きのこ(Mushroom/Kinoko)

メルボルンに住むきのこと申します。 ようやく文章を書く勇気を持てました。 冒険の日々、…

きのこ(Mushroom/Kinoko)

メルボルンに住むきのこと申します。 ようやく文章を書く勇気を持てました。 冒険の日々、読んだ本、旅の話などを思いつくままに書けたら良いなと思います。よろしくお願いします。

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私のココダトレイル物語

【きのこの冒険 2023】 気ままに、少しづつ書き溜めていきます。 ■登場人物 きのこ:私 軍曹:トレッキングの会社の代表 永遠の少年:軍曹のビジネスパートナー サメ子:ツアー参加者 天パぼうや:ツアー参加者 デンタルモデル:ツアー参加者 らんま1/2:ツアー参加者 セクシーボイス:ツアー参加者 ボス: ポーター&クルーを束ねる実質的にボスの立場の人 バニラ畑のヒーロー: 私のポーター ■第一章 ココダトレイルとの出会い 「何故日本人はココダトレイルを歩かないのか」

    • きのことココダトレイル「7日目: イスラバでのDawn Service(夜明け前の慰霊祭)」

       慰霊祭の当日。正確に記録に残そうと思います。 (1) 真っ暗闇の中の起床  オーストラリアの慰霊祭は日が登る直前の真っ暗闇の中、厳かに取り行われます。Dawn Service 、夜明け前の慰霊祭。 なぜこの時刻なのか。 戦場の最前線に置かれた兵士達が起床し、守備位置に配置された時間帯なのです。毎日決まった時刻に同じことを繰り返す。戦地から戻った兵士達は、この朝の軍隊でのお決まりの儀式を感慨深く思い出すそうです。そこから、この時間帯に慰霊祭が行われるようになりました。

      • きのことココダトレイル「6日目: ホタルがいた夜」

         日記を開いてみたら、この日は40超える川を渡ったらしいと書いてあります。天パぼうやとデンタルモデルのボーイズ達がカウントしていました。 (1) イスラバ  ここはパプアニューギニアのイスラバです。 オーストラリア軍エリート部隊の2/14部隊はこの山腹に司令部を設置。 1942年日本軍が海岸に上陸して南下、8月に最初の大きな戦闘があった場所です。オーストラリア軍は、2/14部隊の司令部を守ることに必死でした。 現在の様子からは、2002年以前にココダを歩いたトレッカー

        • きのことココダトレイル「6日目: イスラバへの道のり」

           翌日、小雨の中の出発。 いよいよイスラバへと向かいます。 この辺りには、あちこちに石碑があり、歴史を説明するプレートが打ち付けられた岩がありました。戦争に使われた日用品、武器があちこちから出土されていることからも、厳しい戦いが強いられた事が想像できます。 まだ私の知識ではこのココダの戦いの片鱗を語る知識もないので、それはまたいつかの課題として、トレイルを歩いて私が見たもの、感情が動いたところを中心に、私のココダトレイルとして最後まで書き綴ることが出来たら良しとします。最

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        私のココダトレイル物語

          タイタニックから生還した日本人

           メルボルンで話題のタイタニック展に先日行ってまいりました。キュレーションは素晴らしく、見応えがあったと聞いていました。 そこから不思議な出会いがあったので、私の気付きや、感想をベースにタイタニックについて少し思いを馳せたいと思います。 ◾️その前に  アメリカに滞在していた小学校に上がった頃、テレビで見た1972年制作の『POSEIDON ADVENTURE』。1942年、RMS Queen Mary号が27m近い波であわや転覆というストーリーを元にした…ホラーな船舶

          タイタニックから生還した日本人

          きのことココダトレイル「5日目: ヘリ搬送1日に3組…?」

          (1) 引き継ぎ  軍曹の体調に合わせてゆっくり下ったところに小さな村がありました。すぐさま休憩用の小屋が用意され軍曹は横たわる。 緊急の衛星携帯電話を取り出し、受け取った天パぼうやは電波を確認。 ダメだ電波が入らない。 少し谷間に位置する為、電波は届かず。何人かのパプアニューギニアのクルーと一緒に、もと来た道を登り直すことになりました。 じゃあ行ってくる。 残されたのは軍曹と4人。 軍曹は力を振り絞りながらリュックから荷物を取り出し引き継ぎを始める。まずは

          きのことココダトレイル「5日目: ヘリ搬送1日に3組…?」

          きのことココダトレイル「5日目: ヘリコプターを呼んでくれ…」

          (1) B25 墜落の残骸  少し書き忘れたことを書き足したいと思います。 滞在した村の近くに小さなクレーターがありそこに第二次世界大戦中に墜落したB-25戦闘機”The Happy Legend”の残骸が残っています。 マヨラから戻る途中に寄る。 1942年12月最後のフライト。ブナ(Buna)海岸の日本部隊を攻撃する為に編成された航空部隊は12月5日に基地を出発。離陸した姿は確認されたが、雲の上に浮上することはなかったという。戦後航空部隊の他のパイロットの情報を

          きのことココダトレイル「5日目: ヘリコプターを呼んでくれ…」

          きのことココダトレイル「4日目:心のカケラを置いてきました」

          (1) 日記から振り返る4日目  日記を読んでみました。少し時間が前後していまいますが、ここに書かれている事項から少し振り返ってみたいと思います。 だんだんと怪我をしていない人がいない状態になってきた。皆何かしら問題を抱えている。大半は足に問題を抱えている。頭痛がひどい人も1人、軍曹は荷物を持てない日がある。普段は休憩しないで弾丸で歩く人なのにかなりこまめに休憩をとっている。これはチームの体力に合わせているからか…(後々本人の体調がただ悪かっただけなこと分かりましたが…

          きのことココダトレイル「4日目:心のカケラを置いてきました」

          きのことココダトレイル「4日目: 体が重い…」

             トレイルで1番キツイのは3日目のルートと言われており、一緒に歩いた皆、最終的な感想もそのように落ち着いていましたが、私にとって1番きつかったのはこの4日目になりました。ちょっと地図や日記で何が辛かったのか考え直してみようと思います。 確実に疲れはたまってきている(日記には、体の動きの鈍さ、悪さ、足に錘がある感じと体調がベストではないのが分かります。ロングトレイルって日々の体調の変化と折り合いつけながら必死こいて前進していくんですね) 肉体的苦痛と常に戦場で戦った兵

          きのことココダトレイル「4日目: 体が重い…」

          きのことココダトレイル「3日目: 3日目に思ったこと」

          (1) 人間を超越した人、西村幸吉さん  高知連隊の一兵士である西村幸吉さん。戦時中に所属した小隊は自分以外全滅。しかしながら小隊の全ての方の戦死した場所、時刻は5分刻みのデータで書き残し、そして負傷の状態も具体的に記録。(祖父たちの戦争 高知新聞社 p47)この書き留めた情報は死の危機を何度も掻い潜り、ビルマに向かう自身の乗船する船が魚雷で転覆したのにも関わらず肌身離さず持ち続けられました。 戦後、戦時中の情報は処分するようにとの政府から通達にも従わず。生き残った者の

          きのことココダトレイル「3日目: 3日目に思ったこと」

          きのこ「初GIF 作成記念日」2024.3.23 更新

          (1) GIF 作成記念日 ちょっとやってみたかったことをやってみました。 動く写真、GIFを作ること。 今日はクリエイティブなことができたなと ちょっと朝から嬉しく思っています。 ※上の写真は富士山登頂を紫芋使用し作ったサラダ ここまでが朝一番。 (2) 🍄を私のLIVE動画に入れ込む 絵も描いてみました笑 少しクリエイティブな何かをしたい気持ちがフツフツと湧き上がっています この絵を、3Dなんちゃらとかいうものを使ってLive動画の私にまとわり付かせて撮影

          きのこ「初GIF 作成記念日」2024.3.23 更新

          きのこの冒険「ニュージーランド🇳🇿トレイルへのプレリュード(NW circuit)」

          ◾️はじめに  ニュージーランド南端の街、インバーカーギル(Invercargill)。地図で見ているとその位置からして胸が高鳴りますが、自分の中のまだ見たことのない世界の白地図の部分。ここに私なりの彩をつけてみたい、冒険したい心をくすぐられる場所です。 さて時は遡り2022年の12月に初めてこの地に降り立ちました。向かった先は更に南のオバーン(Oban)という港町 。ここからボートに乗り南極圏の島々を訪れました。その旅から戻り、下船。この時の旅行者の一部は更に旅を続け、

          きのこの冒険「ニュージーランド🇳🇿トレイルへのプレリュード(NW circuit)」

          きのこの冒険「ニュージーランド🇳🇿スチュアート島まとめ」

           ニュージーランド最南端、スチュアート島のことをざっくりとメモ程度に纏めてみました。1年275日、雨が降る島と言われており、島の85%が国立公園。野生のキウイ(鳥⭕️果物❌人❌)や、ペンギン(12月-3月)、珍しい鳥が生息する動物たちの王国。 ところによって南極圏の植物が育ち、シダや湿地帯の植物に覆われ、キウイがかくれんぼするように走りまわる。森林地帯はマキ科の木々が生い茂り、砂丘地帯にはこの島固有の植物や花を目にする事ができます。 ◾️アクセス ✈️Invercargi

          きのこの冒険「ニュージーランド🇳🇿スチュアート島まとめ」

          きのことココダトレイル「3日目:トレイルで一番キツイ日」

           軍曹曰く、トレイルで1番きつい日。 夜はニワトリの鳴き声はなくて快適に眠れたが、起きるのがキツかった、メンタルは大丈夫だが、体がだるいというメモが残る。 朝のブリーフィングも変わらず、登ったら下り、川を渡り、また登り、下る。なんだか別に毎朝のブリーフィングはなくてもいいかもと思い始めました。 この日は朝食を食べたのに歩き始めて1時間後にお腹が空きました。朝食はだいたい決まっていて、シリアル時々パンケーキ。なんとなく今になってみると、白米と比べると腹持ちが良くない気

          きのことココダトレイル「3日目:トレイルで一番キツイ日」

          きのこの冒険「Melbourne NGV Triennialで出会うコンゴ」

          (1)『闇の奥』との出会い ベルギーに滞在時、WW2と西洋社会の植民地政策を考えた時に出会った本があります。日本はそんなに世の中の悪を全て背負わせられなければならない位、悪かったのか、、と自分の中でもがいていました。 『闇の奥』ジョセフコンラッド著 ベルギー領コンゴを題材にした名作。時は初期の植民地時代、象牙の取引に注目を集めるコンゴ。船長のマローウはコンゴ川を舞台に異質なものや人間の本質的なものを目の当たりにして、それを自分の内面にもあると葛藤して静かに闇を認め

          きのこの冒険「Melbourne NGV Triennialで出会うコンゴ」

          きのことココダトレイル「トレイル二日目 あなたならどうするか」

          もう少し2日目について書き足します。 (1) あなたならどうするか  Maguli 山脈を上り切る手前、少し開けた場所がありました。木は最近切り倒した、切り株の切り跡が生々しい。その開けた場所に辿り着く手前には両脇の木の幹に多数の切り傷が。何か異様な光景でした。 「ここで今年トレッカーが1人命を落としたんだ」 軍曹が言いました。 辺りに静寂が生まれ、皆の思考がカチッ、カチッと動く音が聞こえる気がしました。 2023年のアンザックデーの後の最初のトレッキングツアー、

          きのことココダトレイル「トレイル二日目 あなたならどうするか」