アザーズ(other's)4話

〇ヴァラスキャルブ作戦本部

  ケイ「ついてこい・・」
  ケイはぶっきらぼうに言った。その顔はペレの意思を尊重しているようには見えない。
  ペレは不安な顔をしつつもケイについていく。連絡等から作戦本部を道なりに進むと、扉が見えてきた。
  扉の前でケイが立ち止まる。
  ケイ「よしついたぞ。」
  ペレ「ついたって、ここは?」
  ケイ「ここでお前の能力を鍛える!」
  ペレ「特訓!」
  ケイ「ただ先に教えておくことがある。」
  「さっき、バクの能力を人が使う場合3つの肩があるって話は覚えてるな?」
  ペレ「・・『武器型』『抽出型」・・・層状型?」
  ケイ「『操縦型』な!!」(お約束じゃねえんだよ‥)
  ケイ「いいか、今後バクやバクの能力者と戦う機会もあるだろうから
     基本を教えておく。能力者同士の戦闘になったときに必要なものは何だと思う?」
  ペレ「んー。」(急に言われてもな‥)
    「相性?」
  ケイ「確かに、相性は大切だ。相手と自分のレベルが上がれば上がるほど、相手との相性が勝敗を分ける。」
    「ただ、能力をつかう上で必要なものは「集中力」だ。」
  ペレ「ふ、ふむ?」
  ラウィーネ「そこから先は私に任せてもらえるかな?」  
  ケイ「あれ?なんでシルヴィアが来るのさ?」
  シルヴィア「他のが任務で出張ってるからな、私しか人員がいないんだよ・・。」
  シルヴィアは少しつらそうな表情でそういう。
  ペレ「ってことはシルヴィアさんが?」
  ケイ「そう、こいつも「抽出型」なんだよ・・」
  シルヴィア(コイツだあ・・?)
  ケイ「あ、シルヴィア・・さんは・・です」
    「てなわけでこれからの特訓は、シルヴィアと行うこと!
     元々凄腕だったんだから、色々と教わるように」
  シルヴィア「ペレ、先に部屋に入っていなさい。すぐ私も向かうから」
  ペレ「はい!」(うまくできるかな‥)
  ペレは緊張しつつも少し楽しそうに、ほおを緩ませる。
  ケイ「じゃあ、頼むぜ」
  シルヴィア「本当にいいのか?」
  ケイ「あいつはまだ実践に出てこれるレベルじゃない。あいつを待って
    ちんたらしてたら、せっかくの情報を逃す可能性もある。」
  シルヴィア「もう顔は割れているんだろ?」
  ケイ「関係ないさ。俺だぜ。」
  シルヴィアはやれやれといった表情でため息をつく。

〇ヴァラスキャルブ訓練場
  ペレは、初めて見る訓練場の中で目を輝かせていた。そこには、
  仮想ではあるが、街並み(2022年にもあるような普通の街並み)が広がっていた。
  シルヴィア「ここは、ヴァーチャルで作り上げた仮想空間だ。実際にあるようなこの街並みも仮想。ここで起こることのほとんどは現実に蓄積されることはない。私たちの攻撃も、その傷もすべて部屋を出ればなかったことになる。」
    「ただ一点。ここでの経験はすべて記憶される。」
  ペレ「!!」
  シルヴィア「つまり能力や武器の扱いを特訓するにはもってこいの場所
        なんだ」
    「実際のフィジカルは、自分で何とかしろ」 
  シルヴィア「よし、ペレさっきの話の続きをまずはしよう。」
       「ケイが言ってた、能力者にとって大事なものは何だ?」
  ペレ「!・・集中力!!」
  シルヴィア「そうだ、具体的に集中力には段階が存在する。『意識』、『集中』、『フロー』、『ゾーン』だ。」
       「そうだな、わかりやすく今回はペレの能力を使って説明しよう。『意識』は一番最初、火おこしの段階だ。自分の能力を体から発現させる!!」
  ペレM「あ、あの時私がやったやつか・・!」
  × × ×
  ペレM「自分と向き合うしかない、集中しろ。あの時の感覚を思い出
      せ。」
     「腹の底のもう一人の自分と向き合うような感覚」
  × × ×
  シルヴィア「次の『集中』で火力を揚げる。」
       「『フロー』でそれ操る!」
  ペレ「・・・。後半ざつじゃない?」
  シルヴィア「・・ぃ。いいのよ最初はこんなもんで」
  ペレM「この人説明下手なんだな。」
  シルヴィア「と、とにかく!今言った手順をしっかりとできればまた前みたいに能力を使えるようになる。しっかり特訓するぞ。」
  ペレ「うん。あれ?最後のやつは?」
  シルヴィア「『ゾーン』については今はまだいい・・。」
  シルヴィアM「この子はカゲルに操られていた時は能力を扱えていた。
  しかしそれは無理やりであったため。支配下から逃れた今もう一度能力を扱うには自分で模索していくしかないな。」
  シルヴィア「さあ、始めるぞ。」
  ペレ「はい!」
  ペレM「ようやく始まる!待っててね。卑弥呼」
  シルヴィア「それでは最初にペレ・・」
  ペレ「ゴクリ・・」
  シルヴィア「趣味は?」
  ペレ「ほえ・・?」

〇サルべ村内のカゲルの家
  カゲル「や、やめろ!頼む!命だけは助けてくれ!」
  ラウィーネ「なんであたしがそんな譲歩してやらなきゃいかんのよ。」
     「あんたの余計な一言のせいで、ここにワタリガラスが来る
      可能性があがったのよ。」
  カゲル「余計な!?何のことだ。」
  ラウィーネ「それすら気づけないからお前は今ここで死ぬんだよ。」
  カゲル「まっ・・」
  ラウィーネは何らかの手段でカゲルを殺害する。
  同刻、ヴァラスキャルブからケイが出発しようとしていた。
  ラウィーネ「はあ、面倒だけどあの子とられるのはもっと面倒だしな」
       「行くしかないか・・。」
〇ヴァラスキャルブ前
  ケイ「よし、いくか。」

  ラウィーネ、ケイ「卑弥呼のもとへ!!」
  
  


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?