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Fさん(が)Watch!

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昭和四十年代の幼児期にウルトラマントランプで五十音を覚えて以来の活字中毒&物語中毒。そんな肉体年齢≒オタク歴の私・F「が」ウオッチした小説・マンガ・アニメ・ドラマ・映画などの作品…
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#マンガ感想文

1059:(GaWatch書評編015)九井諒子『ダンジョン飯』全14巻

1059:(GaWatch書評編015)九井諒子『ダンジョン飯』全14巻

丸二日風邪で伏せっている間に『ダンジョン飯』を第1巻から読み返し、つい先ほど最終14巻を読み終えた。12巻までは刊行時に読んでいたのだけれど、昨年末刊行のラスト2冊は本日初めて読んだ。これまで日本のファンタジーコミックとしては『ベルセルク』が孤高の高みと思っていたけれど、本作はベルセルクとは違った方向から、しかし同等の高みに到達し、完璧な物語として幕を引き終えた。以下、読了直後の高揚を駆って書評メ

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0503:(GaWatch書評編010)たーし『ドンケツ』

0503:(GaWatch書評編010)たーし『ドンケツ』

 以前から面白いと評判をあちこちで目にしていた極道漫画『ドンケツ』、先月思い切って全巻一挙購入した。もちろん小説『やくみん! お役所民族誌』の参考だ(が経費で落ちるかどうか昨日のアレでちとこわいな)。

ドンケツ 全28巻
著:たーし
発行:少年画報社(ヤングキングコミックス)

 表紙が全てを物語っている。煙草を片手に唇を歪め額に青筋を浮かべている柄の悪いおっさん──沢田マサトシ。孤月組の組員、

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0486:(GaWatch書評編009)草下シンヤ・本田優貴『ハスリンボーイ』

0486:(GaWatch書評編009)草下シンヤ・本田優貴『ハスリンボーイ』

 偽造免許証、他人名義の銀行口座、トバシの携帯──詐欺に必要な様々なツールを用意し販売する「道具屋」を主人公とした漫画だ。これももちろん「やくみん! お役所民族誌」の参考として手に取った。

ハスリンボーイ 全4巻
著:草下シンヤ(原作)、本田優貴(漫画)
発行:小学館(ビッグコミックス)

 ハスリン=hustlin(g)という言葉を知らなかったのだが、ヒップホップ文化で「なりふり構わず金を稼ぐ

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0272:(GaWatch書評編004)『メダリスト』第3巻

0272:(GaWatch書評編004)『メダリスト』第3巻

『メダリスト』第3巻
著:つるまいかだ
発行:講談社(アフタヌーンコミックス)

 本日『メダリスト』第3巻が発行され、すぐさまkindleで読んだ。期待に違わぬクオリティとひとつの物語の区切りに、溜め息が漏れた。以下、所感を書き留める。

(1)1~2巻の概要 本作は競技フィギュアスケートを描いた作品で、3巻までの範囲では小学校中~高学年の少女たちの物語を中心に描いている。

 主人公の結束いの

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0250:(GaWatch書評編003)『ダーウィン事変』第2巻

0250:(GaWatch書評編003)『ダーウィン事変』第2巻

『ダーウィン事変』第2巻
著:うめざわしゅん
発行:講談社(アフタヌーンコミックス)

(1)Kindle Unlimitedで知った「うめざわしゅん」作品 はじめてうめざわしゅん作品を意識したのは、実はKindle Unlimitedだ。

 Kindle Unlimited(以下「Unlimited」という。)は月980円でkindle書籍が読み放題のサブスクリプションだ。「全てのkindle

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0242:(GaWatch書評編002)『テロール教授の怪しい授業』第3巻

0242:(GaWatch書評編002)『テロール教授の怪しい授業』第3巻

『テロール教授の怪しい授業』第3巻
原作:カルロ・ゼン
著:石田点
発行:講談社(モーニングコミックス)

(1)作品のこと カルロ・ゼンは『幼女戦記』で著名なライトノベル作家だ。同書はコミカライズやアニメ化もされたので、多くの人が知っているだろう。

 私は彼の小説自体は読んだことがない。『幼女戦記』は主にコミックで読み、アニメも一応は観たが、この作品についてはあまり良い読者とはいえない。それほ

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