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知の学びを創造する者
2023年11月28日 10:40
上手くは説明できないが、彼女はその日、少しイラついていた。なぜ、そう思ったのだろうか。同じ店で毎朝買ってくるコーヒーを片手に持ち、自分のデスクの上に置いた音が微かに大きかったからなのかもしれない。あるいは普段は使うことのないボールペンをペンケースから取り出し、ササッとメモを書き始めたからなのかもしれない。特に目立った訳ではなかったが、それがこれまでの雰囲気と違ったのは確
2023年11月18日 00:39
変な世界だった。人々は傘を反対に差していた。しかし、それを誰しも疑うことはなかった。雨はどんどん溜まっていく。「持ち手が小さいから、雨の重さで手が痛くなるんだよね」と言っていた。僕は変だなと思った。次の日、人々はサングラスを後頭部につけていた。しかし、誰も気にせず街を歩いていた。太陽は容赦なく照りつけた。「今日は眩しいな。眩しくて歩けやしない」と言っていた。
2023年11月14日 00:42
「ねぇ、いつになったら会えるの?」遠距離を始めてから3ヵ月が経った。「うーん、どうかな。出張の予定が入ってるからさ」「そうなんだ、忙しいのは分かってるけど」「ここ最近立て込んでて、悪い、ちょっと電話入ったから切るね」そう言って、彼は私との電話を終わらせる。しょうがない、分かってる。私がすぐに会いに行ける距離じゃない。そう言い聞かせながら、満たされない私は推しのラ