「小さな」と「小さい」のニュアンスの違いを考えてみる
「特別な」と「特別の」についてもよく迷うんですが、この助詞の違いがもたらすニュアンスの違いについて考えてみたいと思います。
先日、投稿した文章には「小さな」と「小さい」が登場します。この二つの同じ意味の言葉を私は文章の中では使い分けていました。そのときからこの違いをずっと考えていました。
文章はこちらです。私の投稿の中ではビューが急上昇していて、私の『ビューが多い記事の上から5つと、特別な1つのお話』マガジンに移動一歩手前です。
「扉」の前には「小さな」、生き物や私の前には「小さい」を使いました。
まず品詞の違いから考えます。「小さな」は連体詞で「小さい」は形容詞です。連体詞は名詞の前にしか置けません。と、書いている説明を見かけましたが、それに反対する意見もありました。
「小さな」を連体詞とする説もあるが「手の小さな人」のように述語としての働きをもつ点が一般の連体詞とは異なる、とのことです。形容動詞「ちひさなり」の連体形である、との意見です。
ちなみに英語だと「小さな」と「小さい」の違いなんてないですが、「小ささ」を表す言葉はsmallやlittleやtinyなどいくつかあります。
一応書いておくと、smallは規模が小さい状況、littleはサイズが小さくて可愛らしい感じ、tinyはサイズが驚くほど小さい、そんなふうになっているようです。a small city, a little girl, tiny eyesとかね。
さて「小さな」と「小さい」のニュアンスですが、私は違いがあると思っています。
ピッタリする説明がないかと探してみたところ、「小さな」は主観的で感情的なニュアンスが入るが、「小さい」は客観的であるとの説明を見かけました。
その考えでいくと「小さな扉」はこじんまりしたかわいい雰囲気の扉で、「小さい扉」になると単にサイズを表している、感情を含まない扉という物体になるということですね。
でも人によって感じ方は違うとも補足されていました。そりゃそうですね。感性ですから。そして私はその感性に賛成します。「小さな」の後に続く物体には暖かみを感じます。
私が『絶望』で書いた「小さな扉」は何か優しく、私に向かってほんのりと明るい陽の光をあちら側から照らしてくれる存在です。それに対して「小さい生き物」の私は暖かかったりかわいかったりというよりも、サイズがとても小さくてどことなく冷たい、冷たいとまではいかないにしても、うーん、痛々しいというか寂しいというか、そういう雰囲気を醸し出しています。
「小さい小さい」と繰り返したのもそうした空気を強く出したかったのかもしれません。それこそ感性の話で、分析して「小さい小さい」としたわけではないのですが、そのほうがいいと感じたんです。
というわけでしっかりした答えがあったわけではありませんが、文章を書かれる方は分析はせずとも本能的に言葉を選び、使い分けているんだと思います。
私も「小さな」と「小さい」の違いを理解した上で使い分けたわけではありません。ただ、そうしたほうが「しっくりくる」と思ったからなんですが、調べてみたらけっこう納得できました。調べてよかったです。
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