マガジンのカバー画像

アートとわたし

75
私の美術館巡り、アートに関する書籍を読んでの感想の他、アートに関わるクリエイターさんの記事を載せています。
運営しているクリエイター

#美術鑑賞

【アート日記】 美術館でブロンズ像に触れて感じてみた

先日、東京のアーティゾン美術館でブランクーシの彫刻を鑑賞しました。 それまでは彫刻にはあまり興味がありませんでしたが、この企画展で大きな刺激を受けたのでした。 彫刻家はどんな気持ちで掘るのだろう。 なぜ、この部分をこのような形にしたのだろう。 そのような疑問を抱きつつ、今回は、佐川美術館(滋賀県守山市)の友の会のイベントである、「触れて感じる彫刻鑑賞会」に参加しました。 佐藤忠良の常設展示の作品に実際に触れる、貴重な機会でした。 普段から、この常設展示で、間近で作品を

【アート日記】 ギャラリーはあたたかで自由な空間だった

先日、ギャラリーの本を読み、無性にギャラリーへ行きたくなり、早速行ってみました。 読書日記はこちら↓ と言っても、ギャラリーほぼ初心者の私は、どこがよいのかわからず、とりあえずGoogleで検索をしたのでした。 そこで、一軒のギャラリーではなく、百貨店の中にあるものでしたら初心者には敷居が高くないかな、と思い、大丸梅田店のART GALLERY UMEDAを選びました。 松原あゆみさんの個展「内在」が開かれていました。 花、葉などの自然物の、比較的小ぶりの絵が多く、どの絵

【アート日記】 絵画の額縁を堪能しました

先日、国立西洋美術館へ行きました。 以前から「行きたい行きたい」とずっと思っていて、やっと実現しました。 企画展もしていたのですが、私の最大の目的は常設展。 常設展のある会場の部屋の作りや展示の仕方に興味があったのです。 松方コレクションを中心とした作品は、予想以上にどれも素晴らしいものでした。 その中で、今回、特に注目したのは、絵画の額縁です。 かねてから、額縁に関心があり、以前、noteにも記事を書きました。 その記事はこちら。 素晴らしい絵画を飾る額縁。 絵画を飾る当

【アート日記】 山下清展・樂直入展(佐川美術館)へ行く

新年度で忙しくしている中、ちょっと日常を離れたくなり、滋賀県守山市にある佐川美術館へ行ってきました。 メインは「山下清展 百年目の大回想」。 3月に行った時には、依然として感染対策がなされていましたが、今回行くと、通路の一方通行用のロープは取り除かれ、あちこちにあった感染予防を喚起する貼り紙もなくなっていました。 以前の開放感が復活しており、まさに日常から離れるにはとてもよい空間に戻っており、うれしかったです。 さて、山下清展は・・・ 貼り絵、ペン画、水彩画、油彩画、陶磁

【読書日記】 「アートがわかると世の中が見えてくる」を読む

「はじめに」の“美術がわかるということは感じることではない”の言葉に惹かれて読みました。 第一刷:2021年2月5日 発行元:IBCパブリッシング株式会社 著者:前﨑 信也 内容:学校では教えない、芸術文化を理解するために必要な知識 この世の中でどのくらいの人が「美術」を「わかって」いるでしょうか。 「美術で感動すること」と「美術を理解すること」は違います。 生まれ持った感性は美術を理解するためには必要ないのです。 本書では、これまでの美術史本には書かれてこなか った、日本

【読書日記】 「CONTACT ART 原田マハの名画鑑賞術」を読む

「確か同じタイトルの番組がWOWOWで放送されていたなあ」「WOWOWは契約していないから、見たくても見れなかったんだ」と、待望の書籍を読みました。 第一刷:2022年10月25日 発行元:株式会社 幻冬社 著者:原田 マハ 内容:アート小説の大家が日本全国の美術館を巡り至宝とコンタクト。 モネ、ルソー、セザンヌ、ウオーホル、東山魁夷、草間彌生――。 古今東西の今見るべき名画を厳選し徹底解説。(amazonより) 美しい本!原田マハさんの本はどれも表紙が素敵ですが、この本

【読書日記】 「すべてのドアは、入り口である。現代アートに親しむための6つのアクセス」を読む

私にとって、「よくわからない」現代アートに少しでも近づきたくて、読んでみました。 第一刷:平成26年12月20日 発行所:祥伝社 著者:原田 マハ   高橋瑞木 内容:『楽園のカンヴァス』『ジヴェルニーの食卓』の著者、小説家・原田マハと 水戸芸術館現代美術センター・主任学芸員、高橋瑞木が贈る「わからない」が「面白い」に変わる現代アートのはなし。(amazonより) 第3のドア 「二人が選ぶ、今知っておきたいアーティスト」が心に響いた私が最も心に響いたのは、第3のドアの章で

【読書日記】 「自分だけの答え」が見つかる13歳からのアート思考 を読む

著者の末永さんがラジオでこの本について語られていたのを聞き、興味を持ちました。 第1刷:2020年2月19日 発行元:ダイヤモンド社 著者:末永 幸歩 内容:「こんな授業が受けたかった! 」「この美術、おもしろすぎる…!!」 700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちも心から感動する「美術」の授業!! 20世紀アートを代表する6作品で「アーティストのように考える方法」がわかる!(Amazonより) 「アートという植物」この本のオリエンテーションでは「アート思考ってなんだろ

【読書日記】 「初老耽美派よろめき美術鑑賞術」を読む

高橋明也さん、冨田章さん、山下裕二さんの3人の対談、「おもしろくないはずがない」と読み始め、あっという間に読み終えました。 第1刷:2019年12月5日 発行元:毎日新聞出版 著者:高橋明也 冨田章 山下裕二 内容:名画・名作を堪能したい! と思っても、人気の展覧会はどこも激混み。意外に初老のカラダにはきついもの。加えて、いまさら熱心に美術の“お勉強"もつらい……。そんなお悩みを解決する1冊。仲良し美術史家3人によるユニット「初老耽美派」が常設展をめぐって楽しみ方を紹介!

美術鑑賞は私語厳禁?そこにワクワクはあるのかい?

こんなツイートを目にしました。『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』(すいません、未読です)の著者の川内さんのつぶやきです。 美術館は静かに鑑賞する場所だから私語はつつしむべきである、という意見が、多数派を占めるのかなと思います。学芸員としてはどう考えているか、ちと私見を述べさせてください。別に正解だとは思っていませんが。 結論から言ってしまうと 遠慮せずたくさん会話をしてほしい、です。 なぜなら、美術館は知的興奮を味わう場所であってほしい、と考えているからです。

【読書日記】 「世界一わかりやすい美術鑑賞ドリル」を読む

素敵な本を見つけました。著者は「美術系YouTuberいとはる」とあり、初めて目にする名前、興味津々で手に取りました。 第1刷:2021年10月15日 発行元:株式会社 サンマーク出版 著者:いとはる 内容:西洋絵画を見ることが好き。美術館にもたまに行く。……でも、絵の見方がわからない。そんな美術初心者・中級者に向け、国内トップクラスの美術系YouTuberである著者が、知識やセンスのいらない鑑賞方法を「問題形式」でお伝えします。(Amazonより) 絵がたくさんでうっと