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マラソン界で繰り返される「筋トレで重たくなる」論争

マラソン界では、定期的に、筋トレをすると体が重くなるからパフォーマンスに悪影響だと主張する人たちがいます。
本記事では、この主張に対して、科学的根拠と持論を混ぜ合わせて意見します。


事例

最初に事例を挙げます。
2024年2月に開催された大阪マラソンで優勝した國學院大學の平林選手(2時間6分18秒、日本歴代7位、学生日本新記録、初マラソン日本最高記録、いずれも当時)を指導する前田監督は、次のように言及しています。

速攻でお前ふざけんなと(笑い)。それをやったら多分固まるだけで、君の良さは死ぬと。これから年齢を重ねていく中で、そこにもチャレンジしていかないといけない領域になるかもしれないけれど、私は今の指導のままいきたい

東スポWEB.【マラソン】平林清澄に「速攻でお前ふざけんなと」 大阪の優勝前に禁止された〝トレーニング〟https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/297367 (2024年4月18日アクセス)


「それ」とは、その前の文章から「筋トレ」「ウエイトトレーニング」のことを指します。

「体つきは日本人ランナーとは違って、アフリカ人選手に近い部分がある。いらない筋力をつけても重たくなるだけなので、この軽量ボディーをどう生かして主戦場になりうるマラソンに結びつけていくかが大事」。

東スポWEB.【マラソン】平林清澄に「速攻でお前ふざけんなと」 大阪の優勝前に禁止された〝トレーニング〟https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/297367 (2024年4月18日アクセス)

要するに、筋トレをしない方が良い理由として、「固まる」ことと、「重たくなる」ことを挙げています。

「重たくなる」=「体重が増える」

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