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きのこの冒険「Melbourne NGV Triennialで出会うコンゴ」


(1)『闇の奥』との出会い

ベルギーに滞在時、WW2と西洋社会の植民地政策を考えた時に出会った本があります。日本はそんなに世の中の悪を全て背負わせられなければならない位、悪かったのか、、と自分の中でもがいていました。

『闇の奥』ジョセフコンラッド著

ベルギー領コンゴを題材にした名作。時は初期の植民地時代、象牙の取引に注目を集めるコンゴ。船長のマローウはコンゴ川を舞台に異質なものや人間の本質的なものを目の当たりにして、それを自分の内面にもあると葛藤して静かに闇を認め、内側を深く深くみつめている。漆黒、何も言わずに静かに流れるコンゴ川と重なる心の風景。

そんな作品だった気がします。
間違っていたらごめんなさい…🙏

出会った本

(2) 藤森茂さんとの出会い

何度も読み返したある日(補足…何度読み直しても良い本でも残らない、、、多分読書とは、その瞬間の化学反応を楽しむものと思っている様子)、ようやく翻訳は物理学者の藤森茂さんという部分に目がいきました。

カナダ在住の物理学者の藤森さんが訳していることに不思議を感じていました。そこから少し興味を持ち見つけたのが、藤森さんの『私の闇の奥』というブログ。

難解な内容ですが、現在の世界の問題をあちこちのソースを読み込んだ上で日本語で発信するようなブログで、食い入る様に読む。今現在98歳です。私は深く世界情勢を理解しているわけではないので、内容と自分の理解にギャップを感じていましたがなんとか文字を追う。

海外では日本語不足になるので必死にしがみついて読んでいました。

blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru

(3) メルボルンのNGVで開催中のトリエンナーレ


昨日美術館でみた作品にあっと驚きました。
『植民地政策と抽象画(colonialism and abstract art』という作品。

植民地政策と抽象画

1936年の『キュビズムと抽象画』というMoMAの作品をベースに植民地時代のコンゴを書き加えて発展させた作品です。

オリジナルの『cubism and abstract art』の絵は、左上に日本の版画という文字がありキュビズムの原点とされる。

一見の価値ありです。

https://www.moma.org/momaorg/shared/pdfs/docs/archives/InventingAbstraction_GLowry_359_363.pdf

(4)コンゴという国

この作品から、象牙のトレードからスタート。そして年代を追い取引(搾取)された品々、労働力…を確認。

図の中央、右に小さくウラニウム鉱が見つかるとありますね。

矢印を辿るとWW2、広島にたどり着きます。
投下された原爆にはコンゴ産のウラニウムが使われました。

(長崎は?!…あれ……🧐)

私の中の気付きがまとまっていた一枚の作品。
暫く眺めていました。

(5) まとめ

私の中で流れ的に一つ完結したのか。

この作品を見るために昨日は出かけたのではなかろうかという作品でした。トリエンナーレ他の作品もじっくり見てみたいです。

そして日本はそんなに悪かったのか??という問いがありました。

そして歴史を俯瞰しながら、だんだんと日本だけを悪者にしないで…変な意味での自虐史観は自分の中で取り払いたいと思っています。

でも、、自虐史観をなじる人々はかなりの割合で近寄りたくない……

生きているだけで恐らく生存競争で勝ち抜いた側にいて、罪を負って生まれているという感覚もないことはないのです。

コンゴという国、コンゴ川は生きている間に訪れてみたい場所の一つです。

いつか行きます

(おしまい)
読んでくださってありがとうございました。

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