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かっこいい80歳の経営者 迫力がケタ違いだった。しびれるぜ!

随分前になるが、
倉庫用地を購入するために、
土地を探し回っていた。
そこで、高速インターチェンジから1分という、
大変立地が良いところを見つけた。

そこは広大な敷地で、
二分割で売りに出されている物件だった。

地元の有力企業が所有していて、
私も知っている会社だったので、
仲介業者を入れず直接交渉を行った。

分割だと、
1億8千万だけど、
一括だと3億だよ。
とそこの会長から直接金額を提示された。

なぜ、土地を探しているの?
と御年80歳の会長は、
興味深そうに質問してきた。

私は精一杯、事業の構想を話し、
想定金額より離れているから、
安くしてほしいと話をした。

うーん、
なるほどな!
とニヤリと笑いながら、
会長は自分のこれまでの生い立ちを、
静かに語りだした。

公共事業に関わる、その会社は、
10数年前には、
無駄を省くという国全体の方針で、
公共事業が激減し、
業績が大幅に縮小して、
大変苦労されたようだ。
業界では倒産する中小企業が、
続出した時期だった。

その中で、このままでは駄目だ!
そう思い、大きな借り入れを起こして、
広大な土地を購入したそうだ。

淡々と語るその口調が、
いかに凄いチャレンジだったか、
感じることができた。

よくよく聞いてみると、
このチャレンジをする前は、
うちの会社よりも、
1/3くらいの規模だったようで、
当時としては、
失敗したら確実に倒産してただろう金額を、
金融機関から借りたのだ。
しかし、現在はなんと!
うちの5倍くらい大きな会社になっている。

まあ、チャレンジした時は、
最後はなんでもありだな。
神頼みからなんでもしたよ。

と淡々と笑いながら話してくれた。
その姿は老練で、
まるで職人のような、
雰囲気を醸し出していた。

返済が心配???
一旦借りちゃえばこっちのもんだよ。
まあ、払えなければ、
ちょっと待ってくれよ。
そう言えばいいんだよw

3億円だぞ!
やってみないか?

経営の大先輩に
とてつもない器を見せつけられた瞬間だった。

結局、購入は諦めだが、
この時もらった会長の言葉は、
私の胸に深く刻まれた。

ああいうしびれる経営者になりたい!
そう思った。

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