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【散文詩小説】時代遅れの寵児シリーズ

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観察眼も文章力も感性もないのですが、とにかく書いてみようと、散文詩と小説の掛け合わせのような作品をひたすらに書いてます。重ねるごとに上手くなって行けたらいいなと思います♪
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#家族

【散文詩小説】時代遅れの寵児⑤親父

【散文詩小説】時代遅れの寵児⑤親父

昭和11年11月15日、
俺の親父は、
この世に生まれた。

幼い頃に両親をなくし、
兄弟丸ごと、
親戚に引き取られた。

中学卒業後に上京。
丁稚奉公から始まり、
自分で靴屋を始めた。

…が、鳴かず飛ばず。

母との結婚を機に、
店をたたみ、靴工場の
職人として会社勤めになる。

…が、給料は安い。

風呂なしアパート、
六畳ひと間で暮らす日々。

朝、一杯のインスタント
コーヒーで目を覚ます

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