼️
健康自慢する気なぞサラサラないが、ランニングは僕の旅における、また人生におけるこだわりのひとつだ。気持ちがスッキリする・・・。ランニングしていなかったら今頃確実に何らかの精神疾患になっている自信がある。
余談だが先日、新卒で入社したCM制作会社の同期が、僕が大きなリカちゃん人形を抱えてランニングをしている夢を見た・・とSNSで呟いていた。さらにはその夢をイラストにしたという・・・。嬉しいじゃないか!
PM12:00
食事を終え、さあ、今日の本題だ。
ニューヨーク最終日はやはり自由の女神像を観に行くことにした。ベタだけど、小さい頃から知っていたし、いつかは観たいと思っていたのだ。
地下鉄でサウス・フェリー駅で降りて、そこから徒歩でバッテリー・パークという公園まで行く。そこには自由の女神像を観に行けるフェリー乗り場があるという・・・。
重いノースフェイスのザックを背負い、ブルックリンで購入したハンチングをかぶり、出発!!
今回の地下鉄では、ポールダンスは見られなかった。むしろかなりひっそりとしていた。サウス・フェリー駅に着くにはまだ時間があるようで、僕はニューヨークの地下鉄列車に揺られながらうつらうつら、とまどろみ始めていた・・・。
夢を見ていたような気がする・・・。
僕はどこかの国の、どこかの田舎にいて、列車に揺られている。やっぱりひとりで旅をしている。
とある小さな駅で、ブラリと下車する。駅員さんのいない小さな駅だ。しかし駅に降り立った時、僕は大変な忘れ物にきづく。(それがなんなのかはわからないのだが)
次の電車に乗るには何故か2日間待たなければならない。絶望した僕はママチャリに乗って海辺の道路を疾走する・・・。水平線に夕陽が沈もうとしている。ところがその夕陽はプラスチックのハリボテなのだ・・・ なんだこの夢⁉️
「ハッ!!」
電車が止まっていて、「寝過ごした!」と思って飛び降りた‼️
とんでもなく遠いとこまできてしまった・・。「世界の果てまでつれてって」という寺山修司の台詞が学生時代から好きなのだが、この台詞も旅行における僕のこだわりを表している気がする。あるいはこの場所、スタテン・アイランド・フェリー乗り場は世界の果てなのかもしれない・・・と思った。外にでたい、ここにいたくない。外に向かいたい、行くつく先は世界の果てだ。
見えた!!自由の女神像見えた!!僕は身を乗り出した!!
一瞬。ほんとに一瞬だけだったが、自由の女神像を観ることができた。しかし、その一瞬だけだけど、自分は世界の果てに・・・一瞬到達できたような気もしたのだ。とんでもないものを旅行最終日にまたみることができた。
深い満足感を覚えていた。なんや、鬱陶しいことも多いけどやっぱり生きていたらええこともあるもんや。うーん。良かったわあー。
「うーん、良かったー 良かったわー すごいねー」ブツブツひとりごとをいいながら、僕は歩いていた。
PM3:00 フェリー乗り場に戻った‼️
つづく
宜しければスキしてくださいっ