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変えられる過去、変えられない未来 後編

「どうぞ、マイトンさん」

『喫茶 花』のコーヒーの香りが、二人と一匹の空気を少しだけ和らげる。

未だ納得の出来ない波は、それでもマイトンの言う事を受け入れる心の準備をしていた。


香りを味わい

一口、ゆっくりと飲んだマイトンは

冷たい印象の瞳をさらに険しくさせて話し始める。

          

僕たちがいた世界やこの世界に
無数のパラレルワールドへの繋がりが出来ている事は知っていたよね?

だから、
ダンの時空や空間を跳べる能力を使って
調べてもらったんだ。

その結果、わかった事がある。

僕たちは、愛殺文に関わる者すべてを排除すればいいと思ってた。

けれど、違ったんだ。

鍵になる人物は蒼林。

蒼林がいなくなると、
彼に代わって台頭してくる奴が出てくる。

そいつを蒼林より先に潰しておかないと
この時代から35年後に愛殺文が発動することになるんだ。

つまり、
僕たちと同じ運命をたどってしまう。



まず、改めて愛殺文の説明なんだけれど

愛殺文の発動には、
エネルギーの蓄積が必要になる。

そのエネルギーとは

みんなの挨拶


・・・ふざけてるよね。

おじいちゃんが大事にしてるのにさ。

そして、
この愛殺文のエネルギーの蓄積が開始されるタイミングが
僕たちが今いるこの時代。

で、蒼林なんだけど・・・
結論として

蒼林がワールドブルーにいると
愛殺文が発動しない。


勿論、愛殺文のエネルギー蓄積を開始させない事や、途中で止められるならその手段の方がいいんだけれど。


保険として、蒼林には無事にワールドブルー株式会社この会社を70歳の定年まで生き抜いてもらわないといけない。

ただ・・・蒼林は何故か、自身の身に危機が迫ったり、会社内の事で失脚しまくったり。と、

ワールドブルーを追い出される目に合う確率が高いんだ。


蒼林自身は愛殺文を発動させようとしているのに
彼がワールドブルーこの会社にいた方が発動しないなんて

          


「なんて無理ゲーだよって話だよね」

もはや冷めてしまったコーヒーで喉を潤し、マイトンは頭を抱えている波を面白そうに見た。

「ちょっと、待って。ごめん、一旦整理させて。理解が追いつかない」

波は気持ちを落ち着ける為にコーヒーを口に含み

深呼吸した後

「ごめん、ちょっと紙に書き出してみてくれる?」

とマイトンへ投げかけた

マイトンは古い皮の手帳をテーブルに広げて

ざっと、人物データを書き出す。



「にゃあ・・にゃーん(俺様は主がすぐ理解出来たことの方が驚きにゃ)」

「ん?ふっ、そうだね。でも僕だって、理解は出来てないよ、きっと」

ダンに優しい目を向け、マイトンはダンを膝の上に乗せた。

波は今度は手帳とにらっめこをしている。

ころころと変わるその表情をそっと見るのが、マイトンはいつも楽しかった。

「にゃ・・・(主、ちょっと顔が緩みすぎにゃ)」

ダンのツッコミに言葉で答える事も出来ず、マイトンはダンの頭をちょっとだけ乱暴に撫でた。


「蒼林に手を出せないのは・・・むしろ、状況によっては助ける必要があるのは分かった。けど、じゃあどうすればいいの?黒幕は?黒幕宣言をした蒼林をどうすればいいの?」

「今考えられる可能性としては2つある。
1つは蒼林が本当に自分が黒幕だと思っている、あるいは本当の黒幕にそういう風に思いこまされている。
もう1つは、あの場にいた、すぬ婆に変装した蒼林も、誰かの変装なのかもしれない。という可能性」

「ややこしすぎ!!」

「あはは!ホントにね!誰がこんな面倒くさい事考えたんだろうね!」

マイトンは椅子に座ったまま天を仰いで笑い

波は左手に手帳を持ち、右手を顎にあて、立ち上がり部屋を歩き回る。


「蒼林をキープしながら、黒幕を探る・・・」

「蒼林の上司、蒼木部長と連携を取ろうと思う。・・・おそらく、この選択で一旦は蒼林のワールドブルーからの退場の危機は免れていると思う」

はたと立ち止まり、波はマイトンをじっと見た。

「マイトンさん、最初は“駄目だったらまた時代を戻ればいいし”って言ってましたよね?案外と、それ、しないんですね?」

ダンを撫でているマイトンは、視線をダンから離さない。

「まぁ、何回も“初めまして”は精神的にもきついんじゃないかと思って。波だって、最近大きく動くまでは少し辟易してきてただろう?」

「にゃあん?(何かあったのかにゃ?)」



「・・・波の、喫茶店で働く姿もいいなと思っただけだよ」

「私は、マイトンさんが店にいると少し動きづらいです」

アハハ!と笑うマイトンの声に、少しピリッとした空気はすぐに流れた。

良くも悪くも踏み込まない二人の行く先は   




#ワールドブルー物語

#みんなで楽しむ
#蒼広樹
#黒ネコのダン


※この物語はフィクションです※
※ワールドブルー株式会社で働く人達と、その周辺の人達の物語をみんなが勝手に書いていく物語です。
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リアルのマイトンさんは1週間の投稿の動向をこちらに記しております↓

ワールドブルー物語設定と人物設定を纏めて頂いております✨
マジで感謝✨✨✨


おすぬさん
すぬ婆の原点でもあり、愛殺文の誕生でもある・・・
こんな事になるとは(笑)

マイトンさん
愛殺文を広げた男

小花さん
ダンの口調をまねるのに必死でした💦

アルロンさん
アルロンさんの設定が全部を纏められる助けになった。
つい面白さに気を取られるけど、
この設定マジで感謝しかない✨

最後に
蒼林の年齢と、現実の最近の定年退職の年齢についての動きを合わせると面白かった✨
「65歳からひきあげる動き」「70歳までは会社の努力義務」
※詳細は省きます

34歳という設定

マイトンと波と(世界線が一緒かは不明だけど)蒼木部長は35年後の世界。
こういう奇跡が楽しいんよ😁

あとがき
今回出さなくて、多分もうボツになるけど。
ちょっと考えてた構造があったんです。

それに皆の投稿を混ぜたら、
蒼林のすっごい厄災人生が出来ちゃった🤣
でもこれで、なんだかんだで生き残る・・・と思う(笑)

構想は火曜日に8割出来てたのは本当なんだけど、
どう文章で説明するかの表現力チャレンジだった・・・
難し😫
解るように書けたのかどうかも本当は熟考したいくらいなんだけど💦
解らなかったらごめんなさい💦

また別の設定をだれか出してください💦
もう全ギャグに振り切ってくれて構わないから💦


後は、前編で波の気持ちをハッキリさせてしまいました(苦笑)
マイトンさんには悪いな~と思いつつも、
やっぱり、創作したい気持ちが勝つんでしょうね。
ここまでした方が面白くなる
って、やり切ってしまう。

そして、裏付けなどはしたけど
ここまで完全に
思いつきで書いているので!

続きは本当に
考えてないよ( ᐛ )





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