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きのことココダトレイル「6日目: ホタルがいた夜」

 日記を開いてみたら、この日は40超える川を渡ったらしいと書いてあります。天パぼうやとデンタルモデルのボーイズ達がカウントしていました。



(1) イスラバ

 ここはパプアニューギニアのイスラバです。
オーストラリア軍エリート部隊の2/14部隊はこの山腹に司令部を設置。

1942年日本軍が海岸に上陸して南下、8月に最初の大きな戦闘があった場所です。オーストラリア軍は、2/14部隊の司令部を守ることに必死でした。

現在の様子からは、2002年以前にココダを歩いたトレッカーの目には、メインのトレイル以外は何もなく、ジャングルの木々に覆われた場所だったというのが信じられない位に綺麗に整備されています。

戦闘60年の2002年に、山の中腹、ココダ方面を眺める位置にオーストラリアとパプアニューギニアの慰霊碑が作られました。

そして、トレイルを歩くグループはここで慰霊祭を行う事が慣習になっています。オーストラリア軍の整備管轄。

当時の戦闘の様子は戦後様々な角度で調査され、ここの説明だけでも相当な時間がかかると思われます。

そこに本来であれば説明をしてくれるはずの軍曹の姿はなく、皆各自、まずはそれぞれのペースで見学。

慰霊碑
立派なものでした

分かっちゃー、いたけど、パプアニューギニアの山奥のイスラバで、この立派な慰霊碑を見て、涙が止まらなくなったのを思い出してます…

「敗戦国は兵士を弔う事も許されないのか!」
「何この、扱いの違い…」
「80年もたった今でも辱められている兵士達」
「祖父達が戦わされたことを忘れようとしてる日本人ってなんなの?みたいな(そこから学ばなきゃダメだろう!)」

体の疲れ、精神的な疲れが同時に押し寄せて感情がぐちゃぐちゃ😭

丁寧に見てまわりました。

(2) その前に…

この日のキャンプ地。

シャワー🚿
ちょっと透けていますが…
最高でした
ダイニングエリア
まずはシャワーと
テン場の衣類に着替える事

(3) 慰霊碑へ

Kokoda Track 1942 忘れない決意
Courage 勇気
(それぞれ3.5トンの石をオーストラリアから運んでいます)
Endurance 忍耐、耐久
Mateship 仲間への愛
Sacrifice 犠牲

写真だけ見直しても胸を打ちます。

(3) Pte Bruce Kingsbury VIC州(2/14部隊所属)

 1人オーストラリア側の兵士で触れておきたい方がいます。2/14部隊のPrivate Kingsbury、24歳。

山の上、西斜面を下り攻め込む日本軍から軍部のHQを守るべく、決死の覚悟で1人マシンガンで日本軍を谷に押し戻す。そしてオーストラリアの部隊の道を切り開く。

オーストラリア側のギリギリの攻防戦で、もうダメだと思われた時の彼の勇敢な行動で、オーストラリア側は短時間で部隊を立て直し、日本軍にHQに壊滅的なダメージを与える隙を与えなかったということで大きく評価されているのです。

銃弾が切れ、岩陰に隠れたKingsbury氏。弾を装填最中に日本側のスナイパーに撃たれ死亡。

Private Kingsbury
この岩の脇で銃弾に倒れたそう

とても丁寧に歴史が調べられて後世に残すオーストラリア側の努力に。敬礼。

ちなみにビクトリア州プレストン出身の彼ですが、現在メルボルン郊外に彼の名前の街があります。そして、1918年1月8日生まれ。私と同じ誕生日。不思議なご縁を感じて暫くその場で時間を過ごしました。

(4) ホタルがいた夜


 1人で向き合う時間。

そして腫れぼったい顔でしたが、更にひどい顔、目を腫らしてキャンプ地に戻る。

そこで目にしたもの…
ただでさえ、涙腺緩い組なのに、、いかん、、
これもいかん、、、

テント周りが飾られていました
ありがとう……

そして、ボスと海岸地帯のツアーの打ち合わせ。
今回私はどうしても日本軍が上陸した海岸地帯に行きたかったのです。

その時に伝えた事。
「プライベートの車と運転手はいる、、もしも貴方のチームの中で戦争の教育の一環として、この地に連れていきたい人がいたら、もう1人位乗れるスペースはある。ただし、教育の一環。宿と食事代ならば出せる…」

この時に自分がこの先どんなトラブルに巻き込まれるのか想像することもなく、少し良い事ができたかな、、位の気持ちでいました。

その会話の時に、一匹、季節外れの蛍がひょろひょろと飛んでいました。

「ホタル…」

ボスは気に留めていません。
もう一度…小声で…

「ホタルがいた…」

何か、、ホタルと兵士や亡くなった魂を重ねるような話があちこちにありますが、それが過りました。

目でひょろひょろ力なく飛ぶ姿をずっと見つめ、、
光が見えなくなるまで目で追っていました。

今晩はホタルが見られるのかなと思いましたが、それ以降目を凝らして探し続けましたが見つける事はできませんでした。 


こんな風に日記に綴られています
私の感情の記憶が詰まった日記✨

もともと字は綺麗な方ではありませんが、1日の終わり、それも歩いた後に書いたのであれば上出来✨

読めますから…ハードル低っ。笑

(おしまい)
読んでくださってありがとうございました。

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