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きのことココダトレイル「3日目:トレイルで一番キツイ日」

 


 軍曹曰く、トレイルで1番きつい日。
夜はニワトリの鳴き声はなくて快適に眠れたが、起きるのがキツかった、メンタルは大丈夫だが、体がだるいというメモが残る。

朝のブリーフィングも変わらず、登ったら下り、川を渡り、また登り、下る。なんだか別に毎朝のブリーフィングはなくてもいいかもと思い始めました。

この日は朝食を食べたのに歩き始めて1時間後にお腹が空きました。朝食はだいたい決まっていて、シリアル時々パンケーキ。なんとなく今になってみると、白米と比べると腹持ちが良くない気はしますが、その時には別に食べるものを毎朝用意してもらえる事が普通に嬉しかったのを思い出します。

朝食ドーナツの日

(1)トレイルの食事について

ココダトレイルの食事は全て現地クルーが準備してくれます。我々が歩く本道と、ショートカットがあり、あるタイミングでそちらを使い先に村で火をおこし昼食を準備してくれます。限られた食材で本当に色々な工夫をしてくれました。

お肉は缶入りのお肉でだいたいスパムに似たようなものとか、コンビーフ、チキンとかツナ…不思議とどれも似たような味がしました。

ツアー参加者とクルーでは食べるものが違いました。クルーは基本白米か、ラーメン。

量はハードな日程の後にしては少なめに感じました。もう少し食べたいなと思う時も実はありました。

以下、スタンディングオベーションだったランチをご紹介。

これは最高でした…😋
ポーター&クルーのお食事

(2) 1番きつい日

ほぼ全員、3日目が1番肉体的に、精神的に辛かったと言っていました。The wall 、「壁」と呼ばれる難所を超えて谷に降りるとBrigadeの登りと下り、最後にEfogi1まで登り宿泊。

実はこの日、不思議なことに私はそれ程キツくなかったのです。私の本当の試練はまだ先。

この日、軍曹の体調が悪化を辿り、荷物を一切持てなくなっていました。何が起きたのか?皆異変に気づく。荷物を持てないのは相当な状態。

(3)すれ違うトレッカー

「壁」を登る途中、北から南に歩く集団とすれ違う。

私はこの機会を利用して大きな声で日本語でご挨拶することを思いつく。

「こんにちは」

森で眠る兵士に日本語届け!!

そこで、すれ違うグループの若者から
「日本人ですか?」
と日本語で話しかけられた。
「はい。あなたも?」
明らかにオーストラリア人の顔立ちの彼は日本語で
「母が日本人です!」
とにこやかに答える。娘と同じ高校生か大学生。
「頑張ろうね!」
青年は爽やかに
「はい!」
なんだか嬉しくなった。

日本人がココダトレイル歩いている!
更に挨拶の声に力が入る。
「こんにちは!!」
(道を譲ってくれて)
「ありがとう!」
(危ない箇所)
「気をつけて!」
何も恥ずることはない。

私は日本人です。
祖父達の戦った地で祈りを捧げたいと思っています!!

「壁」を登りきったところ

(4) Haiku 俳句

また川を渡り、登りに入ったところで、セクシーボイスが、僕、日本の俳句が好きなんだといいました。

“I've always loved the haiku as a form of poetry because they embody the idea that less is more.”

「僕は詩の一つの形として俳句が大好き。引き算で極限まで削いだものが豊かで美しいんだと教えてくれる。」

私は一瞬、俳句…短歌…
どっちがどっちだ?とよぎりましたが、、(ヤベ)

セクシーボイスが俳句を作り始めました。
キツイ登りを皆呼吸は荒く、、それでも単語を繋ぎ始めました。

皆出来たところで発表。

残念ながら皆の素敵な俳句を全て書き留められていませんが、登りのきつさを忘れられる楽しい時間になりました。

何より、敵国日本の俳句をココダトレイルで作る我々のグループ…感動の波が襲ってきました。

作品を幾つかご紹介。

Mud below my feet
Paradise above my head
Remembrance is key

足元は泥
頭上にパラダイス
鍵は記憶に留めること

Road of grandfathers
Paradise bird above
Lest we forget

祖父の道
極楽鳥が飛ぶ
忘れないこと

What an absurd!
Fruitless fight for nothing
Praying for grandfathers

馬鹿げてる
意味ない戦闘
祖父に祈りを込めて

In peaceful world
You might have become mates
No more war

平和な時勢
友になれた人々
不戦の世に

All my wish
Soldiers to be treated equally
No enemy or kin

願いは一つ
兵士が平等に扱われること
敵味方ない世の中

(5) Brigade Hill の戦い

バトルサイトに到着。Brigade Hill の戦時中の別名、Butcher’s Hill(肉屋の丘)日本軍の勢いがあり、激しい戦いが繰り広げられたそう。双方、多数の死者を出す。

ダイヤモンド型の布陣で丘の後方に本陣を置くオーストラリア軍のど真ん中、あり得ない急な崖を登り突如現れた日本軍。敵をかき乱す。慌てた豪州軍は、医師や看護婦にも攻撃命令を出したという。

死者を多数出しながらも日本軍優勢で、オーストラリア軍は後退。

合掌🙏

(おしまい)
読んでくださってありがとうございます。

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