社会不適合東大生の進路変更【医師】【弁護士】⑴

はじめまして、進路に迷う東大生です。

最近自分の人生について真剣に考え始めたところ、東大卒(理系なので院卒になると思いますが)でサラリーマンをやるよりも国家資格とったほうが良いんじゃね?と思い始め、情報収集したり、色々な人に相談したりしています。複数の選択肢を比較・検討しており、アウトプットがてら記事にしてみようと思った次第です。
記事を書く中で、自分のリサーチが足りていない部分にも気付けるかな、と思います。

なぜ進路変更を検討するようになったのかについては、また別記事で書くと思います。

現時点では、医学部再受験および司法試験予備試験の二択で迷っています。

そこで、今回はその二つについて様々な観点から比較してみたいと思います。

1.収入
まずは、平均収入について考える。

医師
第23回医療経済実態調査によると、勤務医の平均年収は1445万円となっている。
調査によって多少差があるのだが、概ね1300万円〜1500万円程度と見て良いだろう。

弁護士
令和3年賃金構造基本統計調査によると、平均収入は945万円となっている。

平均値で比較すると医師の方が高くなっている。しかしこれはあくまで平均値であって、人によって違うだろう。
そこで、自分がある程度の高収入を望んだ場合にどうなるのか、それぞれのパターンを検討する。

医師
医師として高待遇を望むなら、「地方で保険診療の勤務医として働く」、「美容外科をやる」あたりだろう。開業は一旦置いておく。

地方勤務医
賃金構造基本統計調査をもとにした記事によると(元データは上手く見つけられなかった)、都道府県によっては勤務医の平均年収は2000万程度になるようだ。
更に、大学病院or民間病院、診療科によって数百万変わる。
そう考えると、地域、病院、診療科を上手く選択することによって平均年収は2500〜3000万程度になるのではないか(ここら辺を正確に調べる術は思い付かないので、ざっくりのイメージである)。

美容外科
求人を探してみると、当直なし、平日勤務で2000万〜3000万あたりのものが多く見られる。
美容外科と言えば都心のイメージだったが、調べてみると普通に田舎の求人も多く見つかる。ただし保険診療の勤務医とは異なり、地方が高待遇というわけでもなさそうだ。

弁護士
法律事務所に就職して高収入を得るとなると、やはり筆頭は四大法律事務所だろう。もちろん開業もあるだろうが、ここでは検討しない。

1年目のアソシエイトで年収1000〜1200万、数年在籍しシニアアソシエイトになれば2000万程度、パートナーに昇格すれば億に到達するという。四大事務所の知り合いに聞いたところ、アソシエイトの年収の上限は4000万程度だと言う。
パートナーになれるのは一部なので、シニアアソシエイトあたりで転職すると仮定し、転職後に貰える額は1000〜2000万、最大で3000万程度だろうか。

ちなみに東大卒の平均年収は、正確な値を調べる術は思いつかないが、様々なサイトを見てみたところ1000万程度だと思われる。

地方勤務医、美容外科、四大事務所、どの進路を選択したとしても、普通の東大卒サラリーマンと比べるとかなりの高待遇である。四大事務所を離れた場合は、やや低いといったところか(それでも多くの東大卒サラリーマンよりは良さそうだが)。

2.資格取得までのハードル
医師にしても弁護士にしても、資格取得が険しい道のりなのは言うまでもない。金や時間を投入した末に資格を取得できなかったら目も当てられない。よって、資格取得がどれ程現実的なのかについて検討する必要がある。

医師
医師を目指してつまづくポイントとして考えられるのは、医学部受験、医学部での進級・卒業試験、医師国家試験の4つだろう。

医学部受験

基本的には国公立医学部を検討している。
駿台全国模試のデータをもとに、国公立医学部前期日程と、筆者が合格した東大理一を比較すると以下のようになっている。

東大理一(偏差値68)より
明らかに難しい(73以上)…東大理三、京大、阪大、医科歯科

難しい(70〜72)…無し

同程度(67〜69)…東北、名古屋、北海道、九州、千葉、横市、神戸、大阪公立、京都府立、奈良県立、岡山、広島

簡単(64〜66)…筑波、新潟、金沢、信州、名古屋市、熊本、和歌山県立、群馬、富山、岐阜、浜松、三重、滋賀、山口、長崎、鹿児島

明らかに簡単(60〜63)…その他(17校)

となっている。
こう考えると、ピーク時と同程度まで戻せばかなり大学を選べるし、8割程度まで戻ればどこかしらは受かるのではないか?
再受験に寛容なところを選ぶ必要はあるが。

また、自分の出せるパフォーマンスが受験生だった頃と比べてどう変化しているかも問題である。
純粋な脳のスペックは、まだ22歳なので有意に落ちているということは無いだろう。一度大学受験を経験しているため全体像は把握できており、受験生の頃よりは効率よく勉強出来ると思う。
一方、周りが普通に大学生活を送っている中で受験勉強のモチベーションを保ち、勉強時間を確保出来るのかという点や、大学受験以来大して勉強しておらず、脳が錆びついているかもしれない点は不安要素である。

また、先日2023年の共通テストを解いてみた結果は以下の通りであった。
国語117/200
(評論36/50、小説24/50、古文7/50(笑)、漢文50/50)
地理B74/100
リーディング70/100
リスニング73/100
数学ⅠA64/100
数学ⅡB84/100
物理71/100
化学65/100
計618/900(68.6%)
3年ぶりに解いてみて、基本的な知識が抜けていて⑴①から詰む、みたいなのがあった中でこの7割弱なら悪くないのではないか。基本的な部分の復習をすれば8割くらいならすぐに取れそうである。
2023年、国公立医学部の共通テストボーダーは、
医科歯科84%
岡山大80%
熊本大77%
宮崎大74%(一番下)
となっており、80%取れれば一般的な地方国立大学医学部なら受かるだろう。

上記をトータルで考えると、25年冬の試験までにピーク時と同程度、少なくとも8割程度に戻して国公立大医学部に合格することは割と現実的なのではないかと思う。

医学部での進級・卒業試験
ここが一番不安である。医学部での進級は他学部よりも難しいだろう。
医学部の試験は暗記がメインであり、筆者は暗記がやや苦手である。医学に対して強いモチベーションがある訳ではない中で、6年間耐えられるだろうか。
例えば、地方の医学部に進学し一人暮らしをして、かつ人間関係も上手くいかなかったとすると、生活習慣が崩壊し、ろくに授業に行かなくなり、勉強もせず、助けてくれる友達や家族もおらず留年する、といったことも考えられる。

思いつく対策は以下である。

1.実家から通う
実家は東京都にあるので、そこから通えるところに進学する。不登校やらうつ病やらになってしまう可能性は下がるだろう。東大理三、医科歯科は難易度的に厳しいと考えられるので、千葉大、横浜市立大になるだろう。この二つはアクセスが悪いため通学が大変になることが難点。

2.進級・卒業試験が緩い大学を選ぶ
進級や卒業試験の難易度は大学によって異なるようである。全体的に私立大の方が厳しい傾向にあるようだが、国公立の中でも差があるようだ。

3.多浪や再受験が多い大学を選ぶ
周りがほとんど現役あるいは1浪、といった大学では上手く馴染めないかもしれない。多浪や再受験が多い大学の方が安全だろう。また先ほども述べた通り、受験の観点からもそういった大学の方が良いだろう。

医師国家試験
毎年1割弱は落ちているようなので、落ちこぼれないようにする必要がある。こちらは全員平等な試験ではあるが、カリキュラム的に受かりやすいところとそうではないところがあるだろう。また、大学生活の過ごし方ともある程度関わってきそうである。

上記の要素を総合的に考慮して受験校を選択したい。

弁護士
弁護士を目指してつまづくポイントとしては、予備試験、司法試験、司法修習だろう。

予備試験
当然、ここが最大の難関である。予備試験の合格率は4%以下となっている。ただ、予備試験合格者に話を聞いたところ、1年集中して勉強すれば十分合格可能だと言う。そうなると、問題として考えられるのは、1年間集中して勉強できるか、予備試験の適性があるか、の2点だろう。
1点目に関しては、医学部受験と同様のポイントに加えて、やったことのない勉強をしなければならないところが不安要素である。医学部受験に関しては、一度やったことを思い出す作業になるが、予備試験に関しては、初めての内容である。
2点目に関しては、正直適性があるかどうかは不明である。調べたところ、暗記力・論理的思考力・文章力あたりが求められるようだ。筆者の能力的には(平均的な東大生と比較して)、暗記はやや苦手、論理的思考はやや得意(自称)、文章を書くのは苦手である。そう考えると、予備試験の適性としては、普通〜やや向いてないくらいだろうか。

司法試験
こちらは、予備試験合格者の97.5%が合格するので、油断しなければ受かるだろう。

司法修習
こちらも、99%が合格するので、問題ないだろう。

資格取得までのハードルについて考えてみたが、どちらの方が可能性が高いか、かなり微妙である。
受験に限って言えば医学部の方が簡単だと思う。しかし医学部は入ってからが大変なので、トータルで考えるとなんとも言い難い。

3.働き始めるまでのスケジュール
22歳から進路変更するとなると、年齢のことも考えなければならない。1浪0留なので、今年で23歳になる。医学部合格を25年3月、予備試験の口述試験合格を26年2月として考える(流石に次の試験には間に合わないので)と、スケジュールはそれぞれ以下のようになる。

医学部
25年3月 医学部合格、東大を退学/卒業
25年4月 入学
31年3月 卒業(29歳)
その後2年間初期研修(31歳)
その後3〜5年間後期研修(34〜36歳)

編入で2年生からスタートすれば、1年短縮できる。

分かってはいたが、かなり時間がかかる…
まあ一切遅れなかった人でも24歳で卒業、26歳で初期研修終了、29〜31歳で後期研修終了なので、そこから5年遅れるとなるとこうなってしまう。
初期研修中から高い給料をもらえるところに行くとしても、29歳までは無職というか学生というか、まあそういう立場になってしまう。医学部であれば多浪や再受験は普通かもしれないが、世間一般から見れば「29歳で学生?(笑)」という反応をされてしまうかもしれない。

また、結婚や育児といったイベントもある。そういったイベントを順調にこなすには、初期研修から高待遇のところで働くとか、比較的忙しくないところに行くとか、後期研修を受けないとか、配偶者と上手く協力するとか、そういった工夫が必要になるだろう。

弁護士
26年2月 予備試験口述試験合格
26年3月 東大卒業
26年11月 司法試験合格
27年4月〜28年3月 司法修習
28年4月〜 法律事務所勤務(26歳)

医学部と比べるとかなり早く社会人になれる。
進路変更せずに東大を修士で卒業すると、社会人になるのは25歳なので、1年しか遅れていない。(司法修習でも給料は出るが、13.5万+住宅補助3.5万では流石に生活できず、実家からサポートしてもらうことになると思われるので、自立してるとは言い難い)
他の人と比べても、浪人留年無しで在学中に司法試験に合格したとしても勤務は23歳から、法科大学院に進学した人は25歳から、法曹コースで24歳から(最近、院2年生で司法試験を受けられるようになったらしい)となるので、26歳からの勤務であれば、ギリギリボリュームゾーンと言えるだろう。

スケジュール面で比較すれば、明らかに予備試験の方が優れている。

あとは
・忙しさ
・働き方の自由度
・職務適性
・業界の将来性
あたりについて書こうと思ったが、思いの外長くなりそうなので、一旦ここら辺でやめておく。次回の記事で書くと思う。
初めにも書いたが、記事を書く中でリサーチ・検討の足りていない部分に色々と気づくことができた。アウトプットする中で必要なインプットに気づくという点で受験勉強と似ている。


今後の記事では、今回の続き・自己紹介・その他思ったこと・進路を決めたらその進捗などを書いていく予定です。

本記事の情報で、間違っているものなどがあればぜひ教えて頂けると幸いです。

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