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職業訓練に行ってwebデザイナーをあきらめた話~応用編~


実は以前上げた僕の記事。

この記事でもって週に約60、トータル約300推移のビュー数を連れてきてくれている、末席ブロガーの僕にしてみればなんともありがたいコンテンツになったんだなぁという事で、注目してくれる人がいるならとことんこすり倒すのもいいかなと思い(笑)、ちょっと踏み込んだところを書いていこうと思いました。

特に今回は、職業訓練に向いている人向いてない人、職業訓練という制度を通じて感じたことを書きます。


職業訓練、改めてざっくりと

改めて職業訓練とはどのようなものか、振り返ってみます。

職業訓練は、ハローワークの施策の一環で行われる、いわゆる『手に職』を付けるための訓練です。
内容は様々で、パソコンの基礎操作から介護職、工場作業員としての知識と資格など、分野は多岐に及びます。

民間のスクールと違うのは、ハローワークと提携していることで各種助成金をもらえるという事でしょうか。
(認識違いだったらごめんなさいですが、民間のスクールは確か『補助金』が何かの手続きで出るのですが、実質無料で受講できる職業訓練とは根本的にお金の意味と性質が違うでしょう。)

給付金の話

給付金については大きく分けて2種類あります。
雇用保険と職業訓練受講給付金です。

雇用保険は言わずもがな、正社員などの社会保険を納めていた人であれば、基本的には支給されるものです。
特に、自主退職などにより雇用保険の支給まで3か月ある人でも、職業訓練を受講することで、行った日は日割りで訓練手当が前倒しで支給されるようです(要確認)。

職業訓練受講給付金は、雇用保険の対象外だった人がもらえる可能性があるものです。

しかしもらうためにはいくつか条件があり、例えば

・資産が無い
・『収入』が一定以下(8万以下)※世帯収入なら30万円以下
・訓練中のひと月ごとの期間で一日も休まない

など、結構シビアに見られ、まるでケツの穴をのぞかれている気分です。
しかも実際の支給を判断される際は、通帳、バイト先、給与明細など、収入を証明する根拠となる書類を
毎回揃えて、見ただけで判然としない場合は論理だてて説明できないといけません。

そしてこの収入というものも厄介で、事前にハローワークの人と相当打ち合わせする必要があります。例えば、

  • 親から仕送りしてもらったものは『収入』です。

  • バイト以外に何か友達の手伝いなどの副業をした場合も『収入』です。

  • キャッシングで銀行の残高が増えるのは『借入』です。資料として借り入れの証明書が必要です。

  • 友達に無心して金を振り込んでもらった場合は『借入』ですが、借用書を用意しないといけません。

  • パチンコ、競輪の勝ち分や配当金は一時的な所得なので『収入』にはならず、ノーカンです。

  • 家のものを売って資金に変えるのもノーカンです。しかしメルカリなどを最初から目的として、なにかを買い付けて差益を出そうとすると『収入』かもしれません。

このように、職業訓練受講給付金をもらうためには、結構多くの条件をクリアし、かつその状態をキープしないといけないのです。またお金の『ある、ない』よりも『どんな流れになっている』かが重要なフシがありそうなので、自分の周りを流れているお金がどんな性質だと判断されるのかは、事前に念入りに確認するのがいいでしょう。

職業訓練に向いている人

職業訓練に向いている人は、
『就職したくて、金銭的に余裕がある』
『就職したくて、金銭的に余裕はないけど精神的にタフになれる人』の2パターンです。

前者は例えば配偶者がいる、雇用保険(失業保険)がある、貯蓄がある、、、
つまり就職活動と勉強に専念できる人が向いていると思います。

後者はもうバキバキに転職したくて、自分をお金的にも体力的にも追い詰めることが出来る人です。僕はこっちだったと思います。
貯えもない、収入も制限され、わずかな預金は目減りする一方…という時間が半年流れました。実際キャッシングもしました(仕事してるうちに一回完済出来てて本当に良かったと思う)。このまま不安定な状況を一日も早く脱出したいと思って就活もがんばりました。

職業訓練に向いてない人

職業訓練に向いていない人は、

『金銭的に余裕がない』
『周りに流されやすい』
『就職がイメージできない』人かなと思います。

一つ目は言わずもがな、明日の銭にも困るのであれば、まずは日雇いのバイトをした方がいいと思います。昔の僕はそうでした。

周りに流されやすいのは、なんとなく大学生みたいな雰囲気が流れる場合があるのも確かで、自分の目的だったりペースを周りによって見失う場合があります。本来的にはみんな少なからず一度は社会人になって自分の人生の為にそこに来ているので、過干渉はご法度です。

就職がイメージできない人は、勉強が目的になってしまう人です。
職業訓練で勉強することの向こう側には、就職することがゴールとしてあります。一緒のクラスの人にもいましたが、いいポートフォリオを作るのがゴールとか、このデザインが決まったら就活始めますとかいう人もいましたが、多分そういう人は少なくとも在所中の内定は取れてなかったと思います。

職業訓練で見えてきた『業界』

IT人材が不足しているのは間違いないし、国がそういうバックアップを施策として行っていることはとてもいいと思います。

しかし日進月歩で進展しているIT業界には、おそらくじっくりと人材を育成する時間もゆとりもないし、まして付け焼刃の知識で入っていこうとするやつに居場所はありません。

だから『複合人材ソリューション』とか言って、研修が福利厚生になっちゃうようなSES人材ベンチャー会社が乱立するんです。需要と供給のニーズが微妙にかみ合ってないのだと思います。

職業訓練で見えてきた『社会』

自分は雇用保険のない立場だったので、給付金をもらって約半年間通いましたが、まぁお金が無いというのはいくらでも人を病ませるなと思いました。

そして辛いのは、僕みたいなやつは社会的に見たら『中途半端にはみ出したしまったやつ』が、もう一度レールを引き直すというのがいかに難しいかという事です。

正社員を転々としている人は正直転職も多少融通されると思いますし、保険など社会的なバックアップも得ることができます。そうでない人はとことん今の状況が続きます。歳だけ取るのです。



僕は職業訓練に行ってひとまず就職することが出来ましたが(実に10年振りの正社員)、目標としていたwebデザイナーには現役でなる事はできませんでした。しかしこの半年間は、僕に多くの気づきを与えてくれました。

もし就職で悩んでいる人や、訓練を受けようと考えている人の参考に少しでもなれば、幸いに思います。

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