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不調になりやすい思考

私のトレーニングスタジオには

「肩こり、腰痛などの痛み改善」
「ダルさ、倦怠感などの慢性疲労改善」

を目的としたお客様が日々ご来店されます。

トレーニング指導で改善する方もいれば、生活習慣の改善(食事、睡眠)で改善する方もいます。

それに加え「考え方、思考」を変えることで気持ちが楽になり、体の調子を取り戻す方もいます。


メンタルトレーニングやカウンセリングを僕は学んだわけではないので、メンタルの指導はもちろんできませんが、

調子を崩しやすい人の「思考習慣」の特徴は共通点がいくつかあります。

それを情報と知るだけでも対処できることがあるかもしれないので、そこを今回は共有できたらと思います。

①思考習慣「未来より過去」

不調や痛みの原因は様々ですが、症状が出た後の考え方として

「調子の良かった状態」「ベストパフォーマンス」

と比較する人は、余計に現状が苦しくなります。

逆に改善が早い人は、

「なってしまったものはしょうがない、改善するために今できることをしよう」「これを機会に、生活習慣を見直す機会にしよう」

という思考です。

つまり「過去と比較する」とどんどん苦しくなり、

「未来への行動」を始めると状態は好転します。


アスリートでも二極化します。

特にベテラン選手は、

「若い頃のような回復も瞬発力もスタミナもなくなってしまった」
「若いころのような状態に戻したい」

と考える人は、怪我をした際に長引きがちです。

逆に、

「これを機会に年齢にあったトレーニングとケアの方法を取り入れよう」
「フィジカルは落ちたけど、経験を生かして頭をつかったプレースタイルにしよう」

「これからできること、したいこと」に発想を転換すると、怪我にもうまく向き合え、現役生活が伸びる選手もいます。

「過去」と比較すると、現状もうまく受け入れられないです。

「未来」を考えると、現状としっかり向き合い、そこからゴールに向かって動けます。

「リフレーミング」

「怪我してしまった」「最悪だ」→「これくらいの怪我で済んで良かった」「生活を見直すチャンスだ」
「もう終わりだ」→「まだやれることはある」

こういった言い換えを「リフレーミング」と呼ぶそうですが、同じ出来事でも捉え方が違うだけで全くその後の結果が変わってきます。

これは怪我した時にだけやろうと思っても無理なので、普段からこういう思考で生活する習慣をつけることが大事だなと思ってます。


以前の記事【著書「マインドセット」を読んで】でも書きましたが、

「硬直マインドセット」ではなく「しなやかマインドセット」であることは、健康面でも大きな差となります。

②思考習慣「他人との比較」

調子を崩しやすいもう一つの思考パターンは「いつも他人と比較してしまう」。

ここでいう比較とは、自分の威厳を保ちたい比較、つまり自分より立場や収入が下の人と比較して「自分を保ちたい」比較ではなく、

自分を下げるような比較、つまり自分よりうまくいっているような人と比較して、落ち込むケースです。

なぜか「自ら落ち込む習慣」をつくってしまう人は多く、そういう人は体も壊しやすいです。

他人と比較してもキリがないです、上には上が、下には下がいます。

それよりも「自分をいかに伸ばすか」を考えた方が、行動もしやすく、成長も感じやすいです。


頭では分かっていても行動できない人の多くは、

「これをやったら、周りになんて思われるだろう」「あの人に比べたら、自分がやることなんてたいしたことない」

と、他者との比較で行動できないことが多いです。

「他人と比較するメリットなんか何もないんじゃないか」と思えるほど、比較は体も心もフットワークも重くします。

今は意識していなくてもSNSやスマホで他者との比較をせざるを得ない時代なので、

他人の意見が耳に入ってこない工夫もする必要もあるかもしれません。

「どうして自分を責めるんですか?他人がちゃんと必要なときに責めてくれるんだから、いいじゃないですか。」-アルベルト・アインシュタイン

③使う言葉

最後に、調子を崩しやすい方は「使う言葉も悪い」と感じます。

「言葉の力」というとスピリチュアルな感じがするので、個人的にはそういうものには何も感じないのですが、

活力のある人たちとは間違いなく「使っている言葉が違う」と思います。

難しいのが、調子が崩れたからそのような言葉になるのか、そのような言葉を使っているから調子も崩れやすいのか、はよくわかりません。

「卵が先か、にわとりが先か」みたいなものなので、どちらでも良いと思います。

使う言葉の傾向として、

①「〜しちゃいけない」という「否定」語

②「〜すべき」「〜しなければならない」という「義務」語

の二種類が非常に多いです。

「〜したい」「〜が楽しい」という願望や好奇心を表す言葉が少ない、という傾向もあります。

著書「7つの習慣」の、

「緊急で重要」なことだけで毎日が終わっている人がほとんどだ。それよりも「緊急ではないが重要」なことを最優先しなさい。

という考えにも通じると思います。

「緊急で重要」
締め切りのある仕事、クレーム処理、メール返信、電話対応、トラブル対応、危機や災害、自分の都合で動かせないこと

「緊急ではないが重要」
将来への準備や投資、資格の勉強、健康維持のための運動、家族との時間

7つの習慣で言うと、

「ほとんどの人は「緊急で重要」なことだけで毎日が終わっている」
「多忙でスケジュールがパンパンな日々を、何年も送っている」
「緊急ではないが重要なことを最優先しない限り、いつまでも望みはかなわない」

現代は特に「緊急で重要」なことだけで終わっている多忙な人が多いと思います。

そうなると「〜すべき」「〜しなければいけない」という言葉も自然と使いがちです。


僕も起業してからほぼ「緊急で重要」なことだけで終わっていて、多忙で疲弊しているけど、物事は何一つ進んでいない。ただこなすだけの日々。

そこを「緊急ではないが重要なこと」、つまり「自己投資」を最優先するようにしてから、仕事もプライベートもうまく回るようになりました。

ちなみにこれらは「朝」やることをおすすめします、夜だと別の予定が入ったり疲れが溜まってることも多いので。

「自己投資」に時間を使えると、体にエネルギーが満ちてきます。

そして「〜したい」「〜が楽しい」という願望や好奇心にあふれた言葉が自然と増えてきます。

「緊急で重要なこと」を最優先しなくていいのか

という意見があると思いますが、緊急で重要なので意識しなくても絶対にやるんですよね。最優先事項にしなくてもやるんです。

それよりも意識しないと絶対にやらない「緊急ではないが重要なこと」から先にスケジュールを入れないと、いつまでもやらないままになります。


「調子を崩しやすい人の思考」から随分話が飛んでしましたが、

ちょっとした思考の転換が、体にも大きな影響を与えるといえます。

「もっと自分のためにエネルギーも時間も使って良いんじゃないか」とトレーナーの立場からは思っています。

心が変われば態度が変わる。 態度が変われば行動が変わる。 行動が変われば習慣が変わる。-野村克也(プロ野球選手、監督)

心、態度、言葉、習慣、行動。

運動だけでなく、様々なことが密接に関わって健康な体をつくっていると感じる毎日です。

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